カムニャック(Kamunyak)とは、2022年生まれの日本の競走馬である。鹿毛の牝馬。
主な勝ち鞍
3歳(2025年):優駿牝馬(GⅠ)、フローラステークス(GⅡ)
生産者は社台ファーム、所有者は金子真人ホールディングス、管理調教師は友道康夫(栗東)。
概要
父ブラックタイド、母ダンスアミーガ、母父サクラバクシンオーという血統。
父は現役時代GⅡスプリングSを勝利。GⅠには届かなかったが全弟ディープインパクトの活躍もあって種牡馬入りし、顕彰馬キタサンブラックを送り出す大きな功績を残した。本馬の種付け時においてはすでに21歳と高齢であり、この年からJRAでの産駒出走頭数が減少を始めていて、種牡馬生活としては晩年を迎えていた。
母は短距離~マイルで5勝。その祖母はオークス馬ダンスパートナーである。
母父は競走馬としても種牡馬としても短距離戦線を席巻した稀代の快速馬。父ブラックタイド×母父サクラバクシンオーという構成は前述のキタサンブラックと同じである。
社台ファームの吉田照哉氏も「(同じ配合の)キタサンブラックがいたから、サクラバクシンオーの牝馬にブラックタイドをつけた。」と述べている。
2023年セレクトセールで国内有数の個人馬主であり、父ブラックタイドのオーナーでもあった金子真人氏に7700万円で取引され、ヴィブロス、アドマイヤマーズ、ドウデュースなど多くのG1馬を管理し、金子真人氏の所有馬マカヒキやワグネリアンなども手掛けた友道康夫調教師に預けられた。
2歳
2歳8月の中京芝2000mにて川田将雅騎乗でデビュー。単勝1.2倍の断然人気に応え、後方追走から直線1頭突き抜けて3馬身半差の完勝を収める。
2戦目は一呼吸おいてGⅢアルテミスステークス。前走の勝ちっぷりから1番人気に支持されたが、3番手追走から直線で伸びきれず、勝ち馬とはコンマ2秒差ながら6着に敗れた。
3歳
2025年初戦はリステッド競走エルフィンステークス。3番人気に評価を落としたこのレースは中団待機に戻ったが、前残り決着になってしまい4着に敗れる。
ここから陣営はオークスを見据えた方向にシフト。折り合いが難しくなっていたことを考慮し、短期免許で来日中のドイツの名手アンドレアシュ・シュタルケを新たに迎えてGⅡフローラSに出走する。7番人気の低評価だったが、馬群の中ほどから直線で空いたスペースを突き末脚一閃。2着に1馬身1/4差をつけ、重賞初制覇でオークスの優先出走権を手にした。なお鞍上のシュタルケは2017年ニュージーランドT以来8年ぶりのJRA重賞勝利となった。
優先出走権を獲得したオークスへは引き続きA.シュタルケ騎乗での出走。エンブロイダリー・アルマヴェローチェ・リンクスティップの桜花賞上位3頭が人気を分け合う中、単勝14.3倍ながら4番人気と別路線組では最上位の支持を受けた。
7枠15番からスタートし、すぐに中団に控える形。外目の追走となったが前に馬を置きつつ、1000mジャスト1分の流れにも折り合う。そのまま4コーナーから大外を回って直線を向くと末脚が炸裂、先行馬をみるみる飲み込んでいく。最後は馬場の真ん中から飛び出した2歳女王アルマヴェローチェとの叩き合いになったがアタマ差でねじ伏せてゴールイン。2連勝で樫の女王に輝いた。
鞍上のA.シュタルケは1997年ジャパンカップでの初来日から28年越しのJRA・GⅠ初勝利。51歳4ヶ月22日でのオークス勝利は、2009年にブエナビスタで制した安藤勝己の記録(49歳1ヶ月27日)を更新する最年長勝利ともなった。自身4年ぶりの国際GⅠ勝利でもあり喜びも一入の様子で、レース後にはスタンドで応援していた妻エスターさんに駆け寄り熱烈なキス。インタビューでも「私の夢が叶い日本のGⅠを勝てました。もう何も言うことはありません」と感慨に浸った。
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https://twitter.com/gendai_keiba/status/1926567257368334816
ブラックタイド産駒はキタサンブラック以来2頭目のGⅠ勝利。フローラS優勝馬のオークス制覇は2010年のサンテミリオン以来15年ぶり。またサンテミリオンはアパパネとの同着だった為、単独制覇は1987年のマックスビューティ以来実に38年ぶりという快挙になった。
血統表
ブラックタイド 2001 鹿毛 |
*サンデーサイレンス 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason |
Cosmah | |||
Wishing Well | Understanding | ||
Mountain Flower | |||
*ウインドインハーヘア 1991 鹿毛 |
Alzao | Lyphard | |
Lady Rebecca | |||
Burghclere | Busted | ||
Highclere | |||
ダンスアミーガ 2011 栗毛 FNo.7 |
サクラバクシンオー 1989 鹿毛 |
サクラユタカオー | *テスコボーイ |
アンジェリカ | |||
サクラハゴロモ | *ノーザンテースト | ||
*クリアアンバー | |||
ダンスオールナイト 2003 鹿毛 |
*エルコンドルパサー | Kingmambo | |
*サドラーズギャル | |||
ダンスパートナー | *サンデーサイレンス | ||
*ダンシングキイ |
インブリード:サンデーサイレンス 2x4(31.25%)、Northern Dancer 5x5(6.25%)
1歳上の半兄キープカルム(父ロードカナロア)は2025年にGⅢしらさぎSを勝利している。
関連動画
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関連リンク
関連項目
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