カカロット症候群とは、頭に強い打撃を受けることにより記憶を失い性格が変化した人物をまとめて指す言葉である。
概要
『カカロット症候群』という単語が登場したのは漫画『ケロロ軍曹』で、登場人物の一人アンゴル=モアが擬態した女子高生・麻美が頭を強く打って性格が変化してしまったことをクルルが「カカロット症候群」と名付けたのが初出と思われる。由来は漫画『ドラゴンボール』の主人公・孫悟空の本名であるカカロットから。
『ドラゴンボール』におけるカカロット症候群について
悟空(カカロット)は地球を制圧するために送り込まれたサイヤ人だが、送り込まれた当時はその「地球を滅ぼす」という目的に応じて動くようになっており、そのため彼を拾った育ての親・孫悟飯にもまるで懐こうとしなかった。しかし、ある時悟飯は彼を谷底に誤って落としてしまう。その際に頭を強打した悟空だが、サイヤ人ならではの生命力で一命をとりとめ、それ以降おとなしくなったという(その傷は今でも残っていると本人が説明)。悟空は頭を強打することで目的を忘れ、以降は地球人との交流で穏やかな性格に育っていった。
さて、それだけなら何ということはないのだが、問題はここからである。『ドラゴンボール』はアニメやゲームを始め多くの作品が作られており、特にゲームではIFストーリーの展開が多いのだが、それらの中に本編の悟空と同様「頭を打って記憶を失い穏やかな性格になるサイヤ人」が描かれる話もある。
本編に登場するサイヤ人は基本的に悪人であり、地球人との混血児である孫悟飯・孫悟天・トランクスや、地球上で長い時を過ごしたベジータはともかく、それ以外の地球人との絡みがないサイヤ人ではなかなか性格が変化していく過程を描くのが難しい。そのためこの「一旦リセットして、それから新しく地球人との関係を構築する」という展開が扱いやすいのだろうと思われる。とはいえ「頭を打って記憶喪失」が既に本編で一度やっている内容のため、下手をすれば安直な発想ととらえられかねないものでもある(実際にこの展開をとったIFの数は少ないものの)。尤も、本編でラディッツが穏やかに暮らしている悟空を見て真っ先に疑ったのが「頭を打ったこと」なので、もしかしたらサイヤ人が頭を打って穏やかになるのは日常茶飯事なのかもしれない。
と、ネタにされてはいるものの、これらのIFストーリーは好評である。詳細は下記の動画参照。
ちなみに、劇場版『地球まるごと超決戦』に登場する悪役サイヤ人・ターレスに対して悟空は「頭を打ったおかげでお前みたいにならなくて良かった」と述べている。また、本編で孫悟飯が大猿に変化した時に理性を失った姿を見たクリリンは「悟空も悟飯も大猿になったときに理性を失うというより、その時だけサイヤ人の本能を取戻し狂暴化する」としているが、このときだけサイヤ人の記憶が蘇るのかは不明。少なくとも悟空は大猿になっている間のことはまるで覚えていない。
カカロット症候群になった人物
関連動画
関連項目
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