カタパルト単語

131件
カタパルト
2.1千文字の記事
  • 1
  • 0pt
掲示板へ

カタパルトとは、以下のものをす。

  1. 石を飛ばして敵を攻撃する兵器の攻撃に用いられたため、攻兵器の一種と見なされることが多い。
  2. 固定機を滑走させずに離陸させる装置。

ここでは1と2の両方について記述する。

1の概要

 カタパルトは様々な動を使用し、テコの原理で石を加速させて飛ばす兵器である。少なくとも紀元前5世紀の中国では使用されていたとされ(もともと「」という字はこの手の投石器をした)、に攻兵器として運用された。動としては以下のようなものがある。

  • 人力
     もっとも初期からある動。乱暴に言ってしまえば、巨大な秤の片方に飛ばす石をセットし、もう片方に大量のひもをつけて大勢の人間で一斉に引っって飛ばす。人力であるがゆえに兵器としては構造は簡単だったが、同時に威と射程が安定せず、また連発も難しいのが欠点だった。

  •  動物の腱や髪の毛(!)など弾のある物体をねじった時に発生する反発を利用する方式。装置を小にすることが可のため、移動可なカタパルトなどはこの方式であった。
  • おもりの位置エネルギー
     人力の発展版と言える。大人数で引っるのではなく、おもり(石など)を詰め込んだ籠を秤の片側にり下げた方式。おもりを持ち上げる時だけ人力を使う。おもりの重さを変えることで威と飛距離の調整が可で、またその安定性も高かった。しかし装置としては大にならざるを得ず、固定式の攻兵器として運用された。西洋ではトルバシェット、中国では襄陽もしくは回回(ふいふいほう。回回はイスラム教徒の意味)と呼んだ。

 カタパルトは初期の大砲較すると非常に安定した性を発揮したため、大砲登場後もしばらくは運用が続けられたが、大砲良を重ねてより強なものとなっていくにつれて戦場から姿を消した。・・・・・・が、戦線の着した第一次世界大戦において、フランス軍が手榴弾ドイツ軍地に投げ入れるのにカタパルトを使用した記録があったりする。

2の概要

固定機が離陸する場合、普通は自で滑走を行う必要がある。厳密に言えば必要な速度が出るまで自で加速を行う。必要な速度(厳密には対気速度。当然機体の種類によって異なる)にまで達することが出来れば機体を浮かせるだけの揚が機体に発生し、そこで初めて離陸出来る。つまり固定機が離陸するためには滑走するための場所、滑走路が必要になる。

しかし機体に外部からを加えて一気に必要な速度まで加速してやれば、機体は「滑走」を省略してすぐに離陸させられるということになる。この外部からを加えて加速を行う装置がカタパルトである。先にも書いたように対気速度が重要なので、カタパルトで発生させる速度で離陸に必要な対気速度に足りない場合は、必要に応じてカタパルトを上に向ける、カタパルトを載せたが全疾走することによってカタパルトに設置された機体に対気速度を発生させる、といった措置が取られる。

カタパルト自体は当然場所を取るが、滑走路よりは桁違いに省スペースになるので、本来なら数メートルの滑走路を必要とする現代のジェット戦闘機もたかだか3数十メートルしかない航空母艦から発進させることが出来るのである。

空母用カタパルトを最初に空母に搭載して実用化したのはイギリス海軍であり、1938年に就役したアーク・ロイヤル油圧式カタパルトが搭載された。その後、後継のイラストリアス級(1940年以降就役)にも油圧式カタパルトが搭載され、イギリス海軍機動部隊の中核を担った。第二次世界大戦が勃発すると、イギリスアメリカ油圧式カタパルトの技術を提供し、これが多数のカタパルト搭載軽空母・護衛空母となり、大西洋における輸送団護衛とUボート狩りに大きな効果を発揮することとなる。

アメリカ海軍は大戦前から空母用カタパルトの研究を進めていたが実用化はならず、イギリスから油圧式カタパルト技術を提供されたのち、1942年以降就役のエセックス級から本格的に使用が始まった。日本海軍空母用カタパルトの研究は行っていたが、実用化にまでは至らなかった。そのため、日本海軍空母は発艦作業時に上に向かって全で航行する必要があり、速巡洋艦並の高速性がめられるなど、設計・運用の両面で制限があった。また、日本海軍空母翔鶴」は最も防備となる発艦作業時にアメリカ海軍ガトー級潜水艦による撃を受け、4発もの命中弾を受けて戦している。

第二次世界大戦後はアメリカ海軍油圧式より有効な蒸気カタパルトの実用化に成功している。

この蒸気カタパルトの技術は世界でもアメリカだけが保有している。(フランスの「シャルルゴール」のカタパルトは、アメリカが一世代前のシステムを特別に技術供与したものである)[1]

較的小UAVでも基本的にカタパルトとセットで運用することで滑走路構築の手間を省いている。

関連動画

1のカタパルト。

2のカタパルト。右が電磁式カタパルトである。

関連コミュニティ

関連項目

脚注

  1. *日本兵器世界を救う」 兵頭二十八 徳間書店 2017

【スポンサーリンク】

  • 1
  • 0pt
記事編集 編集履歴を閲覧

ニコニ広告で宣伝された記事

ブルーアーカイブ -Blue Archive- (単) 記事と一緒に動画もおすすめ!
提供: この鶏肉、取りにくい
もっと見る

この記事の掲示板に最近描かれたお絵カキコ

お絵カキコがありません

この記事の掲示板に最近投稿されたピコカキコ

ピコカキコがありません

カタパルト

5 ななしのよっしん
2015/01/20(火) 23:12:09 ID: kze0RVrgmx
の由来を見てなるほどって感心したわ。ええこと聞いた
トレビュシェットって今まで思ってたが、まあ訳し方に違いは出るもんだわな
👍
高評価
0
👎
低評価
0
6 ななしのよっしん
2015/06/12(金) 18:49:52 ID: k/r85jdmjE
メタルギアソリッド4では何をトチ狂ったか人員を射出するカタパルトが…
あれ実際に使うとしたらパラシュート必須…と言うか…射出の時点で肩とか外れそう…
👍
高評価
0
👎
低評価
0
7 ななしのよっしん
2016/02/07(日) 13:42:27 ID: GkdVnooRKd
>>6
何か着地用の器具とかあるのかなと思ったらそのままヘイヴンの甲にボットンだからな。それで然と作戦開始なんだから突っ込む気すら起きなかった。
👍
高評価
0
👎
低評価
0
8 ななしのよっしん
2016/03/09(水) 22:40:36 ID: +Pw6J8+qJL
ナムカプカタパルトイベントも大概狂ってたな
しかもPXZ〜2で定番行事化されつつあるww
👍
高評価
0
👎
低評価
0
9 ななしのよっしん
2016/07/18(月) 09:20:46 ID: YB41wafmkj
カタパルトを作るアイドルがいるらしい。あんたたちは一体と戦ってるんだ?
石の重さと戦ってたわけだが。
👍
高評価
0
👎
低評価
0
10 ななしのよっしん
2016/07/18(月) 09:29:30 ID: D/Dl96Y08k
>>9
レオナルドダヴィンチスケッチからカタパルト時に再現して、
南斗人間砲弾で自ら飛んで行って、
にぶつかると金剛力士像に変身

アイドルならばこのくらいわけのわからないことはできて当たり前なのである
👍
高評価
0
👎
低評価
0
11 ななしのよっしん
2016/08/24(水) 07:13:49 ID: sdwh5tl88L
>>8
あれ、そうとうブットんでるよなww
👍
高評価
0
👎
低評価
0
12 ななしのよっしん
2018/02/20(火) 15:00:43 ID: NN+f/l8v9X
FF5アレは地名でいいのかそれともこっちか…両方かな
👍
高評価
0
👎
低評価
0
13 ななしのよっしん
2018/05/15(火) 21:47:07 ID: q58QZ746qt
…つまり、グレネードランチャーも元を辿れば投石機だと
👍
高評価
0
👎
低評価
0
14 ななしのよっしん
2023/06/09(金) 05:29:52 ID: tJFTqiAMa6
日本海軍空母カタパルトを実用化できなかった一因が「滑走が必要だから」だけど、その原因は「航空機を直接引っるとタイヤとかの精度が悪くて加速の間直進を保てないため」らしい。自滑走の場合はブレーキで直進を保てるが、距離が短いカタパルトだとそうはいかなかったようだ

・九八式投擲機の開発時、人力式の回転タイプが試作されたそうだから、そのあたりまでは1)の意味のカタパルトはまだ実用できるものとみられてたと思われる

あと、空母の蒸気カタパルトは「独V1カタパルトを元にフランス良したもの」だとものの本で読んだんだが。こういっちゃなんだけど兵頭さんって題と異なる部分では間違ってること書いたりするから微妙に信頼できん…
👍
高評価
0
👎
低評価
0