概要
オキュパイド(Occupied)とは、「占領された」「占領下」という意味の英単語。また、ある種の刻印や印字がされた骨董品がそのように呼ばれている。
第二次大戦終戦後、日本とドイツは外貨を得るため、陶磁器、布製品、カメラ、お土産品のおもちゃ…など、様々な製品を輸出していた。その中で、まだ連合国の占領下にあった時期に生産された輸出向け製品には、占領下であることを記す「Made in Occupied ~」という刻印が義務付けられていた。
日本製品の場合は 「 Made in Occupied Japan」、 ドイツ製品の場合は 「Made in Occupied Germany」「Germany Occupied USSR (or US ZONE)」などと表記されている。
この表記には製造時に刻印がされたものと、輸出先の税関側で後から追加される形で刻印されたものがある。何だか雑な刻印や印字は後者の可能性が高い。
ほか、珍しい例では米軍中央購買局(Central Purchase Office)向けに製造販売された日本製カメラには、「CPO」やカタカナで「シーピーオー」と刻印されたものもある。
こうしたオキュパイド製品は時代的背景から数は多くなく、また、輸出向け製品であることから本国で見かけることも少ない。そうした理由から骨董品の収集家にはオキュパイド製品を中心に集めている人もいる。
といっても、オキュパイド製品であること自体に特別高価になるような金銭的価値があるというわけではなく、大抵は骨董品自体の価値で値段が付けられている。しかしながら、歴史的な価値やマニアにとっての価値は確かにあると言えるだろう。(終戦直後しか生産されていないものでオキュパイド入りはめっちゃ高価)
意外と国内のオークションサイトやリサイクルショップでも見かけることはあるので、手にする機会があったら歴史の一部を感じてみよう。
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