カンストとは、カウンターストップ(Counter Stop)の略称である。
概要
主にゲームに使用される用語で、ゲーム中の何かしらの加算できる数値が設定された上限(まれに減算して下限)に達した際に用いる。
単に「○○(ゲーム名)」のカンストと言った場合、スコアについて使用されることが多い。
スコア
ACTやSTGやPZLなどスコアを稼ぐタイプのゲームにおいて、点数が用意された桁を振り切り、それ以上の計測が不可能になることを言う。通常プレーでは発生しないようにしてあることが多く、それでも発生する原因としては、開発者の設定ミス、想定外のスコア稼ぎの発覚によるものが多い。
この現象が起こると、多くのゲームでは表示できる最大の点数(9999999点など)で以降のスコアが固定される。点数の1の位や十の位は実際には使用されていない場合もあり、その場合9999990点などがカンストになる。アーケードゲーム雑誌ではハイスコア集計が打ち切られてしまう。
変わった例としては、「レインボーアイランド」などにおいては、意図的にスコアのカンスト値が低めに設定されており、「スコアの桁を増やす」アイテム(またはコマンド)を用いなければスコアが頭打ちになるように設計されている。
スコア以外
所持金や能力値、プレイ時間などの累積する数値(敵のレベルやゲームランクなどの見えない数値を含む)にも使用される。ランダムで変化する数値の場合は上限値になってもカンストとは言わない。
こちらではRPGやSLGで使用されることが多い。
例えばまとめて持てるアイテム数のカンストはよく見られる。これについては、消費アイテムの上限値がゲームバランスに直結する。やくそうが8個しかもてないのと99個持てるのでは難易度がかなり変わることはすぐわかるだろう。
能力値の場合たいていは終盤にならないと(あるいは意図的な稼ぎをしないと)カンストしないように設定するのが普通だが、この上限が余裕で達しうる値である場合、終盤のゲームバランスに影響する場合もあり、多くの場合能力の偏ったキャラが不利を被ることになる。(力が強いキャラの力が早々とカンストしてそれ以上強くならず、終盤は他のキャラも力が成長して似た攻撃力になってしまうなど。そうなると力が強い分他のパラメータが低いはずのキャラは役立たずになってしまったりする。)
例えば「アイドルマスター」における各能力値は様々な形で意図的に制限がかけられており、制限を越えるとカンストする。これらの制限値はかなり容易に達成可能なので、初期値が高くて能力値減衰の大きいキャラよりも初期値が低くても能力値減衰の少ないキャラの方が終盤に強い。(ただしスコア重視すると能力値カンストまでの期間を減らせる初期強キャラのほうが有利とも。)
逆に上限に達するのが前提のバランスにしていることもあり、その場合カンストしていないキャラだけ不遇になったりする。(HPが9999になっている前提で6000ほどのダメージを与えてくるボスに、HP5000ほどのキャラが即死してしまうなど。)
また、味方のHPカンストが999なのに敵からのダメージのカンストが9999や99999である場合もあり、後半の敵の大ダメージ攻撃にはHPカンストとか関係がなくなってしまう場合もある。
装備なしでの能力値と装備ありでの能力値が同じ数値でカンストする場合、能力値最大で能力アップ装備をつけて外すと能力値が下がることがある。また、レベルアップの能力値カンスト値とアイテム使用による能力値加算カンスト値が異なる場合、レベルアップで能力値カンストにしてからアイテムを使用すると得することがある。
ゲーム中に上限値を伸ばす手段が用意されていることもある。(ゼルダの伝説で財布や爆弾袋・矢筒が大きくなる、FFのダメージ限界突破アビリティ、テイルズで2周目以降の特典として各アイテム所持数が増える、スパロボで2周目以降の特典として改造段階が増えるなど。)
RPGの戦闘中では能力値の一時的な変化についてカンスト上限が通常時と異なる設定になっていて、通常のカンスト上限をオーバーできることが多い。
少し変わった例では、DQMJでは、通常でカンストしている能力値には戦闘中も補助魔法が効かないが、カンストしていなければ補助魔法が普通に効く。守備力カンストの999よりも998のほうがスクルトをかけて1000オーバーにできるので硬くなるのである。
カンストをしない場合
カンストのために数値固定などの対策を行わない場合、65535(11111111 11111111)2などの一定の値(多くは2の乗数-1)を越えると0(00000000 00000000)2に戻る、最大の桁の表示が数字以外のものに変化する(8→9→A→Bなど)などの振る舞いをする。スコアが最大を超えると0に戻ってしまうというのはスコアラーにとっては悪夢だろう。
それどころか最悪の場合、数値を符号付整数で管理していて、例えば体力が32767(01111111 11111111)2を超えるとオーバーフローで-32768(10000000 00000000)2に行ってしまい、この直後に「体力が0以下(MSBが1)=死亡」というような判定を食らう場合もある(初代マリオでの増殖し過ぎ、TORの攻撃力バグ、Wizでレベルアップしすぎてロストになる等)。
これを逆利用してHP回復でオーバーフローさせて大ダメージを与えたり(FFUSAのダークキング、聖剣3のブラックラビ、エストポリス伝記のエッグドラゴン等)、高額アイテムの大量購入で金額をオーバーフローさせて安く買ったり(FCDQ4のカジノコインバグ)することができる。逆に正の値だけ想定された数を計算上負の値にすることで『逆向きに一周』させ、通常あり得ない大きな数にさせたり(FE蒼炎の錬成バグ、FF4や5の投げる武器の増殖等)することも出来る。この場合は0でカンストしないといけない数値のチェックミスである。
数値がゲームデザイン的に加算の機会の上限(または減算の下限)が決まっている場合、(最初から数値の格納ビット数を間違えてない限り)オーバーフローは起こらないはずなので、カンストの処理を省略することはよくある。上記のバグの例はその上限下限の設定をミスした(あるいは意図的に設定しなかった?)せいである。
他にカンストをしない場合としては、オーバーフローと無関係に一定値になると数値を初期値にクリアするものもある。代表的なものとして、コイン100枚で残機が1増えてコインは0枚になるなどのパターンが良く見られる。
最終面をクリアすると1面に戻る場合なども、ステージ数をカンストしていないと言える。ステージ数をカンストすると、(ゲームオーバーになるのでなければ)最終面をクリアしてまた最終面になるため、製作者がそれを良しとしなかった場合の意図的なものである。2の乗数(256など)の面をクリアして1面に戻るようにしたい場合、オーバーフローをわざと放置してループさせることもある。
ニコニコ動画におけるカンスト
ニコニコ動画に搭載されてる@ボタン機能のカウンターがストップする事態がおきている。
カウンターの上限が999までなので、カンストがおきた場合、新たに@ボタンを用意する対応がなされている。
コメント数も動画の長さによって異なる上限のカンストがあり、この場合新しいコメントがくると一番古いコメントが消える。
関連動画
関連項目
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