概要
オリーブの果実・種子を圧砕し、これを石臼などでペースト状にし、圧搾して抽出された油。その歴史は古く、古代ローマの時点で地中海周辺にオリーブの木が自生し、これを利用したという。非常に頑健で乾燥した荒地などにも強く、かつ成長後の手入れがあまりいらないオリーブの木は地中海全域に広まり、中世欧州では単に「油」という場合、バターなどではなくこのオリーブオイルを指すことが多かった。
現代でも欧州全域、特に地中海沿岸では料理に欠かせない調理用油、兼調味料でもある。日本における醤油に近い。また厳格なキリスト教などでは斎日の際に肉食を断つため、植物性であるオリーブオイルは貴重な油分となる。
日本では香川県の小豆島で栽培されており、国内生産量のほとんどが小豆島産である。
食用の用途
食用用途はおそろしく多岐に渡り、例えば熱したフランスパン(notフライパン)を上質のオリーブオイルに浸して食べるだけでも立派においしい。さらに全体に浸した上で直火にかけるとことのほかおいしい。
またこのオリーブオイルを利用したオイルソースも非常に多い。中でも有名なのはペペロンチーノに使われるソースであろう。これは、いわばニンニクを低温のオリーブオイルで揚げて作られる。以前はお店のパスタでも普通のサラダ油を使用しているものが散見されたが現在はコンビニのお弁当でもほとんどがオリーブ油を使用している模様。好みもあるだろうが、やはりオリーブオイルの香りはパスタに合う。
豊かな果実の香りは、サラダドレッシングとしても素晴らしい。野菜にそのままかけるだけでもドレッシングになるほか、オリーブオイルを元にして様々な味付けをしたドレッシングが沢山ある。
トマトと非常に相性がよく、特にギリシアではトマトとオリーブオイルは定番の食材となっている。
食用以外の用途
キリスト教における「聖別」にも欠かせないものであり、これに使われるオリーブオイルは特別な儀礼を施した上で「聖油」という、非食用の油になる。
また軟膏にも使われ、その応用としてマッサージや猫の耳掃除の際に使う人もいるが、体質によってはかなりまずい事になる可能性もあるので、異常を感じたら即刻使用を中止したほうがよい。
オリーブオイルの種類
日本の標準的なスーパーマーケット等で市販されている食用オリーブオイルは主に下記の二種類。
- エクストラバージンオリーブオイル [EXTRA VIRGIN OLIVE OIL]
- オリーブの果実をそのまま絞ったバージンオイルのうち、最も上質なオリーブオイルに付けられる名称。フルーティーな香りとフレッシュな味わいを活かして、サラダのドレッシングや料理の仕上げなど「生」で使用するのに相性が良いとされる。勿論、加熱料理に使っても構わない。
規格上はバージンオイルのうち、酸度(遊離脂肪酸)の割合が0.8%以下のものにエクストラの名称が付けられる。基本的に下記のピュアオリーブオイルより高価であるが、機械で絞ったものなど低価格なエクストラバージンオリーブオイルも多数発売されている。略称はEXV。 - ピュアオリーブオイル [OLIVE OIL]
- バージンオイルと、精製したオリーブオイルをブレンドしたもの。イタリアで単にオリーブオイルと呼ばれるのはこちら。エクストラバージンオリーブオイルより廉価である。見た目はバージンオリーブオイルが緑色なのに対し、こちらは普通の油のような黄色に近い色をしている。
揚げ物、炒め物などの加熱調理の場合、油を多く使ううえに加熱により香りが飛んでしまい、高級なオイルを使っても旨みを活かし切れない。そういった場合に廉価なピュアオリーブオイルが使用される。
オリーブオイルを利用した料理の一例
じゃがいもとベーコンのオリーブオイル炒め
- ビールを冷やしておく。
- ジャガイモを適当な大きさに切り、少し固めにゆでる。
- たっぷりのオリーブオイルでベーコンを炒め、そこにゆでたジャガイモを加える。
- 揚げるように炒め、ジャガイモの表面がカリカリになったらお好みで塩をかける。
- 冷蔵庫からビールを取り出し、4を食べながら飲む。
ブロッコリーとチーズのオーブン焼き
関連動画
関連項目
- 14
- 0pt