カカオとは、チョコレートやココアの原料であるカカオ豆のなる植物である。
曖昧さ回避
概要
アオイ目アオイ科、学名はTheobroma cacao。原産地域は中央アメリカ~南アメリカのあたりとされるが、現在はそれ以外での地域でも多く栽培されている。
カカオがつけた実の中に入っている種子がカカオ豆と呼ばれている。このカカオ豆を炒って皮を取り除いたものがカカオニブである。カカオニブをすりつぶすとチョコレートの直接の原料であるカカオマスになる。ただしこの状態では非常に苦いため、加工時に砂糖などを加えて味を調整してチョコレートを作る。
中には、カカオ95%など砂糖などをあまり加えないチョコレートもある。ポリフェノール含有量が多く、高血圧に効くとして人気が高い。
カカオの歴史
チョコレートは、はじめはアステカ文明やマヤ文明などで飲料として飲まれていた。現在のココアとは異なり、砂糖は入っていなかった。その代わりに、とうもろこしの粉やスパイスが入っているという、現代の感覚では非常に風変わりな飲み物だった。当時は貴重なものであり、カカオ豆が通貨として使われたほどとされている。
大航海時代を経て、アメリカ大陸にやってきたヨーロッパ人にカカオが発見された。その結果、ヨーロッパではチョコレートが飲料・菓子として広まり、カカオも多く消費されるようになった。その一方、カカオは栽培できる気候条件が限定されており、概ね平均気温27℃以上の地域でなければ栽培が難しかったため、アフリカや東南アジアにカカオ豆が持ち出され、多く生産されるようになった。
現在の最大生産国は西アフリカのコートジボワールとされる。しかし、同国内ではカカオ豆の生産に児童労働をさせている農家が多い。これはカカオ豆生産の対価が少なく、大人の労働者を雇用する賃金が払えないためとされる。しかし、同国の主要産業はカカオ豆となっており、モノカルチャー経済の状態となっている。何も策を立てずにカカオ豆の生産を減らしたり、先進国のチョコレート価格が急激に落ち込んだりすると、経済に大きな損失が出てしまう状態になっている。
その一方、フィリピンではカカオ豆がヨーロッパ人により持ち込まれた結果、チョコレートのおかゆ(チャンポラード)を食べるようになったなど、カカオ豆の持ち出しが新たな文化を生み出したケースもある。
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関連項目
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