カターレ富山とは、富山市を中心とする富山県全県を本拠地とするプロサッカークラブである。
概要
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アローズ北陸とYKK APサッカー部を母体として、2007年に発足。2009年よりJリーグに参戦する。
チーム名の由来は、愛するチームを共に“語れ”、“歌え”(イタリア語の「カンターレ」[cantare])、“勝て”(富山の方言である「勝たれ」) という意味。富山県民(サポーター)と肩(カタ)を組んで共に「行こう」(フランス語の「アレ」[aller=行く])というチームの姿勢を示している。
ユニフォームはホームが青。アウェーは白。ホームスタジアムは富山県総合運動公園陸上競技場(富山県富山市)。マスコットはライカくん(ライチョウ+ニホンカモシカ)。
Jリーグに加盟するまでは、Jリーグを目指すチームの中ではスポンサーの安定度が際立っており、J2での戦いぶりに期待がかかっていた。だが、J2参入後は初年度の13位が最高で、以降は下位に低迷することが多く、2015年にはJ3リーグへ降格している。
エミネムサッカーチームシリーズの第一号を飾ったのはこのクラブ。さらに某アイドルによるサカつく動画も投稿されていたりと、動画投稿で普及を図るサポーターがいる様子。
歴史
- 2007年、富山県のアマチュア強豪チーム「北陸電力サッカー部・アローズ北陸」と「YKK APサッカー部」がJリーグを目標に統合し、「カターレ富山」として活動を開始。運営会社も設立し、初代監督には2007年シーズンまでYKK APの監督を務めていた楚輪博が就任。
- 2008年2月にはJリーグ準加盟が承認される。単体でもJFL上位の力を持ち、かつ地元の支援に恵まれたチームは、統合1年目で早くもJFL3位と結果を出し、2009年からのJリーグ ディビジョン2(J2リーグ)への参加を決定した。
- J2初年度となった2009年は、豊富な運動量を生かした組織的な守備が機能し、湘南監督の反町康治が「今は富山が一番強い」とコメントするほどだった。しかし、終盤戦にかけて失速すると、年間順位は15勝16分20敗の13位に終わる。
- 2010年は元日本代表の黒部光昭、元U-20日本代表の苔口卓也が加入。得点力は向上したものの、守備力が低下。7連敗を喫したことで9月に楚輪監督を解任。後任はヘッドコーチの安間貴義が昇格。3-3-3-1の超攻撃的布陣を採用するが、守備の崩壊は止まらず、リーグワーストの71失点を喫し、19チーム中18位と低迷する。
- 2011年に3年契約を結んだ安間監督のもと、その後もパスサッカーを主体とした「改革」が継続されるが、結果は3年連続で下位に低迷。サポーターからは安間の解任を求める声も挙がったが、育成手腕を評価したフロントは安間との契約延長を結ぶ。
- 2014年にU-21日本代表の10番である中島翔哉がレンタルで加入。中島の個の活かすために、安間監督はこれまでやってきた3バックを捨てて4バックに変更する。しかし、チームはこれまで以上に守備が崩壊し低迷。シーズン途中に中島が所属先のFC東京へ復帰し、チームは第15節に最下位に転落して以降は一度も抜け出すことができず、J3リーグ降格が決定。フロントからの信頼を得ていた安間監督も流石にシーズン終了後に退任となる。
また、この年メインスポンサーのYKKがクラブへの融資を減額することを発表する。 - J3で戦うこととなった2015年、岸野靖之が監督に就任。しかし、チームはJ3の中位に低迷、8月に監督の岸野を解任。暫定監督としてGMの澤入重雄が指揮を執ったが、チーム状態は変わらず、シーズン5位に終わり1年でのJ2復帰はならなかった。
- 2016年は北九州、東京Vで指揮を執った経験のある三浦泰年が監督に就任。しかし、第8節を最後に一度も昇格圏の2位以内に浮上することができず、6位に終わる。三浦監督は1年で退任。
- その後、浮氣哲郎が監督に就任するも、2017年は8位、2018年は11位とますますJ2復帰が遠のく結果となる。
- 2019年は前年途中から監督を務める安達亮のもと、パスワークを主体とした攻撃的サッカーを掲げるが、得点力不足が課題としてのしかかり、前年よりは成績は向上したものの4位となる。
- 2020シーズンは新型コロナウイルス感染拡大の影響で開幕が遅れ過密日程となった。チームはその事態を受け、選手の疲労を考慮し、試合ごとに大幅に選手を入れ替えながらリーグ戦に臨んだが、結果的にチーム戦術の完成度の低さ、組織力の低下を招き、成績は低迷、昇格争いに絡むことなく15勝5分14敗の9位でシーズンを終える。
- 2021年は石﨑信弘を監督として招聘。攻守にハードワークするサッカーが機能し、前半戦を首位(7勝5分2敗)で折り返したものの、シーズン終盤に失速。結局4位に終わりまたしてもJ2復帰を果たせなかった。
- 7年連続J3所属となった2022年もクラブ記録となる6連勝を達成するなどしたものの、J2昇格圏に勝ち点差「8」となった第25節終了時点で成績不振により石﨑監督を解任。ヘッドコーチの小田切道治を後任監督としたものの、状況は好転せず、最終順位は6位となる。
- 小田切体制2年目の2023年は攻撃的なパスサッカーを導入。前半戦は愛媛FC、鹿児島ユナイテッドFCと首位争いを演じ、昇格圏の2位で折り返す。しかし、運動量を要求されるスタイルのため夏場になってチームは急失速。第23節から4連敗を喫し、一時は5位にまで転落する。それでも、愛媛以外の昇格争いのライバルがモタついている間に復調し、最終節まで逆転での昇格の可能性を残していた。最終節、2位鹿児島が引き分けたことから勝ち点で追いついたものの、得失点差で及ばず3位となり、あと一歩でJ2復帰を逃す。
- 2024年は開幕4試合未勝利と出遅れるも、カップ戦に敗退して以降は日程面に余裕が出たこともあって調子を上げ、後半戦に入ると自動昇格圏の2位今治を追走する形となる。しかし第31節の今治との直接対決に引き分けたのを含め、第30節から7試合白星から遠ざかり、今治に差を広げられてしまう。第36節で今治が2位を確定させたためJ2自動昇格は消滅。それでも、最後の2試合は連勝したことで3位の座は守りぬき、優位な立場でJ2昇格プレーオフに挑むことになる。
ルヴァンカップでは1回戦で山形、2回戦で清水のJ2勢を下し、3回戦では前年のJ1王者である神戸相手にジャイアントキリングを起こし、J3勢唯一となるプレーオフラウンド進出を果たす。
現在の所属選手
背番号 | Pos. | 国籍 | 選手名 | 生年月日 | 加入年 | 前所属 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
- | 監督 | 小田切道治 | 1978.9.2 | 2022 | カターレ富山 ヘッドコーチ | ||
1 | GK | 田川知樹 | 2002.9.18 | 2023 | 横浜F・マリノス | 【レ】 | |
2 | MF | 脇本晃成(C) | 1994.1.8 | 2023 | いわてグルージャ盛岡 | ||
4 | DF | 神山京右 | 2000.1.2 | 2022 | 東洋大学 | ||
5 | DF | 今瀬淳也 | 1993.1.3 | 2018 | 水戸ホーリーホック | ||
6 | MF | 瀬沼俊太 | 2001.10.11 | 2024 | 筑波大学 | 【卒】 | |
7 | MF | 佐々木陽次 | 1992.7.2 | 2017 | 徳島ヴォルティス | ||
8 | FW | 松岡大智 | 1994.11.6 | 2021 | 国士舘大学 | 【H】 | |
9 | FW | 磯井聖生 | 2001.7.20 | 2023 | 中京大学 | 【卒】 | |
10 | FW | マテウス・レイリア | 1995.1.22 | 2021 | FKクケシ | ||
11 | FW | 松本孝平 | 1994.7.20 | 2024 | ヴァンフォーレ甲府 | 【レ】 | |
15 | MF | ガブリエル・エンリケ | 2002.7.24 | 2022 | 京都共栄学園高校 | ||
16 | MF | 末木裕也 | 1997.5.16 | 2020 | 法政大学 | ||
17 | MF | 坪川潤之 | 1997.5.15 | 2023 | AC長野パルセイロ | ||
18 | MF | 伊藤拓己 | 2000.7.29 | 2023 | 東海学園大学 | ||
19 | MF | 井上直輝 | 1997.8.5 | 2024 | ブラウブリッツ秋田 | 【完】 | |
20 | MF | 大山武蔵 | 1998.9.11 | 2022 | FC大阪 | ||
22 | MF | 椎名伸志 | 1991.1.15 | 2015 | 松本山雅FC | ||
23 | DF | 西矢慎平 | 2001.8.11 | 2024 | 京都産業大学 | 【卒】 | |
24 | MF | 河井陽介 | 1989.8.4 | 2024 | ファジアーノ岡山 | 【完】 | |
25 | MF | 安光将作 | 1999.11.2 | 2022 | 法政大学 | ||
26 | DF | 鍋田純志 | 2000.1.2 | 2023 | 桐蔭横浜大学 | ||
27 | FW | 吉平翼 | 1998.1.5 | 2021 | 藤枝MYFC | ||
28 | MF | 布施谷翔 | 2000.9.21 | 2024 | FC町田ゼルビア | 【レ】 | |
30 | DF | 大迫暁 | 1997.11.26 | 2024 | アスルクラロ沼津 | 【完】 | |
31 | GK | 齋藤和希 | 1996.7.26 | 2019 | 大阪学院大学 | ||
32 | MF | 溝口駿 | 2002.6.6 | 2024 | 法政大学(在学中) | 【特】 | |
33 | MF | 髙橋馨希 | 2001.6.16 | 2023 | 法政大学 | 【卒】 | |
39 | FW | 古川真人 | 2001.11.14 | 2024 | 東京ヴェルディ | 【レ】 | |
42 | GK | 平尾駿輝 | 2003.8.12 | 2022 | 履正社高校 | ||
46 | DF | 川上優樹 | 1997.7.28 | 2024 | ザスパクサツ群馬 | 【完】 | |
48 | MF | 新井悠汰 | 2004.6.13 | 2024 | FC東京 | 【レ】 |
※備考欄は【完】=完全移籍での加入、【レ】=レンタル移籍での加入、【復】=レンタル先からの復帰、【新】=新任の監督、【昇】=トップチーム昇格、【卒】=新卒での加入、【特】=特別指定選手、【2】=2種登録、【H】=ホームグロウン選手
過去に所属した主な選手
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歴代監督
国籍 | 監督名 | 在任期間 | 備考 |
---|---|---|---|
楚輪博 | 2008年~2010年9月 | ・前身のYKK AP時代から在任 ・J2昇格(2008年) |
|
安間貴義 | 2010年9月~2014年 | J3降格(2014年) | |
岸野靖之 | 2015年~2015年8月 | ||
澤入重雄 | 2015年8月~12月 | ||
三浦泰年 | 2016年 | ||
浮氣哲郎 | 2017年~2018年5月 | ||
安達亮 | 2018年5月~2020年 | ||
石﨑信弘 | 2021年~2022年9月 | ||
小田切道治 | 2022年9月~ |
関連動画
関連リンク
関連項目
- サッカー
- Jリーグ - Jリーグチーム一覧
- J2リーグ(2009年 - 2014年)
- J3リーグ(2015年 - )
- JFL(2008年)
- 富山県 - 富山市
- 北陸電力
- YKK
- エミネムサッカーチームシリーズ
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