カルト2世とは、人を分類するときに使われる言葉である。
宗教2世の一部や思想2世の一部にはカルト2世という要素を含む人がいる。
定義
定義(広義)
「広義のカルト2世」の3分類
「広義のカルト2世」は3つに分けることができる。
1.は、「子が18歳になってから、親が子に『自分と一緒のカルト団体に入らないか』と要請し、子がその要請に応じる」という例が考えられる。18歳になると子どもに経済的な実力が発生しており、親の要請を拒否できることが多い。このため1.は強制性が低く、社会問題になりにくい。
2.は、「両親が離婚して、親権を持った母親に監護されて暮らしている子どもがいて、その子どもが18歳になるまでの間に父親が『自分と一緒のカルト団体に入らないか』と要請してきて、親権を持つ母親の承諾を受けて子どもがその要請に応じる」という例が考えられる。自らを監護しない親の要請は、自らを監護する親の助力を受けて拒否できることが多い。このため2.も強制性が低く、社会問題になりにくい。
3.は、「子が18歳になるまでの間に、子どもを監護する親が子に『自分と一緒のカルト団体に入らないか』と要請し、子がその要請に応じる」という例が考えられる。18歳になるまでの子どもは経済的な実力が皆無に等しく、自らを監護する親の要請を拒否することが非常に難しい。このため3.は強制性が高く、子の人権を侵害しやすく、社会問題になりやすい。
カルト2世というと3.を示すことが非常に多い。ゆえに3.のことを「狭義のカルト2世」と呼ぶことができる。
定義(狭義)
18歳(成人)になるまでの期間に、自らを監護する親と同じカルト団体に入団した人のことをカルト2世という。
本記事での扱い
これ以降の本記事では、「狭義のカルト2世」のことをカルト2世と呼ぶことにする。
カルト思想団体の思想2世
宗教2世の2分類と、思想2世の2分類
宗教2世のなかにも2種類がある。比較的に穏健な宗教団体の宗教2世と、カルト宗教団体の宗教2世である。
思想2世のなかにも2種類がある。比較的に穏健な思想団体の思想2世と、カルト思想団体の思想2世である。
カルト2世とは、「カルト宗教団体の宗教2世」と「カルト思想団体の思想2世」を会わせた概念である。
宗教2世と思想2世とカルト2世について整理すると次の表のようになる。
非・カルト2世 | 比較的に穏健な宗教団体の宗教2世 |
比較的に穏健な思想団体の思想2世 | |
カルト2世 | カルト宗教団体の宗教2世 |
カルト思想団体の思想2世 |
「宗教2世問題」という表現を「カルト2世問題」に変換すべきという主張
2022年7月8日に安倍晋三射殺事件が発生した。この事件は宗教2世が加害者となったので、「宗教2世問題」が社会問題として大きく取り上げられるようになった。
しかし、「宗教2世問題」という呼称だと、比較的に穏健な宗教団体の宗教2世を巻きこんでしまうし、「カルト思想団体の思想2世」を放置してしまう。
このため、「宗教2世問題」と表現せず、「カルト2世問題」と表現すべきではないか、という提言がなされることがある。
関連項目
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