オスヴァルト・フォン・ミュンツァー単語

オスヴァルトフォンミュンツァー
1.8千文字の記事
  • 0
  • 0pt
掲示板へ

オスヴァルト・フォン・ミュンツァーとは、「銀河英雄伝説」の登場人物。「弾劾者」と通称される。
CV.下山吉光オーディオブック版)。

概要

フリードリヒ3世以前からコルネリアス1世帝国320360年頃)にかけての帝国軍人・法尚書。
剛直な人柄がもたらしたその事績から「”弾劾者”ミュンツァー」の異名で呼ばれる。

本伝第五巻「風雲篇」のほか、外伝を砕く者」、同「ユリアンのイゼルローン日記」、「ダゴン域会戦記」に登場している。

”弾劾者”

――検察官は言われる。被告には帝国軍撤退の全責任がある、と。しかし被告は総司令官にあらず、一介の参謀である。検察官は言われる。被告は勝利のための作戦をたてなかった、と。しかし被告は参謀長にあらず。一介の参謀である。検察官は言われる。被告は――

"弾劾者"ミュンツァーの最終弁論(一部抜

ミュンツァーが史上に名を残すことになったのは、なにより彼が都防衛部参事官・中将であった帝国331年、ダゴン域会戦の敗に際し、総司令官たる皇子ヘルベルト大公に代わって敗北の全責任者とされた参謀ゴッドリーブ・フォン・インゴルシュタット中将の被告弁護人としてである。

そもそもミュンツァーとインゴルシュタットとは10年に渡り、「顔も見たくない」と広言するほどのの仲であり、軍もそれによって弁護が全に意味なものとされることを期待して彼を被告弁護人に任じた。しかしミュンツァーはその期待を裏切り、沈黙した被告人に代わり、「法廷を熱論理闘争の場とすべく、判事と検察官の前に立ちはだかった」のである。

彼の弁護は、インゴルシュタットに被せられた責任と罪の不当さを格調高い弁論によって糾弾するものであり、こと項冒頭に掲げた「一介の参謀」というフレーズが印的な最終弁論は、非開の軍事裁判の場での発言にもかかわらず外部に流出し、前述の異名の由来となったほどであった。

だが、彼の全知全を傾けた弁護は、にとっても至極自然なことに、全に意味であった。死刑の判決に対し抗議と減刑要でもって応えたミュンツァーにとってすら、それは意外ではなかった。ミュンツァーはインゴルシュタットの殺にも立ち会ったが、裁判の間じゅう沈黙を守った被告人は、刑場でミュンツァーに深く頭を下げた。

インゴルシュタットの人生はこれで終わりだったが、ミュンツァーの人生はそうではなかった。彼に待っていたのは、辺域の警備管区官という左遷と、「現地においての予備役編入」という流刑だった。

”距離の暴虐”

彼に転機が訪れるのは、帝国337年のことである。この時既に冠はフリードリヒ3世から三代目マクシミリアン・ヨーゼフ2世の手に移っていた。

ミュンツァーはこのマクシミリアン・ヨーゼフ2世によって辺から呼び戻され、法尚書に任じられる。後の世に””として知られる王の中者は、彼に帝国内の陰謀と犯罪を一掃させた。彼は””をよく佐し、フリードリヒ3世以来不健全極まりない状態にあった帝国を一挙に健全化することになる。

そしてミュンツァーは、法尚書としても後世に残る名言を残している。それが”距離の暴虐”である。
これは、帝国が叛徒すなわち自由惑星同盟を討伐し、銀河系に1/3を占めるまでに拡大した人類社会を再統一することの難しさを的確かつ簡潔に示したもので、自由惑星同盟グエン・キム・ホアが唱えた”距離の防”に対応するものである。信頼し尊敬する臣下のこの箴言を受けたマクシミリアン・ヨーゼフ2世は、在位中20年、ついに自由惑星同盟に対する遠征を行わなかった。

マクシミリアン・ヨーゼフ2世し、跡を継いだコルネリアス1世の時代になっても、ミュンツァーは法尚書として””の後継者に重用された。しかし帝国359年、コルネリアス1世が同盟への大征を企図すると、ミュンツァーは遠征の中止を進言するも容れられず、自ら法尚書を辞して引退する。”元帥量産”の異名でも知られたコルネリアス1世は上級大将であったミュンツァーに元帥号を授与したが、彼はそれも辞退して宮廷を去った。

関連動画

関連項目

【スポンサーリンク】

  • 0
  • 0pt
記事編集 編集履歴を閲覧

ニコニ広告で宣伝された記事

この記事の掲示板に最近描かれたお絵カキコ

お絵カキコがありません

この記事の掲示板に最近投稿されたピコカキコ

ピコカキコがありません

オスヴァルト・フォン・ミュンツァー

15 ななしのよっしん
2018/04/11(水) 15:02:04 ID: PMtjQNbPuf
個人的には、最終弁論の調のせいか、池田ケスラー大佐さんとダブ

読むたびに気を抜くとすぐあの脳内再生されてしまうわ
👍
高評価
0
👎
低評価
0
16 ななしのよっしん
2018/04/13(金) 18:12:59 ID: qqbJMfdO3Y
大河「弾劾者」とか新旧両王通じて人気ありそう
👍
高評価
0
👎
低評価
0
17 ななしのよっしん
2018/05/05(土) 19:39:48 ID: ukFDkQNQWJ
>>16
> 大河「弾劾者」
中国史劇の包(包拯)ものみたいなノリになるかな。
👍
高評価
0
👎
低評価
0
18 ななしのよっしん
2019/09/28(土) 21:01:24 ID: XfKBOKBIH+
ラングとは逆で仕事には私情を持ち込まないタイプ人間なんだと感じた
👍
高評価
0
👎
低評価
0
19 ななしのよっしん
2020/03/25(水) 04:23:05 ID: 9DubYPPrQ6
>>13
帝国宰相は一回皇太子がなって以降は皇族以外がなるのはダメってなったんじゃなかったっけ?
本編の時代まで来ると宰相につくようになるけど
👍
高評価
0
👎
低評価
0
20 ななしのよっしん
2020/03/25(水) 07:05:44 ID: kGdIydgnfv
>>19
それはオトフリート3世皇太子時代の逸話で、この人よりずっとあとだよ
👍
高評価
0
👎
低評価
0
21 ななしのよっしん
2020/07/20(月) 22:31:53 ID: 0twywCFpKA
で私情を挟まない人だったという意見には反対しないけれど、この人は
インゴルシュタットとは10年に渡り「顔も見たくない」と広言するほどのの仲だった」
まさにだからこそ、あそこで何か変なスイッチが入っちゃったんだという気がする
👍
高評価
0
👎
低評価
0
22 ななしのよっしん
2020/07/21(火) 21:54:57 ID: qqbJMfdO3Y
不倶戴天の相手だからこそ私情を優先するようなみっともない姿は見せられないとかそんな感じか
古き良き貴族(の偶像)の体現って感じ
あるいはそれこそ貴族意識じゃなくもっと子供じみた意地のり合いからくる見栄だったかも知れんけど
👍
高評価
0
👎
低評価
0
23 ななしのよっしん
2020/08/08(土) 13:03:22 ID: TIi0GZfGQ0
「あいつにやらせときゃまともな弁護もないだろう」ってのが見え見え過ぎて、められたものだな、とついカッとなったって感じか。
👍
高評価
0
👎
低評価
0
24 ななしのよっしん
2022/10/27(木) 07:41:08 ID: B3sLpYJcqE
気に入らないの弁護を押しつけてきた連中に意趣返しをしたという感じだと思ってる
👍
高評価
0
👎
低評価
0

スマホで作られた新規記事

こちらの記事に加筆・修正してみませんか?

画面遷移確認のための記事 健康優良児 あらそう