カレッジフットボールとは、アメリカの大学におけるアメリカン・フットボールの大会である。
概要
9月初旬から12月にかけて、地域・実力によっていくつかのリーグ(カンファレンス)に別れて12試合の総当り戦を行う。
ディビジョンはまず、ディビジョン1(1部)、ディビジョン2(2部)、ディビジョン(3部)に分けられていて、更にD1は、FBS(フットボールサブディビジョン)とFCS(フットボールチャンピオンシップザブディビジョン)に分かれ、FBSがトップリーグという扱いとなる。成績の善し悪しに関わらずディビジョンの入れ替えはない。
まず、レギュラーシーズン12試合を行う。成績によって、FCS以下のディビジョンのチームは16チームによる全米トーナメントを行って、各ディビジョンにおける1位を決める。
FBSは、まずカンファレンス各地域1位、もしくはカンファレンス上位2チームでプレーオフを行い、各カンファレンスチャンピオンを決める。レギュラーシーズン及び、カンファレンスチャンピオンシップでの試合内容を精査。ランク付けを行い、上位4位までがプレーオフに進出。この4チームのトーナメントによって全米1位が決定する。それ以下で勝ち越しているチームはボウルゲームと呼ばれるエキジビョンゲームに進むというのが主なシーズンの流れである。
数あるボウルゲームの中でも、ニューイヤーシックスボウルと呼ばれるゲームが高い権威を持っている。まず、ローズボウル、シュガーボウル、フィエスタボウル、オレンジボウル、コットンボール、ピーチボウルの6つで、昔は6つのゲームのうちの一つが毎年交代で全米1を決める試合になっていたが、2014年から、これらのボウルゲームのうち2つがプレーオフに指定され、そのプレーオフを勝ち残ったチームがカレッジフットボールプレーオフに進み、これが全米1を決める試合となっている。
アメリカの東京六大学野球というべき存在だが、規模は遙かにこちらのほうが大きい。アメリカの世論調査によれば34%がNFLと答えたのは当然として、16%がMLB、11%がカレッジフットボールと答えており、プロのNBAやNHLはそれ以下なのだから人気ぶりが伺い知れる。学校のチームなのでOBが猛烈なファン層を形成している事や、NFLのチームがない地域にとっては、カレッジフットボールのチームが地域の象徴になっているからである。
カレッジフットボールの中で最大の収容人数を誇るのはミシガン大学の109901人(公称)妙に中途半端だな……とおもったらじゅうまんにん!?
横酷日産スタジアムの収容人数が72327人、FCバルセロナの本拠地カンプ・ノウですら99,786人だということ考えると、如何に巨大かということが伺い知れる話である。これ以上の競技場は競馬場やサーキットになる。何よりも恐ろしいのは満員になるということで、観客動員10万人以上を200試合以上も連続して続けているのだから、とんでもない話である。スタジアムの規模の違いもあるが他の大学も収容人数を埋めるほどの観客動員を達成している事は確かである。
もはや、半分プロであり、有力校が奨学金で有力選手を確保することも認められている。NFLにおいて二軍がないのにも、カレッジフットボールが実質、育成リーグとしての役割を果たしていたりするからである。
その他の特徴としては、対戦相手といえば通常は運営が決めるものなのだが、カレッジフットボールはある程度のルール付きで大学が設定することができる。ホームに対戦相手を呼ぶとお金がかかり、逆に呼ばれると収益が得られるという仕組み。また、災害などで試合が中止になっても再試合がないというのも特徴で、どうしても試合がしたい場合には空き週に(バイウィーク)にお金を使って、対戦相手を招待するという形になる。
カンファレス一覧
カンファレンスは地域・実力によって細かく階層化されているが、大まかに分けるとFBS所属のカンファレンスと、それ以外となる。更にいえばFBSもACC、BIG-TEN)、BIG12、PAC12、SECとそれ以外(グループオブファイブ)に分けられ、上位5つのカンファレンス所属の大学はテニヌ出てきそうな全米屈指の強豪校であり、各カンファレンスで優勝したチームは6大ボウル戦に出場できるという特権がある。更にいえば、プレーオフに進める可能性があるのは5つのカンファレンス所属校+ノートルダム大ぐらいなものである。
6大ボウルゲームに出場できるのは計12チーム、うち、4校がプレイオフ枠に当てられるので、残りの8枠を争う形になる。
- アトランティック・コースト・カンファレンス(ACC)
名前の通りに大西洋に面する東海岸沿いを統括するカンファレンス
現在のところ、クレムゾン大とその他大勢という扱いになっている。 - ビッグ・テン・カンファレンス(BIG-TEN)
アメリカ中部から東部の北の方に集中しているカンファレンス。実際には14チームが所属している。
主な強豪はオハイオ州立大とミシガン大、少し下がってペンシルベニア州立大(ペンステート) - ビッグ12・カンファレンス(BIG12)
テキサスから上の中央部がエリア。実際は10チーム
主な強豪はオクラホマ大、テキサス大 - パシフィック・12・カンファレンス(PAC-12)
太平洋岸西部地域をエリアとするカンファレンス。
主なチームはUCLAやオレゴン大、スタンフォード大など。飛び抜けて強いチームが存在しないため、つぶし合いになる事が多く、従ってプレーオフに進めないことが多い。 - サウスイースタン・カンファレンス(SEC)
アメリカ南東部をエリアとするカンファレンス。
なんといっても、カレッジフットボールの山王工業や青森山田というべきアラバマ大や、ルイジアナ州立大(LSU)、ジョージア大といった全米を代表するような強豪が集中しており、場合によってはプレーオフ進出枠4のうち、2つをSEC所属の学校で占めるといった事態も。 - ノートルダム大学
アメフト部限定で、何処のカンファレンスにも所属しない独立校だが、過去の実績の高さから、無敗で進めばプレーオフにノミネートされる希有な大学。 ちなみに漫画「アイシールド21」のアイシールド21とは、ノートルダム大学附属中アメフト部のエース・ランニングバックに与えられる称号の事(実際の米ノートルダム大に附属中はないので注意)
グループオブファイブ - アメリカンアスレティックカンファレンス(AAC)
- カンファレンス・USA(C-USA)
- ミッドアメリカンカンファレンス(MAC)
- マウンテンウエストカンファレンス(MWC)
- サンベルトカンファレンス(SBC)
これらのカンファレンスに所属するチームがレギュラーシーズンを無敗で切り抜けたとしても、プレイオフに行けるかといえばまず、無理といったところである。その代わり、グループオブファイブ所属校の中で最高位にランクされた大学には、ニューイヤーシックスボウルのどれかに招待されるという特典が与えられる。
用語
基本編
- カンファレンス戦
同カンファレンスに所属するチームと対戦する事。
当然のことながら、プレイオフに進むにはカンファンレス戦を勝ち抜くことが重要である。 - 交流戦
他のカンファレンスに所属するチームや独立校との対戦の事。
独立校は全部の試合が交流戦になる。 - 独立校
どのカンファレンスにも属さない大学のこと。言うまでもないがカンファレンスタイトル戦がないので、基本は年間12+1試合となる。
主な独立校はノートルダム大やブリガムヤング大(BYU)、コネティカット大など。 - ストレングス・オブ・スケジュール
大学が設定した対戦相手の強さのこと。
ランキングで上位に位置するためには、勝ち星と同時に対戦相手の強弱も大きな影響を与える。
雑魚ばかりを相手にして無敗でシーズンを終えるよりも、強豪ばかりを相手にして12勝1敗で切り抜けたほうが上位にランクされる。とはいっても、プレーオフに進むには全勝が条件、許されるのは1敗までところであり、つまり音ゲーで例えるなら高難度の曲をノーミスでクリアすることが要求されるようなものである。
ランキングは勝敗や対戦相手の強弱、過去の実績や格、試合内容を踏まえた上で評価された上でランクづけされることになる。 - ボウルゲーム
レギュラーシーズンを終えた後のスペシャルマッチのこと。
最近では数が増えすぎていることが問題になっている。なにせ、40ゲームほどあるので、昔は勝ち越したチームしか招待されなかったのに、近年は場合によっては5勝7敗でも招待される可能性がでてきた。
ボウルというのはスタジアムが逆さにしたボウルに見えた事による。開催する地元の特産品を元に命名するのが基本。アメフト日本一を決める試合を「ライスボウル」というのもいわずもがなである。
問題点
主要カンファレンスの収入は22億ドル、利益は11億ドルといった具合に大きく、MLBさえも越えている。まさに世界一儲けているアマチュアリーグだったりするのだが、そこに矛盾がある。アマチュアスポーツなので利益を選手に還元するという訳にもいかず、運営側が独占してしまっているという点である。要は選手にただ働きさせて、大もうけしているわけである。高校野球でも高野連と朝日新聞がどれだけの収益を得ているのか気になるところなのだが、恐らくはとんとんといったところなのだろう。そうと思いたい。
2012年ハイズマン賞を受賞したジョニー・マンジールは一個のいくらの契約で、有償でアメフト道具にサインした事が問題になって処分が下ったが、その処分というのが半試合出場停止という軽いものだった。そんな処分にせざるおえなかったところに問題があるといえる。また、ヒューストン・テキサンズのRBエリアン・フォスターは大学時代、「不祥事を起こすぞ」とコーチを脅して、食費を恵んでもらったと告白している。
流石に問題にならないわけがなく、近年ではカルフォルニア州がガレッジフットボールで、チームの大学生が利益を得られないのは不当だという判断を下している。「美大生ならコミケに出店して稼いでも問題がないのに、フットボール部の部員がアメフトで儲けられないのは不当だ」という理屈であり、従って、この流れも変わってくることが予想される。
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関連項目
外部リンク
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