カンピロバクター(Campylobacter)とは、グラム陰性らせん菌の一属である。キャンピロバクターとも。
概要
2004年の時点で17菌種6亜種3生物型が確認されている。食中毒の原因菌として知られるカンピロバクターだが、そのうち95%以上がC. jejuniであり、数%がC. coliによる感染症である。菌は牛、豚、鶏などの家畜や野生動物などの消化管に生息している。
微好気性であり、増殖には酸素が必要で3~5%程度の酸素濃度で最も増殖するが、空気の酸素濃度では死滅する。低温にさらされると休止期となり、芽胞ほどではないが耐久性が上昇し、空気中でも長期生存が可能になる。
わずか100個ほどの菌数でも食中毒を引き起こすほど感染力が高い。十分に加熱されていない肉が原因となることが多く、中でも鶏肉によるものが大半を占める。毒素型ではなく感染型の食中毒であり、潜伏期間が~7日間と長いことも特徴である。
症状
発熱、下痢、血便、嘔気・嘔吐、腹痛、倦怠感などといった症状であり、他の感染型食中毒と特に変わりはない。
なお、感染から数週間たってから筋肉の麻痺が起こるギランバレー症候群を発症する可能性があるので注意が必要である。
予防・対策
低温環境ではある程度生き残ることもできるカンピロバクターであるが、加熱には弱いため、肉を調理する際には中心部までしっかり加熱することが重要である。厚生労働省は中心部を75℃以上で1分間以上加熱するよう注意喚起している。また、鶏肉をまな板の上で切った後に別の食材をまな板の上で切った結果、その食材にカンピロバクターが移って感染したケースもあるので、他の食品と調理器具を分ける、肉は最後に切るようにする、しっかり手を洗浄するなどの対策が必要である。
また、鶏刺しは当然ながら非常にリスクの高い料理である。宮崎県や鹿児島県では独自の基準を設けているが、それでもリスクを低下させることはできるが完全に防ぐことはできない。
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