「カスパー・リンツ」とは、田中芳樹原作の小説「銀河英雄伝説」シリーズに登場する自由惑星同盟の陸戦隊「薔薇の騎士(ローゼンリッター)」連隊第14代連隊長であり、脱色した麦藁のような髪と、ブルーグリーンの瞳をした機能的な体つきの青年。
〽永き別離に耐えかねて
この酒杯をあおぐかな
珠玉のごときこの一夜
されば歌わん君がため
ヤン・ウェンリー率いるヤン・イレギュラーズでの屈指の歌い手&描き手でもある。
石黒監督版アニメでの声優は小杉十郎太、Die Neue Theseでは浜田賢二。
概要
銀河帝国から自由惑星同盟へと亡命してきた元貴族らの子弟で構成された陸戦部隊「薔薇の騎士(ローゼンリッター)」連隊に所属する士官。艦船による宇宙戦闘がメインの『銀河英雄伝説』においてはあまり出番が無かった為か、個人戦闘能力の高さの他に、
- 少年時代は画家を志望し、軍人となってからも絵を描き続けており、スケッチブックに人物の風刺画を描いたり、石黒監督版OVAではエンブレムのデザイン等も行っている。
- 薔薇の騎士連隊一の歌い手と呼ばれる豊潤な歌声の持ち主で、作中でも渋い低音を響かせる。
- 石黒監督版アニメでは「佐々木小次郎」をモデルとするイケメン。
と言う個性的なキャラ性能を与えられている。カスパー・リンツの画力を語るエピソードとして有名なものに、
と言うものがある。このイケメンさんめ!
自身の1つ前の連隊長であるワルター・フォン・シェーンコップを尊敬しており、イゼルローン要塞防御指揮官となったシェーンコップから”薔薇の騎士”連隊長の座を譲り受けた後も、シェーンコップが自ら戦闘に出向く際に越権行為などとも微塵も感じずに、それまでと同様にシェーンコップと共に戦っている。
また、ヤン・ウェンリーには心酔しており、バーミリオン会戦でラインハルト・フォン・ローエングラムの打倒まであと一撃となったところで自由惑星同盟が無条件停戦命令を発した際は、ヤンの提案をうけて戦力の一部を引き継いで隠れる事となったウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツに従い、その際にヤンに対し、
あなたがいらっしゃるかぎり、”薔薇の騎士”連隊はあなたに忠誠を誓うものです
と言い切り、アレックス・キャゼルヌによりヤンに対する個人崇拝と軍閥化をネタにされている。
ヤン没後に誕生した「イゼルローン共和政府」の命名者でもあり、ユリアン・ミンツを助けて最終決戦となったシヴァ星域会戦にて帝国軍の総旗艦ブリュンヒルト突入に参加し、数少ない生還者となった。
ユリアンは「リンツ画伯の個展入場予約券ナンバー1」を貰っていたが、夢であった個展を開けたかどうかは作中描かれていない。
来歴
宇宙暦795年3月、”薔薇の騎士”連隊に所属する大尉としてヴァンフリート星域会戦(ヴァンフリート4=2での地上戦)に参加し、帰還後の同年8月に少佐に昇進、連隊長シェーンコップ大佐のもとで連隊長補佐を務める。同年12月、第六次イゼルローン要塞攻防戦に参加。
宇宙暦796年10月には、ヤンに抜擢をうけたシェーンコップが第七次イゼルローン要塞攻略戦に参加し、ヤンの奇策によりイゼルローン要塞を被害ゼロで奪取することに成功。この功績により准将に昇進したシェーンコップのあとを受け”薔薇の騎士”連隊の指揮官となり、ヤンのイゼルローン要塞司令官就任に伴いシェーンコップが要塞防御指揮官となると、”薔薇の騎士”連隊もイゼルローンに配備される。時期は不明ながら、この時期までに中佐に昇進。
さらに宇宙暦798年4月、イゼルローン要塞vsガイエスブルク要塞となった第八次イゼルローン要塞攻防戦の際には大佐・第14代連隊長(連隊長就任の時期は不明)。この戦いにおいては、シェーンコップのもと連隊を率いてイゼルローン要塞に侵入しようとする帝国軍陸戦隊を撃破している。つづいて同年12月のオスカー・フォン・ロイエンタールによるイゼルローン要塞侵攻(第九次イゼルローン要塞攻防戦)の際には、敵旗艦トリスタンでの白兵戦にも参加した。
宇宙暦799年4月、ヤンとラインハルトが激突したバーミリオン星域会戦に参加し、無条件停戦命令による戦闘終了後、ヤンの提案をうけたメルカッツの独立艦隊と行動を共にし、”薔薇の騎士”連隊のなかばとともに戦死(ないし行方不明)扱いで同盟軍を離脱した。以降、連隊指揮はライナー・ブルームハルト中佐が代行している。
その後、パウル・フォン・オーベルシュタインの暗躍により、軍を辞職していたヤンが同盟政府に暗殺されかけシェーンコップらにより危機を脱した際に合流。宇宙暦800年1月、バーミリオン会戦以前に放棄したイゼルローン要塞の再攻略戦(第十次イゼルローン要塞攻防戦)に参加し、無事要塞を奪取している。
ヤン没後は、イゼルローン共和政府の元でユリアンの指揮を受け、宇宙暦800年5月、最後の戦いとなったシヴァ星域会戦において、帝国軍総旗艦ブリュンヒルト突入作戦に参加した。
このうえない大舞台だ。後世に残る屍山血河をきずいてやりましょうぜ、中将
ユリアンを皇帝ラインハルトの元へとたどり着かせる為に、”薔薇の騎士”連隊の隊員達が倒れていく中、ブリュンヒルト内で大立ち回りを演じたリンツは、折れた血塗れの戦闘用ナイフに接吻したきり動けなくなった。ほぼ同じ時に別の地点で戦死したシェーンコップの後を追うべく死を待ち受けたが、この直後、ユリアンが無事にラインハルトの元にたどりつき、ウォルフガング・ミッターマイヤーより発せられた停戦命令が間一髪間に合ったために戦死を免れた。
作中での最終階級は大佐で、講和成立後はイゼルローン共和政府の革命軍解体に従事した。
声優
石黒監督版アニメで声を担当しているのは、「機甲戦記ドラグナー」のマイヨ・プラートから「疾風!アイアンリーガー」のトップ・ジョイまで幅広い役を演じわける事に定評のある「小杉十郎太」である。公式で「歌が上手い」とされている役で、実際に作中でアカペラで歌うシーンがあり、小杉十郎太の太く渋い声質で歌い上げる様が、荒くれ者の集団である”薔薇の騎士”らしさをかもし出している。
Die Neue Theseでの担当は浜田賢二。
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関連項目
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