カプセル怪獣とは、特撮ドラマ『ウルトラセブン』及び以降のウルトラシリーズに登場する、ウルトラ戦士の味方怪獣の通称である。
概要
ウルトラセブン=モロボシ・ダンが所有する、小さなカプセルに入った怪獣。
何らかのトラブルによってダンが変身不能に陥った際や、時間稼ぎが必要な状況などにおいて、このカプセルを投げることにより、怪獣を代わりに戦わせることが出来る。
万が一の暴走を考慮してか、カプセル怪獣たちは基本的に飼い主であるセブンより格段に弱い。そのため善戦はするものの最後は敗れ、「○○、戻れ!」の掛け声とともにカプセルに戻されてしまうことがほとんど。
だが、「怪獣をペットにして使役する」という斬新かつ夢のある発想は子供たちの心を刺激し、大した活躍がないながらも、カプセル怪獣たちの人気は当時から非常に高かった。
後に『ウルトラマンメビウス』や『大怪獣バトル』『ウルトラギャラクシーファイト』でカプセル怪獣が再登場した時は、当時の視聴者だった現スタッフの思い入れもあってか、『セブン』本編より格段に強く描かれた。
なお『メビウス』では「マケット怪獣」という名称で、セブンではなく人間に使役される存在。
正確には、『セブン』におけるカプセル怪獣のデータを、特殊技術で実体化して使っているという設定である。後の『ウルトラマンX』におけるサイバー怪獣や『ウルトラマンデッカー』のディメンション怪獣など、現在も形を変えて引き継がれている。
更に『ウルトラマンZ』においては、下記のうち2体が「対怪獣特殊空挺機甲(通称:特空機)」として登場している。こちらの場合は怪獣ではなく、ストレイジの隊員が乗り込むロボットとして扱われている。
このカプセル怪獣が、大ヒットゲーム『ポケットモンスター』の根本の元ネタであることは非常に有名。
怪獣たち
ウインダム
第1話(VSクール星人)、第24話(VSカナン星人)、第39話(VSガッツ星人)に登場。
メタル星出身で、全身がメタリックシルバーの、ロボットのような姿をした怪獣。
出身地の名前からしてこういう生物なのだろうが、「電子頭脳を持つ」という設定もあったりして、今一つはっきりしない。
記念すべき第1話で登場した際は、クール星人の円盤を得意技のビームで撃墜する活躍を見せるが、すぐさま反撃にあって敗走。
カナン星人戦では相手に操られてセブンを攻撃。セブンのお仕置きで正気に戻ったものの、その直後にやられてしまったため回収された。
ガッツ星人戦では敵のテレポート戦法に何も出来ないまま翻弄されてオロオロし続け、最後は頭部の弱点に攻撃を受けて爆死。ダンが危険を感じて回収を行おうとしたが間に合わず、唯一殉職したカプセル怪獣である。
『ウルトラセブン1999最終章6部作』では2代目と思われるウインダムが登場。
第3話で異星人を一時撤退させる活躍を見せるが、最終話で怪獣ザバンギに敗れまたも殉職した。
『ウルトラマンメビウス』ではマケット怪獣として登場。後半はデータ改造により、火炎放射能力を持つ「ファイヤーウインダム」にパワーアップ。単独戦闘で敵に勝利する活躍を見せた。
『大怪獣バトルウルトラ銀河伝説』でも2代目らしきウインダムが登場。
サラマンドラと交戦しカプセル怪獣ウインダムとしての初勝利を遂げる。
特空機2号 ウインダム
『ウルトラマンZ』において、 対怪獣ロボット部隊「ストレイジ」が運用するロボット兵器として登場。
正式名称は「対怪獣特殊空挺機甲2号機」、設計者はストレイジの科学担当オオタ ユカ。
開発コンセプトはずばり「スピード」。恐らく相次ぐ強豪怪獣との戦闘で露呈した先代セブンガ―の弱点を補う目的と思われる。スリム化かつ高出力化した機体性能に加えて、体の各部に空いた穴からジェット噴射してのノーモーションでの高速移動も可能。ポーズを固定したままの横ダッシュは誰が呼んだかウィンキースパロボと言われる事も。そら確かに昔はドット絵を横スライドさせるだけだった罠。
初登場はメイン回たる4話……ではなく背景としてだが3話冒頭の格納庫でのシーン。微妙に暗いのでわかりにくいが背景をよく見ると横たわっていたりする。
本来は本編前から開発を行っていたものの、ストレイジの予算不足の影響で開発が中断の危機に陥る事に。周辺被害への補償とか考えるとシカタナイネ
幸い、3話にてストレイジ上層部である地球防衛軍の事務次官へのプレゼンテーションを敢行、途中ゴモラの覚醒等のアクシデントに見舞われたが、無事に事務次官の説得に成功し予算を獲得、無事完成にこぎ着ける事となった。
装備は初代からのお馴染みの頭部のビーム砲(作中名称、レーザーショット)に加え、各部の謎穴から乱射するミサイル、更に接近戦に備えて拳部を高速回転させての連続パンチも搭載済み。ただし、純粋なパワーはセブンガ―と比べると落ちる模様。
また、これだけの性能を実現した反動として内蔵バッテリーへの充電量はセブンガ―よりも悪化し、更に各部のパーツを別々の企業に発注したことによる電力ロスが重なった結果、稼働限界が5分、更に起動のための充電に4日を要するという欠陥を抱える事となってしまう。
幸い、初出動回となった4話にて、2話で撃破したネロンガの角の破片を使って電⼒を増幅させるという裏技でぎりぎりで起動に成功、その後はこのネロンガの電⼒増幅の仕組みを応用した、急速充電・高出⼒のバッテリーが開発され、 長時間の⾏動が可能になったとの事。
ミクラス
第3話(VSエレキング)、第25話(VSガンダー)に登場。
セブンを代表するエピソードに登場していることもあり、恐らくカプセル怪獣の中では最も知名度が高い。
バッファロー星出身で、牛のような大きな角と不細工な愛嬌のある顔、ずんぐりした体形が特徴。
カプセル怪獣では一番の怪力の持ち主。
第3話では、ウルトラアイを奪われたセブンに代わりエレキングと対戦。
怪力を武器に善戦したが、弱点である電撃攻撃を受けて敗退。
第25話では寒さに弱いセブンに代わり、-140℃の極寒下でガンダーに挑む。
寒さには強いようでガンダーの冷気攻撃もものともしなかったが、相手のスピードに翻弄されて敗れた。
『ウルトラマンメビウス』で登場したマケットミクラスは、データ改造により、弱点だった電気を得意技にした「エレキミクラス」にパワーアップ。
単独勝利の他、ウインダムとの共闘により、あのゼットンを破るという大金星を挙げている。
本家も『大怪獣バトル』で一時期レイの手持ちとして活躍。
『ウルトラ銀河伝説』ではべムスターを破る快挙を成し遂げた。
アギラ
第32話(VSリッガー)、第46話(VSにせウルトラセブン)に登場。
アニマル星出身で、眠そうな目をしたトリケラトプスのような怪獣。
スピードを活かした戦闘が得意らしいが、顔の間抜けさや偽セブン戦での醜態も相まってアホの子という印象が強い。
第32話ではリッガーを相手に素早い動きで立ち向かったが、尻尾攻撃一発でのされる。
第46話では、「ダンがウルトラアイを車に忘れてきた」という世にも情けない理由で出撃[1]。だが、ご主人様そっくりの敵を相手にオロオロしっぱなしで、何も出来ないまま崖に突き落とされた。
平成ウルトラセブンやウルトラマンメビウスで活躍を見せる他の2匹に対し、アギラだけは派生作品への登場機会が全くないどころか、小説版平成セブンでは戦力外通告まで受けており、長らく不遇のカプセル怪獣扱いされていた。
その後、『大怪獣バトルウルトラ銀河伝説』で念願の復活を果たし、ドラコ相手に初の白星を拾った。
セブンガー
『ウルトラマンレオ』34話に登場。
正確にはカプセルではなく怪獣ボールと呼ばれるアイテムから出現する。
変身能力を失い、なぜかカプセル怪獣を使いたがらなかったセブンのためにウルトラマンジャックが用意。
道中、怪獣アシュランや海辺の子供達の妨害に遭うもどうにかダンのもとに届けられる。
ドラム缶状の胴体に常に眠たそうな表情と、はっきり言って上記3体より強そうには見えない。
と思いきや、なんとジャックを追い詰め後にレオを苦戦させたアシュランを圧倒するほどの戦闘力をみせつけた。
下手するとウルトラ戦士より強いのでは?と言われるほどだが、連続で1分間しか活動できず、しかもその後50時間使用できないというとんでもない運用性の低さも誇る。結局出番は1回だけだった。
のちに『ウルトラマンZ』において、対怪獣ロボット部隊「ストレイジ」が運用するロボット「対怪獣特殊空挺機甲 1号機」として46年ぶりに本編再登場、活動時間は1分ものバッテリー×3本で3分活動と大幅に燃費が向上した。
その他のカプセル怪獣
セブンはこの3匹が入ったカプセル以外にもう2個、合計5個のカプセルを所有している。
そのうち1つはイカルス星人に異空間へ閉じ込められた時に使おうとしたが、異空間ではカプセルが作動せず、そのまま紛失してしまった。中に入ったままの怪獣が哀れすぎる。
最後の1個は平成ウルトラセブンで空だったと判明、ダンが入れ替わっている間はそこにカザモリ・マサキが入っていた。このときカプセルには中の生物を治癒する機能があるという設定が生まれている。
『ウルトラマンゼアス2』にはカプセル怪獣ミラクロン、ダークラーが登場。詳細は作品の記事参照。
関連動画
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関連項目
脚注
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