エンカウントとは、ゲームなど(主にRPG)で敵と遭遇することを意味する。またその形式。
概要
主に「戦闘シーンと移動シーンが分かれているコンピューターRPG」で使われる用語。
「ダンジョンマスター」のように戦闘シーンが移動と分離していないゲームでも使わないこともないが、あまり使わない。
数歩ですぐ戦闘になるゲームでは「エンカウント率高すぎ」などと評価される。略称はエンカ率。
なお「エンカウント」は英語には存在しない単語。「遭遇」を意味するencounterという単語が欧米製のRPGで用いられていたことから、(もしかしたら誤用で)生まれた日本語のようだ。
言い間違いでアカウント。誰かが間違えたのをきっかけに、まつもとの勇者一人旅シリーズのコメントでよく使われていたらしい。
とはいえ「エンカウント」も誤用であることは一緒かもしれない。少なくとも普通の国語辞典には載っていない。
エンカウントの種類
ザコ敵の出現は、ランダムエンカウントとシンボルエンカウントの二種類が代表的である。
特定の場所に配置されたボス敵はほとんどが固定エンカウントと呼ばれる。
他の方式は後述。
ランダムエンカウント
歩くごとにランダムで敵の出現が判定される方式。多くの場合、プレイヤーは敵の出現するタイミングを予測できない。ただし地形や地域によって敵の出現率が変わることは珍しくないので、そういったエリアを避けることはできる。
ランダムの方式はゲームによって様々である。リアルタイムで変動する乱数によるほぼ完全なランダムのものもあるが、一歩ごとの連続戦闘が起きないような配慮は古くからよく見られる。
たとえばが一歩ごとに内部的に何かの数値が蓄積しそれが最大になった時に敵が出現する、戦闘が終了した時に「何歩歩いたら次に敵が出現するか」をランダムで決まる、固定の乱数表で判定され敵の出現する歩数がおおむね決まっているものなどである。
また出現直前の歩数で警戒表示が出るもの、出現時に操作で回避できるものなどもあり、さらに出現率を0%から任意に調整できるものさえ存在する。
よほど古いタイトルでない限り、単純なランダムだけで成立しているものは少ないかもしれない。
大抵の作品ではTAS的な手法による乱数調整でもしなければ完全な回避は難しいが、実機でも回避できるものもある。特に乱数が固定されている初期FFのエンカウント飛ばしは有名。
シンボルエンカウント
敵の「シンボル」がプレイヤーから見える状態で配置されており、接触すると戦闘になる方式。見えているので積極的に戦闘を仕掛けることもできるし、回避して全く戦闘せずに進むこともできる。シンボルによって出現する敵の種族や強さが把握できる場合も多い。
ロマンシングサガのようにシンボルがリアルタイムで動くものを指すことが多く、アクション要素があるとも言えるが、世界樹の迷宮に登場するF.O.Eのようにこちらの歩きに合わせて動く「ターン制」タイプの場合もある。
上述のF.O.Eもそうだが、ランダムエンカウントを基本としながらシンボルエンカウントが共存しているタイトルもある。そうした例外的なシンボル敵は回避前提か挑戦に覚悟を求められるかのどちらかであり、たいてい強敵である。また、アイテムなどを使わないと姿が見えないものや、フィールドの仕掛けを解く鍵になっているものもある。
プレイヤーからランダムエンカウントと区別できない「見えないシンボルエンカウント」型(ゲーム中に見る方法もない)も稀にあるらしい…
固定エンカウント
特定の場所に行ったり調べたり話しかけたりすると戦闘に突入する、一般的なボスがこれに該当する。
ボス以外も大抵は特別なモンスターであり、戦う前に十分な準備が可能である場合が多い。
ただし、宝箱に擬態したモンスター(ミミックなど)奇襲してくるものもいる。
中にはザコと出会うイベントもあるし、同じ場所を調べることで無限に遭遇できるザコ敵というのもいる。FF5ビッグブリッジの必ず敵が出現するマスなどもこれに相当するだろう。
なお、ボスの全てが固定エンカウントというわけでもない。ランダムで出現するボスの例もある。
その他の方式いろいろ
以下は比較的一般的でなく、呼び方も本記事独自のものでもないが、独自用語に近い。
また以下で全部を網羅してもいないと思われる。
- 玄室
3DダンジョンRPG「ウィザードリィ」で見られる方式。ランダムエンカウントとは別に、俗に「玄室」と呼ばれる部屋があり、高確率で敵が配置されている。ここの敵を倒すと宝箱が手に入る。すなわち固定エンカウントの一種とも言えるが、配置されている敵自体はランダムであり、稀に出現しないこともある。
敵を倒した部屋もフロアを移ると復活する。
ウィザードリィはランダムエンカウントの確率が低く、戦闘の多くはこの玄室で起こる。
他のダンジョンRPGでも、同様のシステムを採用しているタイトルがあるようだ。
なお「玄室」は古墳などの墓の中の部屋を意味する言葉で、ウィザードリィのダンジョンに墓穴のような雰囲気があったことから誰かがこう呼び始めたのかもしれないが、正確な由来は不明。 - 任意エンカウント
ドラクエの「くちぶえ」、FF4の「アラーム」のように、アイテムや特技でその場で任意にエンカウントを起こす手段もしばしば存在する。 - 歩数エンカウント
ランダムエンカウントの部分でも歩数についても少し触れたが、敵の出現する歩数が完全に決まっているものも稀にある。ファミコン版FF1やサガ2秘宝伝説などである。これは内部的には乱数テーブルを使っているようなのだが、その乱数が常に固定されているため常に何歩目で出現するかが決定され、ズレる要因も存在しないというものである(FF2や3なども同じ方式だが、こちらは別の要因で歩数がズレる可能性がある)。
「摩訶摩訶」のように完全固定のものもあるようだ。 - 時間エンカウント(?)
「ディープダンジョン」で採用していた方式。何も操作しないで立ち止まっていても敵が出現する。
かなり特殊な例で気になったので記載しておくが、プレイしたことがないので具体的な判定法は知らない。「バーズテイル」のPC版でも採用していたそうである。
エンカウントの軽減・回避方法
エンカウントの回避方法はゲーム側でエンカウント軽減手段として用意されているもの、
結果的にエンカウントを減らせるもの、所謂乱数調整にあたるものがある。
- エンカウント率を下げるスキルやアイテムを使用する。
- 一瞬にして移動できるスキルやアイテムを使用し、エンカウントが起こる場所を歩かない。
- マップを移るなどしてエンカウントになる残り歩数をリセットする。
- 何らかの手段で乱数をずらしエンカウントの判定を先送りにする。
- エンカウントの判定をされるフレームで立ち止まる
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関連項目
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