カタン(Catan,Die Siedler von Catan)とは、ドイツで生まれたボードゲームである。
上の訳語「カタンの開拓者たち」と呼ばれることも。
概要
日本ではジーピー社からボードゲーム版が、またXbox360/PS3/携帯アプリで電子ゲーム版が発売されている。
プレイヤーは「カタン」と呼ばれる島を開拓するためにやってきた開拓者という設定で、島で採れる5種類の資源を使い、都市や街道を伸ばして発展させ、誰よりも先に「勝利ポイント」を10点得たプレイヤーが勝つ、というゲームである。
通常はタイルを区切る程度の役割しかない「タイルの辺」と「タイルの角」を利用するのが大きな特徴である。
基本ルール
- まず6角形の資源タイル18枚と砂漠を外周からランダムに並べ、砂漠以外のタイルに2から12までのトークンをランダムに、あるいは好きなように配置していく(ただし6と8のトークンは隣接してはならない)。外縁部に港用地を置く。
- 各プレイヤーは6面ダイスを2個振る。最も出目の大きいプレイヤーが1番手となる。各キャラクターのターンは1番手から時計周りに実施される(他の方法で1番手を決めてもかまわない―年長順や家長順など)。
次に、1番手から順に「開拓地」と「街道」を1つずつ置く。開拓地はタイルの角に、街道はタイルの縁にしか置けず、開拓地は自身を含めた全プレイヤーの開拓地から2辺以上離れていないと置けない。(詳しくは下記を参照。)
続いて、さっきとは逆に最後のプレイヤーから開拓地と街道を設置していく。この際、置いた開拓地に接するタイルから資源カードを引くことができる。これが初期資源となる。
資源カードは「羊毛」「木材」「粘土」「小麦」「鉱石」の5種類があり、タイルの模様もそれに対応している。
各プレイヤーとも2つの開拓地と2つの道、2つ目の開拓地から得た若干の資源カードをを持ってゲームを開始する。 - 各ターンの流れは以下のようになる。
- 各手番の始めに6面ダイス2個を振る。出た目に対応するタイルの角に開拓地を建てているプレーヤーは、そのタイルに描かれた資源カードを得る(場合によってはダイスを振った当人だけが資源カードを得られない場合もありうる)。
「7」が出た場合、盗賊を操作できる(下記参照)。 - 次に、特定の資源カードを消費して建物を建てたり、資源カードを消費して発展カードを引くことができる。
また、この間にプレイヤーは資源カードを貿易(交換)したり、事前に得ていた発展カードを使うこともできる。 - 以上を終え、成すべきことを成したと思ったならば手番を終了する。
盗賊
ダイスを振ったときに「7」が出ると以下の4つが発生する。
- どのプレイヤーも資源を得られない(というよりも7のトークンは存在しない)。
- 8枚以上資源カードを所持しているプレイヤーは、1回だけ資源を半分山札に戻さなければならない(バースト)。
捨てる資源の組み合わせ方は自由。端数は切り捨てで、例えば11枚持っていた場合5.5枚=5枚を捨てる。 - 盗賊のコマを別のタイルへ移動させる。同じタイルを選ぶことはできない。
盗賊のコマが置かれたタイルではダイスによって資源を得られなくなる。 - 7の目を出したプレイヤーは、盗賊を置いたタイルに開拓地を持つプレイヤーのうち1人から資源カードを1枚奪える。
7の目は、他者に資源を与えることを防ぎつつ自身の手札をダイスに依らず確実に1枚増やせる好機である。
反面、もしバーストが直撃すると手痛い(特に手札8枚でバーストすると4枚しか手元に残らない)ため、手札が多すぎる場合、損をしてでも貿易を行ったり発展カードを引いたりしてバーストを防ぐという戦術が成立する。
建築
- 街道
- 粘土・木材を1枚ずつ消費することでタイルの「一辺」に建てることができる。
街道は自身の所有する開拓地(都市)か街道と繋がるように建築しないといけない。
建築先に他人の建物や街道がある(または建物を挟む)場合、それより先に街道を伸ばせない。 - 開拓地
- 粘土・木材・羊毛・小麦各1枚ずつを消費してタイルの「一角」に建てることができる。
開拓地と角を接する1-3タイルの資源獲得権を得る。
開拓地は街道2本分以上離れた角にしか建てることが出来ない。
つまり、開拓地-街道-(空白の角)-街道-開拓地と建てなければならない。
また5つ以上建てることができない(開拓地を都市にすることで再度建築が可能になる)。
1つのタイルに2つ以上の開拓地が置かれている場合、そのタイルから得られる資源も比例して増加する。 - 都市
- 小麦2枚、鉱石3枚を消費して、開拓地と置換して建設する(開拓地のない所には建てられない)。
開拓地の2倍の勝利ポイントが得られ、隣接したタイルから得られる資源カードが2枚になる。
発展カード
羊毛、小麦、鉱石カードを各1枚支払うことで、発展カードの山からカードを一枚引ける。
発展カードは「騎士」「勝利」「進歩(独占)」「進歩(街道)」「進歩(収穫)」の5種類がある。
発展カードは自身の手番であればどのタイミングで使ってもかまわないが、1つの手番の間に1枚しか使えない。
また発展カードを、それを引いた直後に使うこともできない。
ただし勝利条件を満たしたならば即座に勝利カードを公開できる。
- 騎士:騎士を派遣し、盗賊を他のタイルに追い出す。下述参照。
- 勝利:大聖堂を建てるなどして功績が認められ、勝利ポイントを1点獲得する。即座に公開できない(下記参照)。
- 進歩(独占):資源を1種類選ぶ。他のプレイヤーは使用したプレイヤーに選ばれた資源カードを全て供出する。
- 進歩(街道):ルールを順守して街道を2本敷設できる。
- 進歩(収穫):好きな資源1種のカードを2枚得られる。
騎士カードについて
騎士カードではバーストが発生しない。
また騎士カードの累積使用回数によって下記「最大騎士力」の称号を得る。
貿易
プレイヤーは自分の手番であれば、いつでも好きな時に他のプレイヤー、または海外の本国と貿易することができる。
プレイヤー間の交易量に制限はないが、1対多のトレードはまず無理であろう。
海外貿易は無制限に行える上に望んだカードを得られるものの、最初のレートは4:1、つまり資源カード4枚を消費しなければ交換できない。
ただし、タイル外縁に置かれた港用地に開拓地もしくは都市を置くと、そのプレイヤーのみ港用地の種類によってレートが緩和される。
- 一般港:全ての資源のレートが3:1になる。つまり好きな資源カード3枚で好きな資源カード1枚を得られる。
- 専門港:特定の資源のレートが2:1になる。つまり特定の資源カード2枚で好きな資源カード1枚を得られる。
勝利ポイントの獲得
勝利ポイントは以下の方法で手にいれることが出来、これを自身の手番中に10点集めた者がゲームの勝者となる。
- 開拓地を建てる(開拓地1個につき1点)
- 開拓地を都市にする(都市1個につき2点)
- 称号「最大騎士力」(Größte Rittermacht - グロースト リターマット)を獲得(2点)
- 称号「最長交易路」(Längste Handelsstraße - ラングスト ハンデルシュターセ)を獲得(2点)
- 発展カード「勝利」を開示する(1枚1点)
その他
- 6面ダイス2個の期待値は7であり、7から上下するほどその目が出る確率は低くなる(2と12が最低)。
ただし7は上述の通り資源を得られないため、6と8が最も資源を得られやすい目となる。 - 都市はそれだけで自給を増やしつつ勝利ポイントを増やせる建物なので、都市を建てるためにまず小麦・鉱石を産出するタイルに開拓地を建て、都市化を狙うのが定石である。一方で、粘土や木材は新たな街道の敷設や開拓地の建設に必要不可欠なため、粘土や木材のタイルを囲い、他の資源を貿易で賄うといったこともできる。
- どのカードも2-4枚揃えば海外貿易で好きなカードを得られ、また道や開拓地、発展カードなど資源カードにはそれぞれに複数の用途があるため、タイルの強弱は資源よりも「どこに6と8が置かれたか」で決まることが多い。
特に、街道や開拓地には必要ない鉱石タイルや、街道と都市には必要ない羊毛タイルに6や8が来るとこの特徴はより極端になる。 - 海外貿易は効率の悪い為替ではなく、手札を減らしてバーストを防ぎつつ好きな手札を得られる手段である。このため、最初の開拓地建設で港用地をとっておき、得られた資源を自在に貿易して勢力を伸ばす戦術も存在する。港用地は辺境なため資源を得にくいが、うまくハマればダイスに振り回される他プレイヤーを尻目にガンガン先行できる。
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関連項目
外部リンク
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