オーストラリア競馬の格付け問題単語

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ここでは、2018年以降のオーストラリア競馬の格付けに関する問題について解説する。

現在の状況

本問題は現在進行中のものであるため、どのように決着するかは不明である。
そのため、現時点(2026年7月)の状況について下記に記載する。

登場組織について

最初に本記事に登場するな組織とその役割について説明する。

アジアパターン委員会(APC)

ARFの下部組織。アジア地域(オセアニア南アフリカも含む)の競馬の格付けを管理する立場にある。

格付けに関するな役割は2つ。

レーシング・オーストラリア(RA)

オーストラリア競馬を統括する機関

オーストラリア連邦制であるため、日本JRAのように全競馬場を一元的に催する機関は存在せず、州ごとに統括機関が存在する。そのため各州の統括機関を束ねる立場にある。

特に力が大きいのは、ニューサウスウェールズ州のレーシングニューサウスウェールズ(RNSW)とヴィクトリア州のレーシングヴィクトリアRV)である。

レーシングニューサウスウェールズ(RNSW)

オーストラリア最大の都市シドニーをはじめとするニューサウスウェールズ州の競馬を統括する機関

近年はジ・エベレストゴールデンイーグルなど高額レースの開催に力を注いでいる。

競馬の競走の格付けについて

ここでは、日本オーストラリアレースの格付けがどのようにされているか説明する。

日本の場合

日本では内のパターン委員会として「日本グレード格付管理委員会」が存在する。この委員会はJRANARJBBA(日本種馬協会)・IRPAC国際格付番組企画諮問委員会)・WBRRC(ワールドベストレースホースランキング委員会)のメンバーで構成されている。

番組の編成はJRA地方競馬運営する各催者で行うが、グレード競走・リステッド競走を新規に設立・昇格させる場合は日本グレード格付管理委員会に諮る必要がある。
日本グレード格付管理委員会は対レースが必要な条件(レーティングや賞金等)を満たしているか確認し、新規設立・昇格について判断する。判断の基準となるのは国際競馬統括機関連盟IFHA下の
IRPACサラブレッド競売人協会(SITA)、そしてAPCの定めるルールである。

通常、日本グレード格付委員会のお付きを得た申請であれば、G2以下は報告のみ、G1であれば申請の上アジアパターン委員会でも承認される。これによって、日本レースの格付けは担保されている。

日本の場合、JRAでは行面で番組編成を厳格に定めているため、単にレーティングを満たしてからといって闇に昇格申請することはない。

同様に他でもパターン委員会がレースの格付けを管理しており、グレード/グループ競走・リステッド競走を新規に設立・昇格に関して、APCルールに基づいて管理を行っている。

オーストラリアの場合

ではオーストラリアの場合はというと……
そもそもパターン委員会が設置されていない。格付けの管理は各州に委ねられているのが現状である。

最大の理由はオーストラリア連邦制国家であり、「格付けの決め方を一元化することは独占禁止法に抵触する」という考え方が内に一定数存在するからだ。
2018年以降パターン委員会は事実止され、代わりにRAが内の格付けを管理しているという体になっている。が、統括機関が格付けを直接管理するのはAPCの定める格付け管理のルールに反する。

一応、G1の申請に関してはRAでの全会一致が必要なのだが(後述)、それ以外の格付けの管理は州で決められている。言い換えれば、際競走の格付けが州の加減で決まっているのがオーストラリア競馬の現状だ。

以上を踏まえた上で時系列概要を記載する。

概要

2024年10月

この年のオーストラリア競馬徴する出来事が「ニューサウスウェールズ州とヴィクトリア州の和解」である。

この2州は非常に仲が悪く、G1の昇格を決めた会議でも単純に「あの州のレースG1にしたくない」という理由で双方が反対票を投じていた。
これで割りを喰らったのがジ・エベレストオールスターマイルといった高額レースに出走する営を始めとする関係者であり。本来G1の格付けを貰ってもおかしくないレースが、こんな内ゲバのせいで認定されないとは……と憤慨していてもおかしくはない。

しかし、2024年10月に両州が和解し、ジ・エベレストオールスターマイルG1の承認が得られた。ジ・エベレストに至っては開催直前であったが、APCもこれを認めたためG1として施行された。

ここまでならオーストラリア競馬の前進と捉えられるが、問題はここから。
RAがブラックタイプ競走に関する新たなガイドラインを示したことだ。ガイドラインの詳細については不明であるが、このガイドラインに基づいた新たな格付けがオーストラリア競馬界で大きな波紋を呼ぶ。

何と、最大87のブラックタイプ競走に関して、追加または昇格させる計画が明らかになったからだ。

87という数にピンと来ないかもしれないが、2025年におけるJRAグレード競走は芝・ダート合わせ130リステッド競走は63レース開催されている。地方競馬におけるブラックタイプ競走は東京大賞典全日本2歳優駿を始めとした地方ダートグレード競走の大半が該当するため40レース日本で全て併せて233レースなので、数だけで見れば日本ブラックタイプ競走の4割弱に匹敵する。
加えて、オーストラリアでは既に600以上のブラックタイプ競走が開催されている。オーストラリアにとっては全体の1割格上げすることになり、際的にはインパクトが大きいものになる。

ちなみに、生産頭数は日本が約8000頭に対し、オーストラリアが約13000頭。生産規模が日本より上であることを鑑みても、明らかに差が大きい。

この時点で関係者の中には「1年以内にIRPACが是正に動く」「2年後にはパートに降格する」といった反発のが上げられていた。

そして一番の問題はこの時点でRAはいくつかのレースの「昇格」を認めている点である。
先程日本の事例でも触れたのだが、G1の昇格はAPCへの申請が必要なのだが、G2以下に関しては本来報告せずともAPCの承認が得られる。しかし、今回のケースでは「例外的な状況」としてAPCは承認していない。

この時点でオーストラリア際的な競馬格付けにズレが生じていた。

2025年2月

2025年2月APCは17のレースの格付けの申請を正式に却下した。

が、この時点で17のレースのうち15のレースは既に開催しており、催者もRNSWもRAも「昇格」後の格付けを広めていたからだ。

当然ながらブルーブックには反映されないため、対レースを勝っても血統的には意味ということになる。生産界を始め関係者に混乱をもたらすのは言うまでもない。

2025年9月 APC会議

この会議に先立ち、RAは4つのG1格上げを含めた申請を行っていたが却下された。

その4レースが以下の通り。

ゴールデンイーグルラッセルボールディングSは高額賞金によって高いレースレベルが担保されるなら、G1にする意味があるかもしれない。直近ではジ・エベレストサウジカップが格付けしの状態からG1に昇格を果たしており、これらのレース世界中からレベルの高い競走馬が集まっている。

しかし、プレミアSはジ・エベレストの前戦でしかなく、アポロSもの大一番であるT.J.スミスSの約1ヶ前に開催していることを鑑みれば、G1の格付け申請には疑問を感じる。日本で言えば高松宮記念スプリンターズSの前戦をG1に昇格しようとしていることになる。
ちなみに4つのレースは全てニューサウスウェールズ州で開催されるレースであり、RNSWがRAに働きかけて要望したものとなる。

加えて、RAは「内の40以上の競走の格上げ承認をめる申請」もしていた。

そしてこれだけの数の格上げを申請しておきながら、RA側から格下げするレースは一切存在しない。あくまでもレーティングに基づいて申請したというのがRAの言い分だ。

ブラックタイプとレース体系の在り方

以上がAPC会議で却下されたRAの申請内容となるが、同会議では「オーストラリアにおけるブラックタイプ制度が機不全に陥っている」とし、解決可な策がないか議論された。

このような状況に陥った理由は単純で、オーストラリア内にパターン委員会が設置されていないのは最初に触れた通り。

ではブラックタイプ制度の在り方とは何か。
そもそも、G1はそので最も重要なレースであり、その次にG2・G3リステッドと重要性が決められている。そのため、ブラックタイプ競走を設定するにあたり、G1を頂点としたピラミッド構造によるレース体系を構築しなければならない

日本の場合レーティング上ではGⅠ準に達しているGⅡレースも存在するが、GⅠに格上げしないのはJRA側がそのレースの位置付けを理解しているからである。同様にリステッド競走も、それまでのオープン競走の中からレーティング基準を満たしかつ重要性の高いレースリステッド競走として認定している経緯がある。

欧州ではレーティングを基準に格付けを行ってきたが、近年はG1から降格するレースも多く見られる。これはレーティングによってG1認定されていたレースの多くが、レース体系の変化・確立によって出走する競走馬レベルが低くなり、レーティングに反映された結果でもある。フランスでは1000ギニーとオークスの間にサンタラリ賞という3歳限定戦もG1で施行していたが、1000ギニー→オークスという流れが流になる中でG2に降格していった。

アメリカではレーティングの他に出走グレード競走実績など様々な標を用いて判断。12月ダートの2歳G1が2つ開催されていたが、レベルの高い競走馬10月末~11月頭のブリーダーズカップを優先、次走の3歳戦まで放牧というローテが定着すると、競走馬レベルが低下した2レースはG2に降格されている。

ちなみに、オーストラリア2012年以降数十のレースを格上げしているものの、レースの格下げを一切おこなっていない
パートⅠ開催として歴史が浅く、レース数の少ないならともかく、オーストラリアのようにパートⅠ開催としての歴史が長く、多くのレースを開催するで降格が一切ないというのは世界的に見てもあり得ない話である。

APCの要求

10月APCはRAに対し以下の2点を解決するようにめている。

第一に「APC基本規則に準拠した形式」で新たなブラックタイプ基準を制定すること。第二に「ブラックタイプ格付け管理を監督する全パターン委員会、または同等の機関が稼働する」。

要するに他と同様に、ブラックタイプの適切な基準とパターン委員会の設置めている。その上で、APC側の満足する対応がなされない場合、APCオーストラリアレースの格付けを直接決める性があるとしている。加えて、オーストラリアブルーブックが日と同等のパートから韓国サウジアラビアイタリアと同等のパートに格下げする可性も示唆している。

一方的な「格上げ」

このような状況下の中、10月18日ジ・エベレストが開催された。
問題は同日にニューサウスウェールズ州で開催されたレースの中にある3つの「G3」。これらは全てAPC会議G3の格付けが承認されていない。

前年10月にRAは複数のレースの「昇格」を認めたと記載したが、その格付けのまま、2025/26年シーズンレースを施行している。

ARFによる介入(2026年7月更新)

事態が進展しないまま12月17日ARFはAPCによるオーストラリア競馬の格付けに関する介入を表明した。これによって、2026/27年シーズン開始前よりオーストラリア競馬の格付けはAPCが直接決めることになる。

2026年7月2日APCによってオーストラリア競馬の格付けが決定した。
新たな格付けとしてはゴールデンイーグルG1、他14のレース重賞リステッドの格付けに認定された。また、11のレースリステッドG3からG3、G2に昇格となった。降格となったのは1レース(G2→G3)のみで、G1からの降格はい。但し、ザ・メトロリタン、レールウェイS、ヴィクトリアダービーについては降格の検討がされたものの、2026/27年シーズンではG1での施行が決定した。
(2026年9の会議で追加の検討を実施予定)

この格付けはRAの申請内容を踏まえての決定したことがARFのリリースに明記されている。ゴールデンイーグルG1を始め多くのレースの新規格付け・昇格という点でRAの申請内容がAPCにある程度受け入れられたことが示唆される。

ARFによればあくまでも暫定的な措置であり、APC基本ルールに従って機するブラックタイプの管理システムが機すれば終了するとのこと。但し、解決策が見いだせない場合は他の措置も検討するとしている。

今後の展開

ここまでの流れを踏まえ、今後の予想される展開について記載する。

大規模なレース降格・格付け取消

ARFはRAに対し、APC基本規則を満たしていない7レースが格下げ対の可性にあると摘していた。その中には、シドニーC、ザ・メトロリタン、レールウェイSといった3つのG1レースも含まれている(2025年時点)。
更にヴィクトリアダービークイーンズランドダービーオーストラリアオークスウィンタートムSといった4つのG1レースを含む10レースを警告の対にすべきとしていた。

更に、今後の精次第では多くをレースが降格or警告の対となる可性がある。

これらの措置はAPC基本規則に則ったものであり、見方を変えれば本来の格付けに是正されるとも言える。
とはいえ、2026/27シーズンについては降格したレースは1レースに留まっているため、パターン委員会が設置されるまで降格・格付け取消は最小限となる可性が高い。

豪国内のパターン委員会設置

APCの格付け決定はあくまで一時的なものでしかなく、問題解消のために必要なのはオーストラリアにおけるパターン委員会の設置し、ブラックタイプ競走の決定権をオーストラリアに戻すことである。既にRVは設置を呼び掛けている。

2026年7月時点で具体的な進捗明らかになっていない。

パートⅡへの降格

APCによる格付け管理が長期化した場合、オーストラリアパートに降格する可性がある。

仮に降格になった場合、大きな問題となるのが生産界の信用低下である。

基本的にセリ名簿に掲載されるパートブラックタイプ競走の勝ちであり、パートレースの勝ちは掲載されない。則ち、パートブラックタイプ競走を勝っても血統的に評価されない。

オーストラリア競走馬輸出入が盛んであり、種牡馬においても北半球からのシャトル種牡馬を広く受け入れている。これらはオーストラリアの生産規模が世界トップクラスであると同時に、オーストラリア内の格付けが担保されているからこそ、成り立っているものである。パートに格下げされた場合、輸出入に大きな悪が懸念される。

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オーストラリア競馬の格付け問題

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9 ななしのよっしん
2025/12/18(木) 14:53:30 ID: ulSjoSyhqy
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10 ななしのよっしん
2025/12/22(月) 13:26:27 ID: SKZeWJUIaa
レーティング均で見たら大阪杯フェブラリーSも結局G1圏内にはなるんじゃなかったっけ
降格も3年連続で下回るとかでしょ確か
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11 ななしのよっしん
2025/12/22(月) 14:09:54 ID: t69YhkSdpx
>>8
レースレベルが他のG1べて低いといっても降格条件を満たしてない以上G1であることには変わりない
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12 ななしのよっしん
2026/01/18(日) 02:47:35 ID: 6zLe/ZCQsS
>>7
有力ドバイに行くから、有力が居ない=低レベルで一括りしてる書き込みは見たことがあるね
フェブラリーSサウジで居なくなるし
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13 ななしのよっしん
2026/02/01(日) 01:44:47 ID: TnkcYXNNya
パートへの降格で直ちにが出るとは思えないけどなあ
イタリアや少し前までパートだったウルグアイがそうであったように、パートになったとしてもレース自体はパートⅠに記載されるということになると思うし
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14 ななしのよっしん
2026/07/07(火) 11:12:03 ID: Xd9PEw/2u5
パートに落ちたから何かというよりは、格付け管理が杜撰だからパートに落ちてしまうという因果よね
東京大賞典だって、NAR東京都競馬レースの管理体制が良いから(形式上は)G1を開催できてるわけだし
大事なのは中央集権的な管理体制というよりは、各州でいがみあわず、是々非々で協力して管理できる体制だよね
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15 ななしのよっしん
2026/07/07(火) 12:14:40 ID: IUh62VjDxr
本来パートIだのパートIIだのを気にするのはファンレース関係者じゃなくて産関係者だから
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16 ななしのよっしん
2026/07/10(金) 16:50:53 ID: LgRvmujlPz
ゴールデンイーグルG1昇格になってる辺り、何だかんだで丸く収まりそうな気がする
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17 ななしのよっしん
2026/07/10(金) 17:26:31 ID: Q8GqktVM8K
ゴールデンイーグルG1昇格はいいとして他の降格がないのはおかしいだろって意見も立つから、まだいろいろ問題出てきそう
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