概要
カードバトルとは、オンラインゲーム全般のゲームジャンルのひとつ。カードやイラストで表現されたキャラクターの収集を目的としたゲームの通称。
この記事で扱う"ゲームデザイン(ゲームの内容、ルール、システム…の設計)"の分類は、メディアとコミュニティ共にこれといった呼称は定着してなく、類似した内容であっても「カードコレクション」「カードRPG」「〇〇カードゲーム」…等と様々な表記や呼称が用いられている。参考として、辞書サイトのIT用語辞典バイナリでは「カードバトルRPG」という表記で該当するゲームの解説が記述されている。 本記事における「カードバトル」という表記はあくまで解説のための便宜上のものであり、名称や分類を定義付けるものでは無いということを留意しておいてください。 |
ゲームタイトルによって異なる部分もあるが、概ね以下のような内容で構成されている。
- カードという名称や図式で表現されたゲーム内キャラクターの収集や育成がゲームプレイの中心。
- キャラクター収集や育成、アイテムやゲーム内通貨等収集のための戦闘を行うゲームパート、テキストを読み進めるノベルゲーム風のゲームパート等がある。
- 戦闘はPvP(プレイヤー対プレイヤー)ではなくPvE(プレイヤー対ゲーム環境)形式。他プレイヤーとの対戦やCo-opは無くシングルプレイが基本。一部に非同期型の協力要素が導入されている。内容はターン制のRPG風の戦闘やマッチ3パズル等で構成されており、カードRPGやカードパズル等と呼ばれている。
- ゲーム内でカードに稀少値(レアリティ)が設定されている。リーダーボードや収集キャラクター一覧の設置、ゲームの進行度合よる他プレイヤーとの競争。
- F2Pとマイクロトランザクション(基本無料と課金サービス)形式での配信運営が一般的。
- カードないしキャラクターの収集や育成がゲームプレイでありメインコンテンツであるため、基本的にはゲーム内通貨およびマイクロトランザクションによる"対象キャラクターの購入"は導入されていない。カード作成や収集のスキップ、ランダムでゲーム内のキャラクターが提供される"ガチャ"等のマイクロトランザクションが導入されている。
このようなゲームデザインは2008年以降にSNSのMySpaceやFacebook上で配信された「Mafia Wars」が最初期の例であり発祥元であるとされる。日本国内では後年の2009年に、ほぼ同じゲーム内容(クローンゲーム)の「怪盗ロワイヤル」が当時の携帯電話端末向けのブラウザゲームとして登場した。今日のスマートフォン向けゲームアプリや、ブラウザゲーム向けタイトルのカードバトルゲームは、2010年に配信が始まった「ドラゴンコレクション」が概ね原型になっていると考えられる。その名称からも後年のタイトルへの影響が伺えるだろう。
ゲーム内のカードないしキャラクターの収集という構成から、登場するキャラクターそのものがメインコンテンツでもあり(いわゆるキャラゲー)、メディアミックス展開を前提としたもの、既存の漫画作品やアニメ作品を題材にした版権タイトル、既存のゲームシリーズのスピンオフタイトルが多い傾向にある。
カードバトルはカードゲーム?
コミュニティの一部では、"カードという表現"やコレクタブルアイテムという点からなのか、山札と手札を用いて一対一の対戦を行う「対戦型カードゲーム」と比較されたり、ときには同一のものとして解釈されている様子も散見されるが、先に解説したカードバトルの内容は全くの別物であることがお分かりいただけると思う。(そもそも、カード収集という要素以外の内容はRPGやパズル等、タイトルによってバラバラである)
一方で、Wikipedia(日本語版だけではなく英語版等含む)のあるカテゴリーページでは、「MtG」や「遊戯王」、「Hearthstone」や「シャドウバース」のような対戦型カードゲームも"カードを題材にしたゲーム"という意味の括りで、「艦隊これくしょん」と同じジャンルとして扱われている。
本記事では、題材や絵的な表現という分類ではなくゲームデザインの解説を行い、加えてニコニコ大百科上の「カードゲーム」「トレーディングカードゲーム」「オンラインカードゲーム」の記事の解説と分類を踏まえて、便宜上で"カードで表現されたキャラクター収集がメインコンテンツであるビデオゲーム"のみを区別して"カードバトル"という分類、表記として扱います。
カードバトルゲームの一例
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- カードバトルゲームのコミュニティで呼ばれている(?)プリペイドカードを揶揄した言葉。
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