カセットビジョンとは、エポック社から発売された家庭用テレビゲーム機である。
概要
1981年7月30日発売。80年の「テレビベーダー」で成功を収めたエポック社が、低価格路線の集大成として発売。解像度54×62ドット、発色数8と、性能は当時としても非力だが、13500円(ACアダプタ同梱版)という格安の価格設定により「カセット交換式のゲームは高い」という常識(当時平均5万円ほど)を覆し、ゲームカセットの文化を日本に根付かせた。
本体にCPUは内蔵されておらず、カセット側に搭載することで価格を抑えている。
簡単に言えば、本体自体はゲームのコントローラーにACアダプタが接続出来るようにしてあるだけ、ということである。
操作部はボタンが横一列に4つ、左右2軸のレバーが左右に1つずつ、回転ダイヤルが左右に2ずつと、カセットビジョン以前に発売されていたエポック社のゲームコントローラの要素が全て搭載されている。ちなみに中央には「AUX」と書かれた補助ボタンが搭載されていたが、対応するゲームは発売されなかった。
あまりにも抽象的な独特のグラフィックは、テレビにチャンネルの数字などをガッタガタの文字で表示させるチップを流用しているため。これまた値下げに徹した男らしい仕様である。
当初はソフトも少なく地味であったが、「パクパクモンスター」「モンスターマンション」などで人気を集めていった。低価格路線を追い風にカセットビジョンは順調に売上を伸ばし、最終的には約45万台を売り上げる成功を収める。これは当時のゲーム機シェアの7割を占めるという大成功であり、83年のファミコン登場までトップに君臨し続けた。
ファミコン発売から4日後の1983年7月19日には、ダイヤルなどが省かれた廉価版の「カセットビジョンJr.」が発売されている。価格は5000円という破格の安さであったが、ファミコンほどには売り上げを伸ばせなかった。当時エポック社はマイコンを搭載した新しいゲーム機(のちのスーパーカセットビジョン)を既に開発し始めており、ファミコンとカセットビジョンを競合させる意図はエポック社にはなかったそうである。
関連動画
有名な「きこりの与作」や「ギャラクシアン」(中身は「ムーンクレスタ」に近い)は、AMショーに出展されていた他社のアーケードゲームをアレンジ移植したものである。いずれもゲームの出来は良く、「ギャラクシアン」については後に正式にナムコの許諾を受けている。
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