カブトガニ(兜蟹)とは、節足動物門 鋏角亜門 剣尾綱 剣尾目 カブトガニ科に属する節足動物である。
学名:Tachypleus tridentatus
概要
生態
体長は成体で50~60㎝程度、背面全体を覆う甲羅と棘のような尻尾が特徴である。
名前から甲殻類と思われがちだが、実際にはクモやサソリの近縁であり、腹部から見るとクモのそれを想起させる8本脚があることがわかる。古生代からその姿はほとんど変わっておらず、生きた化石としても有名。血は青い。
汽水域の泥の溜まった海底に生息し、ゴカイなどの海生生物を捕食する。夏に産卵期を迎え、孵化した後は十数回の脱皮を経て成体となる。
分布
日本においては、同種の中で最大種が瀬戸内海を中心に生息している。近年は海洋汚染や埋め立ての影響によりその数を減らしており、環境省のレッドデータブックでは絶滅危惧Ⅰ類に分類されている。
その他、北アメリカにアメリカカブトガニ、中国沿岸、インドネシアからフィリピンにかけての東南アジアなどにマルオカブトガニ、ミナミカブトガニの2種が生息する。これらは日本のものと違い特に絶滅危惧指定などはされていない。
利用
医療分野では、血液からの抽出成分が菌類の毒素と反応して凝固することから、これらの検出薬として利用される。
中国や東南アジアの一部地域では普通に食用にされており、市場や屋台でも見かけられる。日本でもかつては食べられていたようだが、貝原益軒著『大和本草』で「形大ナレトモ肉少ナシ人食セス」など、いくつかの文献で美味しくないとこき下ろされており、食文化として現代には残っていない。なお、エラなどにはかの悪名高きテトロドトキシンが含まれていることがあるため、海外旅行などでもし食する機会があるならば十分な注意が必要である。
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関連項目
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