基本データ | |
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正式名称 | カナダ Canada |
国旗 | |
国歌 | オー・カナダ |
国花 | サトウカエデ |
国鳥 | アビ |
公用語 | 英語、フランス語 |
首都 | オタワ(Ottawa) |
面積 | 9,984,670km²(世界第2位) |
人口(’22) | 約3845万人(世界第39位) |
通貨 | カナダドル(CAD,$) |
旧大英帝国植民地の一つで、現在もコモンウェルス(イギリス連邦)の構成国の一つ。その為、国家元首は英国の国王/女王であると定められており、カナダ総督がその代理として実務を行う。なお、カナダでは英国国王/女王とは呼ばずカナダ国王/女王と呼ぶ。
元首が国王/女王である為にカナダ海軍はRoyal Canadian Navy(王立カナダ海軍 略称RCN)と呼称し、又連邦警察もRoyal Canadian Mounted Police(王室カナダ騎馬警察 略称RCMP)という名称になっている。
概要
正式名称もそのまま「カナダ」。漢字表記は加奈陀で略号は加だが、アメリカ合衆国・カリフォルニア州の略号も加(←加州)なのでややこしい。
アメリカ合衆国本土の北、北米大陸の北半分を占める。が、アメリカと一括りにされると嫌な顔をする。カナダ人曰く「女王もいるし保険だってあるし俺達は戦争もふっかけてない。よっぽどマシさ!」との事。
面積は日本の約27倍で世界第2位。ただしこのうち半分強が森林のうえ、国土の多くは北極圏内であり居住可能地は少ない。このため人口は日本の約1/4である。
主要国首脳会議(G8)参加国のひとつだがなんとなく影が薄い。
連邦制国家で、カナダ連邦政府の下にそれぞれの州政府が存在する。アメリカ合衆国と比べると、それぞれの州の権力は小さい。カナダではそれぞれの州はStateではなくProvinceと呼ぶ。
東部のケベック州はもともとフランスの入植地だったため住民の大半がフランス系で、長らく独立問題がくすぶっている。1970年10月には、後に「オクトーバー・クライシス」と呼ばれるケベック独立過激派による要人拉致事件が発生した。
事件の発生後、当時のカナダ首相ピエール・トルドーはメディアからの「警察や軍隊の出動など、どの程度まで事態の規模を拡大するつもりなのか」と質問された際、「まぁ、見ていたまえ」(Well, just watch me)と返答した。
この発言の三日後、カナダ史の中においてそれまで二回(それも世界大戦時)しか発令された事のなかった戦時措置法(≒戒厳令)が適用された。これを受けて首都オタワとケベック州全域にカナダ軍が展開、警察は拡大された逮捕権に従い約500人を逮捕し事態の収拾を図った。
尚、過去2回の住民投票ではいずれも独立は否決されたが、1995年におこなわれた2回目の住民投票では独立反対が約50.6%と、相当ギリギリでの否決だった。
公用語は英語とフランス語だが、州ごとに見るとケベック州ではフランス語のみ、ニューブランズウィック州では英仏両方が、そのほかの州では英語のみが公用語となっている。
国旗に描かれている葉は国花・サトウカエデ(シュガーメープル)の葉で、「メープルリーフ旗」と呼ばれることもある。また、前述の通りアメリカ合衆国と一括りにされる事が多く、カナダの事を「アメリカ合衆国メイプルリーフ州」と呼ばれる事がある。
カナダの有名な小話として、1945年9月2日に行われた降伏文書の調印式がある。戦艦ミズーリ艦上に日本の代表団と連合国の代表が集まり、ポツダム宣言の文面に署名を行った。
その時、カナダ代表コスグレーブ大佐が書く所を間違えてしまい、一段下のフランスの欄に署名してしまった。フランス代表もこのミスに気付かず、その次のオランダ代表で初めてミスが発覚。マッカーサー元帥の指示で、オランダはニュージーランドの欄に署名した。
グダグダになった結果、カナダの欄だけ空白になった降伏文書が誕生した。ちなみにその原本は東京港区の外交史料館に収蔵されている。
カナダ英語
全体的に早口な傾向があるが、総じてハッキリとした発音で聞き取りやすい英語を喋る人が多い。僅かに語尾の発音を上げ調子で喋るとされる。
単語の使い方はアメリカ寄りで、殆ど差は無いが幾つか特徴的な物が存在する(後述)。綴りはイギリス寄りで、例えばCenter(米式)ではなくCentre(英式)と綴る。とはいえ、米式の綴りで書いても特に問題は無い。
建物の階の数え方は正に英/米の中間で、一階はGround Floor(英式)。しかし二階以降は米式にSecond, Third... Floorと数える。
カナダ英語を代表する言葉として"Eh"が存在する。おいィ?エィと発音し、日本語の「えっと」や「そのー」などと言った間を繋ぐ音として使用される。イギリスやアメリカでは殆ど使用されない為、この音で間を繋いでいたらカナダ人或いはカナダ英語話者である可能性が非常に高い。日常会話では念を押す確認等にも使われる事がある。
例:You can eat it, eh? (それ食べられるでしょ?ね?)
カナダ英語の特徴的な語
- Washroom
トイレの事。BathroomでもLavatoryでもなく、この語を使用する事が非常に多い。 - Double-Double
カナダ最大のコーヒーチェーン "Tim Hortons"でカナダ人がコーヒーを注文する際の定番。「コーヒー」と名前を出さずとも、この語を言えばミルク2倍、砂糖2倍のコーヒーが出てくる。わかり易く言えば砂糖ミルク増し増し。当然甘い。
主な都市
トロント
オンタリオ州の州都で、オンタリオ湖に面したカナダ最大、北米で見ても屈指の巨大市街地を持つグローバル都市。
それでいながら治安が非常に良く、世界で最も進んだ理想の大都市といわれており、留学生も非常に多い。
ただ、かなり寒いので地下街が発達しており、PATHは32万平米の超巨大地下街(これ一つで大阪市内全部の地下街面積に匹敵する)。
NHLのメイプルリーフス、NBAのラプターズ、MLBのブルージェイズがあり、唯一、カナダでNBAとMLBのフランチャイズを持つ。
なお、意外なことにオリンピックは実現しておらず、2回立候補したがいずれも最終選考まで残った末に破れており、とうとう2024年は立候補すらしなくなってしまった(なお、カナダは治安の良さも助け、3都市が五輪開催地という高打率である)。
モントリオール
ケベック州の州都。セントローレンス川河畔に位置する。
トロントと比較すると規模は小さいが、それでも大都市に越したことはなく、ケベックがフランス語を第一言語としているためか、フランス語圏の中では世界で3番めに大きい都市らしく、北米のパリの異名を持つ。
トロントより寒冷。そのため、地下街の広さはトロントを凌ぐと言われ、地下街の中に学校、教会、バス乗り場まである。
NHLのカナディアンズがあり、メイプルリーフスとのダービーはとにかく盛り上がる。
また、かつてはMLBのエクスポズもあったが、ワシントンに移転しナショナルズとなった。
バンクーバー
ブリティッシュコロンビア州の州都。太平洋に面した西の玄関口。
フィヨルドによって形作られたピュージェット湾沿いに都市が展開し、その背後にはカナディアンロッキーの雄大な山々がそびえる美しい都市である。
高緯度にあるが、暖流の影響で、カナダで最も温暖な都市としても知られる。
NHLのカナックスがあり、かつてはNBAのグリズリーもあった(アメリカのメンフィスに移転)。
カルガリー
カルガリー五輪で知られるアルバータ州最大の都市。
石油と天然ガスという豊富な資源の元に都市が発展。
経済だけでなく、世界最大級のアウトドアショーともいわれるカルガリー・スタンピード(ロデオ大会)やウィンタースポーツも盛んで観光業でも成功しているが、近年増えすぎた人口のせいでインフラが追いついていないらしい。
なお、2005年の愛知万博の際に破れた相手であるが、その時のテーマが環境と都市の共生だったというほど、エコツーリズムにも注力している。
エドモントン
アルバータ州の州都。
北米最北端の大都市であり、ダイヤモンドや石油など豊富な資源、そして農作物の集散地として発展した。
肥沃な山林地帯に都市を開発したため、市街地の大半が森林であり、世界で一番森林率の高い大都市らしい。フェスティバルシティの異名を持ち、カルガリーに負けず劣らずのイベント大好き都市である。
NHLのオイラーズがあり、あの神童ウェイン・グレツキーが所属していたことで知られる。
ウィニペグ
マニトバ州の州都。
農業集散地として発展しており、また北米屈指の空軍基地がある。
非常に温度差が激しい都市であり、冬の寒さが厳しい一方で、夏は非常に蒸し暑くなり、一年の温度差が80度以上に及んだこともある。
NHLのジェッツがあり、NHLフランチャイズを持つ最小の都市だが、市民のアイスホッケー熱の高さで知られ、一度出ていったフランチャイズを、熱意で呼び戻したことで知られる。
オタワ
別の意味で有名なカナダの首都。
チューリップシティの異名を持つほどチューリップがシンボルであり、オランダと仲が良い。
また、日系人も多く住み、決してオワタ都市なんかではない。
かつては製紙業が主流で、豊富な木材を利用し、アメリカの新聞用紙の大半はこの一帯で作られていた。
ハミルトン
かつて治安がすごく悪く、特にトロントに近いので、トロント近郊だからと高をくくって留学先に選び、そして悲劇を見る不幸な留学生が後を絶たなかった(近年は改善されているらしい)。
ハリファックス
ノバスコシア州に位置する、カナダの東端の港町で、大西洋岸最大の都市。ハリファクスとも表記される。
大西洋に面しているため、暖流の影響で冬場は温暖であり、また夏は涼しい。
水産業が盛んで、一帯は世界の三大漁場と呼ばれるほど。
戦時中に、貨物船が衝突し満載されていた火薬が爆発。その衝撃と爆風で引き起こされた津波で市街地が壊滅という事故が起きた。
この爆発は「人為的に起きた世界最悪の自然災害」と言われ、ハリファックス大爆発として知られることになる。
タイタニック号遭難沈没現場に比較的近く、救出者や遭難者の遺体の収容拠点となった。
スイス航空111便墜落事故の発生現場に近く、捜索・調査拠点となった。
経済・産業・名産など
世界有数の資源産出国で、天然ガス・石油・石炭のほかウラン・鉄鉱・ダイアモンド・イオウなどなど、様々な種類の鉱物資源を相当量算出している。その為、天然ガスと石油両方の採掘地を抱える中部のアルバータ州では、買い物に対して課される州税が無い(連邦税である5%のみ)。また自動車・ITをはじめとする工業が盛ん。
米・メキシコとともに北米自由貿易協定(NAFTA)を締結しており、貿易の多くを対米貿易が占める。
ヒグマを超えるグリズリーさんとかが住んでいます。メイプルシロップもおいしいよ。
カナダのスポーツ
カナダでは何といっても"アイスホッケー"が圧倒的な人気のあるスポーツである。
カナダ国民の大半はアイスホッケー経験者であり、バンクーバーオリンピックが行われた時には、
"他の競技でいくら金メダルを取ってもアイスホッケーで金メダルを取らなければ成功とはいえない"
と国内では言われたほど。実際にアイスホッケーカナダ代表が金メダルを取った時には日本が野球の世界選手権のWBCで優勝した時の倍以上の経済効果があったことから相当な人気スポーツだと言える。
他のスポーツではバスケットボール、野球などが人気。
隣国がアメリカなこともあるせいか、人気スポーツもアメリカと若干かぶっているところがあり、サッカーがあまり人気が無いところも一緒である。
プロのリーグ戦も、NHL、NBA、MLBはカナダのチームも参加しており、4大スポーツでカナダのチームが参加していないのはNFLだけである。これはカナダではアメリカンフットボールよりもカナディアンフットボールが人気のためである。
著名なカナダ人
姓アイウエオ順、記事のある人物は太字
- ブライアン・アダムス……歌手
- ポール・アンカ……シンガーソングライター
- パーシー・ウィリアムズ……陸上選手
- ジャック・ヴィルヌーヴ……F1レーサー
- ジル・ヴィルヌーヴ……F1レーサー
- ダン・エイクロイド……俳優
- アーロン・ガイエル……元野球選手
- エリック・ガニエ……野球選手
- ジェームズ・キャメロン……映画監督
- ジム・キャリー……俳優
- グレン・グールド……ピアノ奏者、作曲家
- デヴィッド・クローネンバーグ……映画監督
- ザ・ウィークエンド……シンガーソングライター
- Sum41……バンド
- ステッペンウルフ……バンド
- セリーヌ・ディオン……歌手
- シャナイア・トゥエイン……カントリー歌手
- ドレイク……ラッパー
- Nickelback……バンド
- コリー・ハート……歌手
- オスカー・ピーターソン……ジャズ・ピアニスト
- ジャスティン・ビーバー……シンガーソングライター
- HIMEKA……歌手
- ミレーヌ・ファルメール……歌手、作曲家、作詞家
- マイケル・J・フォックス……俳優
- メイナード&ブレイズ・ブラント兄弟(MONKEY MAJIK)……ミュージシャン
- ロリーナ・マッケニット……シンガーソングライター、ケルティック・ハープ奏者
- ジョニ・ミッチェル……シンガーソングライター
- フロ・モーニエ……ドラマー
- アラニス・モリセット……シンガーソングライター
- ニール・ヤング……シンガーソングライター
- アヴリル・ラヴィーン……シンガーソングライター
- ラッシュ……バンド
- k.d.ラング……シンガーソングライター
架空の人物
- カナディアンマン(キン肉マン)
- カナディアンボーイ(キン肉マンII世)
- アン・シャーリー(赤毛のアン)
- トレバー・フィリップス(GTA5)
- グレン・マッケンジー (Fate/Zero)
- マーサ・マッケンジー (Fate/Zero)
- ルロイ修道士(井上ひさし『握手』)……実在のカナダ人修道士ブラザー・サルト・ベランジェがモデル
関連動画
関連項目
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