カーウェンズベイバルブ(Curwen's Bay Barb)とは、推定1687年生まれの馬で、ジェネラルスタッドブックの第1巻に記載されている102頭のサラブレッドの始祖種牡馬のうちの1頭である。
概要
まずヘンリー・カーウェンという一人の男の奇妙な人生の話をしよう。カーウェン家はカンバーランド・ワーキントンホールにある牧場を代々経営していた。代々敬虔なローマ・カトリック教徒で、スコットランドのメアリー女王や、その息子のジェームズ1世とも交流があったという。カーウェンは優秀な繁殖牝馬ヴィントナーメアを基礎繁殖牝馬として競走馬を生産していたが、17世紀後半になると議会法によりカトリック教徒の競走馬所有を禁じられることになった。カーウェンは友人のチャールズ・ペラムにヴィントナーメアの子を預け、亡命していたジェームズ2世を頼ってフランスに渡ることになった。そしてカーウェンが1698年にイギリスに戻るときにイギリスに持ち帰ったのがフランス王ルイ14世から贈られたカーウェンズベイバルブとトゥルーズバルブだった。この2頭は元々モロッコ王イシマエルがルイ14世に贈ったものだが、フランスでは近代競馬はまだ興っていなかったので宝の持ち腐れだったし。
カーウェンズベイバルブはヴィントナーメアの孫世代を含む多くの牝馬に種付けされ、9号族(ヴィントナーメア族)、12号族、18号族などの基礎繁殖牝馬に影響を与えた。また、根幹種牡馬ヘロドとマッチェムにもカーウェンズベイバルブの血が入っている。
俗説にはオルコックアラビアンの父がカーウェンズベイバルブとも云われているが定かではない。
カーウェンズベイバルブは38歳まで生きたと伝わっている。
父系は早くに滅んだが、1978年に発表されたアイルランドのマホンとカニンガムによる「馬の遺伝に関する研究報告書」によるとカーウェンズベイバルブの遺伝的貢献度は5.6%で、これはゴドルフィンアラビアンの14.6%、ダーレーアラビアンの7.5%に次ぐ第3位の数字である。(バイアリータークは4.8%で第4位。)
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