カンボジア語 / クメール語とは、オーストロアジア語族のモン・クメール語派に属する言語である。
概要
現在のカンボジア人口のうち9割ほどが使用している言語。タイやベトナムなど国外での話者を合わせると、おおよそ1500万人程度が話している。クメール語とも言い、こちらの方がかたくない場面で使われることが多い。
古くからインド文化の影響を受けているため南インドの文字に起源を持つ独自のクメール文字を用いている。語彙がほとんど単音節か2音節という特徴を持っており、文法も孤立語なので語順以外にあまり覚えることがないため、発音と文字が鬼門だと思われる。
文字体系
詳しくはクメール文字の記事を読んでくれ。
音韻体系
前舌 | 中舌 | 後舌 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
短 | 長 | 短 | 長 | 短 | 長 | |
狭 | i | iː | ɨ | ɨː | u | uː |
半狭 | e | eː | ə | əː | o | oː |
半広 | ɛː | ɔː | ||||
広 | a | aː | ɑ | ɑː |
長二重母音 | iə | ei | ae | ɨə | əɨ | aə | uə | ou | ao | ɔə |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
短二重母音 | ĕə | ŭə | ŏə |
子音
唇音 | 歯音 | 硬口蓋音 | 軟口蓋音 | 声門音 | |
---|---|---|---|---|---|
破裂音 | p (pʰ) | t (tʰ) | c (cʰ) | k (kʰ) | ʔ |
有声破裂音/入破音 | ɓ ~ b | ɗ ~ d | |||
鼻音 | m | n | ɲ | ŋ | |
流音 | r l |
||||
摩擦音 | s | h | |||
接近音 | ʋ ~ w | j |
子音自体は数が少ないのだが、まず有気音と無気音の区別、音節末の末子音の区別、二重子音の区別と実はいろいろややこしかったりする上に、同じ音を別々の文字が対応していたりもするので結構難しい(逆にここさえ乗り切れば後は簡単)。
文法
この原則は厳密なものなので、述語との位置関係が重要な要素となる。つまり述語の前に会ったら主語であり、述語の後ろに会ったら目的語なのである(もちろん言わなくてもわかる場合は省略されるが)。
そのため例えば明日カンボジアに行くは、ស្អែកទៅស្រុកខ្មែរ។(明日+行く+国+カンボジア)となるのである。
そのため述語も位置で決まるので、例えば英語のSVCのように主語の状態を表したいときも、形容詞を動詞のように術後の位置に置くだけでいいのだ。さらに言えばこの原則さえ守っていれば述語を複数個使うこともできる。
「AはBです。」という文章もBの名詞を述語の部分に置くだけで完成である。なお名詞もよっぽどのことがない限り単複を区別したりすることはない。
ただし気を付けなければいけないのは文頭には必ず主題が来るという原則も存在することである。
一応人称代名詞は以下のようなものがある。
私 | 私たち | あなた(男性) | あなた(女性) | 彼、彼女 | 彼、彼女、他人、人々 | そいつ、やつ | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ខ្ | យើង | លោក | លោកស្រី | គាត់ | គេ | វា |
ただし動詞を変えて時勢を表すことはほとんどないが、完了はហើយを動詞の後に、受け身はត្រូវを動詞の前に、使役はឲ្យを動作をさせられる人と動詞の前に、といった具合に単語の組み合わせで表現する。これは仮定や比較においても同じである。
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関連項目
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