概要
ミシガンからフロリダに渡る地域及びニューメキシコ原産の花。キク科の多年生草木で、温帯地方に自生。5月から7月にかけて開花し、黄色い花を咲かせる。日本以外にも台湾、オーストラリア、ニュージーランド、サウジアラビアに移入された。
日本へは1880年代、ワイルドフラワーや鑑賞目的で移入された。オオキンケイギクの強い繁殖力が着目され、緑化運動の一環として荒れ地や道路の法面等に植えられるようになった。こうして至る所でオオキンケイギクが咲き誇り、人々に馴染み深い存在となった。綺麗な花を咲かせる事から、栽培する人もいたという。ところが在来種を一掃してしまう破壊的繁殖力が露わになり、状況は一変。オオキンケイギクとは在来種と競合し、大繁殖して日本本来の環境を破壊しまくる厄介者だったのだ。
2006年2月1日に特定外来生物に指定され、栽培、運搬、販売、野外に放つ事を禁止。生態への悪影響が強い動植物をまとめた「日本の侵略的外来種ワースト100」にランクインするほど勢いを広げている。このため各自治体が見つけ次第駆除が推奨している。しかし緑化運動で各地に植えられていた経緯から全国に分布しており、高い繁殖力も手伝って根絶は難しいのが現状。加えて人々に馴染み深い存在のため、田舎では規制を知らずに育てている人もいる。庭で咲いているのを見つけたら根ごと引っこ抜き、2~3日天日干しして完全に枯死させてから可燃ごみで捨てましょう(枯死させても放置すると種が散布する)。勢力を拡大させないよう、梅雨時の刈り込みも推奨されている。
迷惑者のオオキンケイギクだが、その一方で医学界からは熱い視線が注がれている。2015年になって、市販の抗がん剤と同じ成分が含まれている事が明らかになったのだ。安全性を確認してから製薬に取り掛かりたいと関係者は語る。
特攻花
特攻花とは、大東亜戦争末期に沖縄方面へと向かう神風特攻隊々員に手向けとして渡した花の事。喜界島ではテンニンギクの方が有名だが、オオキンケイギクも特攻花だと言われている。本土(鹿児島県内)ではオオキンケイギク=特攻花の印象が強いようだ。
関連項目
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