オウガバトル64~Person of Lordly Caliber~とは、NINTENDO64より1999年7月14日に発売されたSRPGである。
タイトルの通りオウガバトルサーガの一環を成し、6章の内容を断片的に受け継いでいる。
またN64のSRPGは本作しかなかったため、これに触れたN64ユーザーは少なくないようだ。
概要
松野氏の離社と作品の位置づけ
まず、書いておくべきは初代「伝説のオウガバトル」、前作「タクティクスオウガ」のシナリオ・ゲームデザインに深くかかわっていた松野泰己氏の退社であろう。一身上の都合によりクエストからスクウェアに移籍したため(俗悪な噂ではFFT開発のためにスクウェアが引き抜いたとも言われている)、松野氏離社後のクエストの元には松野氏が製作した全8章のサーガ・プロットのみが残った。このうち第6章を下敷きにしてソフトを製作したのが本作である。
そのプロットによれば「伝説のオウガバトルにてローディスに旅立ったゼノビアの勇者が、ローディス統治領にて奴隷人種と化していたボルマウカ人を解放し、共にゼノビアに帰還する」というものだが、本作ではボルマウカ人に関わる描写は控えめで、むしろローディス教国とそれに軍事支配されたパラティヌス王国、そして教国の傀儡となった王国による苛烈な圧制に反乱し革命しようとする民衆(革命軍)とボルマウカ人による、王国と教国に対する反乱劇を主題にしている。そのため前作にあるような人種に関わる問題提起は比較的控えめになっている。
またサブタイトルは訳すると「指導者たる器を持つ者」だが、これも64版の主人公マグナスのことを指し、"ゼノビアの勇者"デスティンや革命軍の実質的指導者であったフレデリック等のことではないとされている。
このため、正史を元に製作されたものの、その発案者である松野氏の了承を得ておらず、本作のサーガ的位置づけは非常にあいまいであり、また後述の甘い作りも手伝って、本ゲームの支持は前作ほどには得られなかった。
ゲームシステムとその他諸々
他方でゲームシステムは、『伝説』をベースにしつつ『タクティクスオウガ』を折衷したような作りとなり、発売元がNINTENDO64ということもあってか、システム周りはライトな仕上がりになっているが、一方で「カオスフレーム」システムは健在であり、民衆の支持を失うと伝説の勇者にお仕置きされるという隠し要素まで存在する。
また各軍団を構成するユニットを新規開拓する際は雇ったりするのではなく新兵(ソルジャー)を戦闘に出して成長させるというシステムであるが、ソルジャーを育てることのできる戦場はイベントバトルのみであるため、ユニットをたくさん出すのは困難になっており、この点でバランスがとられている。
魔法は『伝説』を元にしているがグラフィックの強化が図られており、特に三者合成魔法や竜言語魔法のエフェクトはかなり大掛かりな物になっており、64の性能の一端を見せている。こと竜言語魔法は非常に強く、1つでも覚えると途端にヌルゲーとなってしまう。
また同作には例によって「BGMききたい(サウンドテストモード)」があるが、コメントが表示できないためTOやFFTのようなことにはなっていない(ちなみにサウンドテストモード、サントラには収録されているもののゲーム中では一切使われていないBGMも何曲かある)。シリーズの顔役である魔女デネブもチュートリアルの登場のみに留まっている。
本作には愉快なバグが搭載されており、これを利用するとほぼ無制限に消費アイテムを増殖できる。このため、ゲームバランスが崩壊することを惜しまなければステータスやアラインメントを自在に操作でき、容易に民衆の支持を得てクリアしたり、一撃必殺鎧袖一触キャラを増産するプレイが可能になっている。
追記
本ソフトは2010年1月26日にWiiの、2017年7月5日にWii Uのバーチャルコンソールにて配信され、Wii及びWii Uでもプレイが可能になった。
関連動画
この他、同タグでは実況動画やBGM系動画などが投稿されている。
関連項目
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