オッゴとは、OVA『機動戦士ガンダムMS IGLOO 黙示録0079』第2話「光芒の峠を越えろ」と第3話「雷鳴に魂は還る」に登場するジオン公国軍の機動兵器である。分類は駆逐モビルポッド。
概要
一年戦争も末期に入った宇宙世紀0079年12月24日、ジオン本国防衛の一角を担う宇宙要塞ソロモンが陥落。敗色が濃くなったジオン軍技術本部はモビルスーツの絶対数不足を補うために、「決戦兵器」と称して駆逐モビルポッドの急造に着手した。
異なる企業のプロジェクトを統合しつつ従来の生産ラインを活用する事が求められ、基幹ユニットにはザク向けに開発されたパーツを使用する設計を採用。オッゴ自体の開発は少々前から送られていて、ジオン軍の地球撤退に伴って不要になった陸戦型ザクのパーツを流用して11月に試作機が完成。このため既存のザクⅡの武装をそのまま扱え、国力の疲弊したジオン軍向けに設計されているため量産も安価である。戦局逼迫により正規の手続きを踏まぬまま、なし崩し的に制式化されて緊急量産。かろうじてア・バオア・クー攻防戦前に間に合った。しかし実戦データがまだ取れていなかったため、第603技術試験隊に送られる事となる。今まで登場してきた試作兵器の中で唯一制式化が決定した兵器だった。
地球連邦軍がモビルスーツを大量生産するのに対し、ジオン軍は安上がりなモピルポッドを生産するのを見て、ヒデト・ワシヤは「先祖帰り」と揶揄している。カタログスペックでは、連邦軍のモビルポッド「ボール」より性能が上とされている。
オッゴを見た連邦兵はジオンのごみ箱、ドラム缶の化け物と言っている。逆にボールを見たエルヴィンはアジアのスイカと言い放った。余談だが漫画によっては、一年戦争後にもジオン系の組織に配備され運用している描写がある。
戦後、オッゴはアクシズの作業用MA「ガザA」に発展。ガザシリーズの礎となった。
ドラムフレーム
オッゴはコア部の両サイドをシリンダー型推進ユニットで挟み込んでいる。シリンダー両端部のドラムフレームの回転によって、保持するオプション兵装にあらゆる方位への対応を可能とさせている。ドラムフレームはディスク状のフレームを何枚か重ねた回転式のフレームである。旧世紀から存在する軸受け(ベアリング)の延長で、宇宙世紀の建築業を支える事から「万能軸受け」とも呼ばれる。
公式外伝「A.O.Z Re-Boot」にてドラムフレームの採用が明確になった。同時にガザシリーズとの繋がり、ドラムフレームの万能性も示された。
劇中の活躍
作中では、35機前後のオッゴがカスペン戦闘大隊に配備された。このオッゴを操縦するのは軍に志願した15~18歳の学徒兵で実戦経験皆無、士気こそ高いものの150時間の訓練時間で配備された促成の兵士だった。0079年12月30日の月面(グラナダ管制区)と翌日の12月31日のEフィールド防衛戦に投入された。
月での戦闘ではエルヴィン・キャディラック曹長率いる3機編成の第2小隊が出撃、陽動目的で現れたサラミス級2隻に先制攻撃した後、サラミスから発進したボール6機と対峙。数の不利を覆し、善戦するも急造品ゆえのトラブルが発生。フリードリッヒ・カッテル機が撃墜され、損害を出している。最終的にはボール5機を壊滅、残り1機は拿捕するという戦果を挙げ、オッゴはボールより勝っている事を証明する。が、直後サラミス級の砲撃でエルヴィン・キャディラック機も撃墜された。
Eフィールド防衛戦では残りのオッゴ全てを投入。母艦のヨーツンヘイムが決死の覚悟で降下予定ポイントまで運んでいたが、道中で連邦軍の迎撃を受ける。プロホノウ艦長は学徒兵に少しでも有利な場所で投下すべくサラミスの間を敵中突破し、すれ違った直後に散布フレームを投下。迅速に展開したオッゴ部隊は敵艦隊の後ろを取る形となり、すかさず対艦ロケットの一斉射を浴びせてジム1機とサラミス1隻を撃破する。
その後、オリヴァー・マイ技術中尉の駆る補助兵器ビグ・ラングと合流し、共闘。ビグ・ラングはオッゴに乗る学徒兵に生還のチャンスを与えるべく勇猛果敢に戦い、時にはビーム撹乱幕を撒いてジムの攻撃から守った。死角から攻撃しようとする敵機にはオッゴが対応し、持ちつ持たれつの関係でEフィールドの連邦軍を一時退却へと追いやった。その隙にビグ・ラングはオッゴの補給を実施。弾薬を消費したオッゴには新たな武器を与え、損傷して着艦できないオッゴは駆動アームで捕まえて応急修理した。
性能に反して善戦していたオッゴ部隊であったが、ア・バオア・クー防衛司令部から事実上の停戦命令を受けて身動きが取れなくなってしまう。故郷や仲間を焼かれて怒り心頭の連邦軍は停戦命令を無視してオッゴに襲い掛かり、2機のオッゴが停戦後に失われた。やむなくビグ・ラングとともに応戦を開始し、撤退中の艦隊から駆けつけたであろうザクⅡやゲルググ、ヨーツンヘイムから救援に来たモニクのヅダやカスペンのゲルググとともに友軍艦隊が撤退する時間を稼ぐ。激戦の中オッゴを庇ってカスペンは戦死、ビグ・ラングも撃墜されるものの連邦軍部隊を壊滅させ、25分もの時間を稼いで友軍艦隊を見事脱出させた。また7機のオッゴが死線をくぐり、ヨーツンヘイムに帰還した。
余談
藤岡建機は作業用機器という発注を受けた事から、ガザ系との中間を意識してデザインしたと『A.O.Z Re-Boot』のメモで明かしている。後年、藤岡は同企画でガザAをデザインすることになる。
モデルは旧ドイツ軍が第二次世界大戦末期に投入した駆逐戦車「ヘッツァー」で、名前の由来は秋田弁で「お(落)っごちる」から。
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関連項目
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