概要
主にオーストラリア周辺に生息する動物。6500万年前には生息していたという古い歴史を持つ動物である。つまり彼等の祖先は恐竜との生存競争を行なっていたというわけである。
かつては野生動物を嫌ったオーストラリアの入植者達に虐殺された過去もあるが、今ではカンガルーの仲間達は5000万頭以上が繁栄していると言われている。
カンガルーとは、現地で「跳ぶもの」を意味する言葉が変化して名付けられたとされている。西洋人が「あれは何?」と聞いて、現地人が「ワカラナイ」という意味で「カンガルー」と答えたため、という勘違い説はただの俗説だとされている。
ちなみに部族からは必ずしもこう呼ばれるわけではないらしい。
生態
人間のように二足で立ち、発達した脚で跳ねながら移動する。しかし身体の構造上後退することが出来ない。どこぞの聖帝様のようである。また、体の構造上泳ぐのが苦手。
この脚は戦いの時にも扱われ、キックボクサーのような強烈な蹴りを敵にお見舞いすることが出来る。天敵はオオイヌワシとディンゴで、前述の蹴りと前肢による引っ掻き攻撃で抵抗する。
カンガルーは2~10頭程度の群れを形成する。その中で優位の雄が数匹の雌と交尾をして繁殖する。繁殖期は特になく、時期を問わず繁殖活動を行うことが可能。基本臆病なため、群れの1頭が逃げるとそれにつられて群れのカンガルーが全員逃げ出してしまうことがある。
草食性であり、地面の草などをモサモサと食べるが、一度飲み込んでは口に戻してもぐもぐ噛んでまた飲み込む「反芻」と呼ばれるちょっと変わった食べ方をする。
実は夜行性であり、昼間は眠たさからおとなしくしているが、夜になると活発に活動をし始める。動物園のカンガルーなどは、やや生活リズムが変わった個体であるかもしれない。
袋について
有袋類とは胎盤のない生き物であり、このカンガルーも同じである。袋を持つのは雌であり、その袋の中で2cmにも満たない大きさの未熟児を育て上げる。
環境が合わないとカンガルーは意図的に未熟児の細胞分裂を止めさせることができ、良い環境に到達してから改めて生育を再開させることが出来る。
比較的長い間、子供は親離れ出来ない。ようやくカンガルーらしい身体付きに成長し、外に出るようになっても、しばらくは危険が迫るとすぐ袋の中に隠れてしまう。そこから一人前になれるのは大体1歳前後から。
ちなみに知っている人は知っているが、この袋の中はかなり臭い……。
なんでボクシング?
ボクシング・カンガルーというオーストラリアの国家を動物になぞらえた擬人化表現も存在するくらい、カンガルーとボクシングはやたら関係性を強調される。
カンガルーの動きは正しく人間のボクシングそのものであり、特に抱きつくように前肢を突き出してくるその姿が人間にはそう見えるのである。キックボクサーとしても強いのは言うまでもない。
そのため、昔は本当にカンガルーにグローブをはめて、人間とボクシングをやらせるという余興がサーカスなどで行われていた。
日本初の世界王者である白井義男もカンガルーと余興でボクシングをやらされ、金的でダウンさせられたことをきっかけに、悔しさからボクシングにのめり込むようになったという。
今では少なくとも日本ではそういった余興が見られることはほぼなくなった。世界的にも「動物虐待だ」として白い目で見られているからである。
しかし余興といえどもカンガルーはボクサーとして一流であり、彼の蹴りをまともに受ければ人間とてひとたまりもない。
蹴りを放つ時は太い尾で立ち上がり、両足で相手を力一杯蹴りつける。
下手すると人間は内臓破裂するほどの威力を持っており、かつて夜祭りでやっていたというカンガルーボクシングは、動物愛護の観点とかそういう以前にただひたすら危険である。
人との関わり合いの問題・及び文化
カンガルーは近年人間の生活圏にまで生息地を伸ばしているため、車道に飛び出してきたカンガルーが車に轢かれるということがよく起きている。そのため、オーストラリアの道路には至る所にカンガルーの絵が描かれた飛びだし注意の標識が立っている。
食用としても近年は重宝され始めている。やや肉は固いが調理次第で良質なたんぱく質を補充することが出来る。
ネット上ではロジャー君と言う名のマッチョな雄のカンガルーが有名。その他にも様々なマッチョなカンガルーの画像が上げられている。
実はカンガルーは日本でもペットとして飼うことも出来る。ただし人のいうことは聞かないし、発情した雄は人間にでも平気で襲いかかるほど神経質になるのであまりオススメ出来ない。
あと犬のように散歩には向かないので、広い庭のある土地もあったほうが良い。また、雪が降り積もるような寒さはカンガルーにとってとても辛い。要するに日本で飼育することはかなり難しい。せめて飼うならワラビーが妥当であろう。
最近、日本で野生化したと見られるカンガルーの目撃情報がある。定かではないうえ、発見場所とされるのが東北寄りの地域のため、専門家曰く「生きていけない」そうである。仮に野生化したとすれば、それは人間の飼育下から逃げ出した、あるいは捨てられた個体だと見られる。
カンガルーの仲間達
- ワラビー - かなり小型のカンガルー。
- オオカンガルー - その名の通り大型のカンガルー。
- アカカンガルー - 実はオオカンガルーよりもでかいカンガルー。
- キノボリカンガルー - その名の通りカンガルーなのに樹の上で生活している珍しいカンガルー。
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