カール大帝とは、ゲーム『Fate/EXTELLA LINK』に登場するサーヴァントの一騎である。
サーヴァントについては、サーヴァント(聖杯戦争)を参照。
概要
本作における純粋な新規サーヴァントの一人。衰え知らぬ巨躯を誇る王者の英霊。威風堂々の聖なる王たるルーラーのサーヴァント。そして同時に神聖帝国を率いて月の新世界たるSE.RA.PHに侵攻してきた大敵でもある。
作中の人物からは“大帝”と呼ばれ、天声同化(オラクル)を用いて次々と多くのサーヴァントやNPCを配下へと加え、更にそうしたサーヴァントたちや攻勢プログラムだけではなくシャドウサーヴァントや複製サーヴァントを戦力としている。その金色に輝く威容は、さながらトランプにおけるハートのキングが屈強な肉体を得て実体化したかのようで、一人称もそれに相応しく“余”。
それもそのはず。彼こそがそのモチーフとして知られ、西欧世界統一という覇業を成した神聖大帝、カロリング朝フランク王国のカール大帝その人なのだから。
何事に対しても堂々とした姿勢を崩さぬ英傑の中の英傑。故に、断じて苦悩することも迷いを見せることもなく、目的に向かって邁進する揺るぎなき意志と冷静な判断力の持ち主。
敵に対しては一切の呵責なく、なおかつその攻撃の手を緩めないリアリストだが、味方に対する姿勢は一転して寛容そのもの。それは作戦失敗の咎を「勝敗は兵家の常」として問わず、またドレイクや李書文のように自ら自陣に加わった者に対しては同化を用いない、といった形で見受けられる。このため、自らを過去未来現在において神に次ぐ広き愛を持つと豪語する。そんな彼の今のところ判明している好みのタイプ:金髪碧眼の美少女。
その彼の最終的な目的は、世界を救済するべく自身の手で普遍の愛を与えることにより普遍の平和をもたらすこと。これが意味するものとは、自らをムーンセルと同化させることで月の新世界に生きる全ての生命に"天声同化(オラクル)"を施すこと。これにより実現する世界とは、自分と神=世界のみが存在する永劫の平和と完全な平等が実現した世界に他ならない。その目的だけ見るならば、危険極まりない人物に映ることだろう。(なお、ルーラーのサーヴァントであるのに強固な願いを抱いている点から、初公開時点で怪しまれていたのは今は昔)
だが、味方への優しさは無論のこと、平和への渇望は本物そのもの。むしろ、己の行いが愚かしいことも自覚しており、そして人の身には余りある理想を背負っているその痛ましい姿は、時として敵対している者たちからすらも同情されるほど。
その一方で、どこか孤独を恐れているかのような言葉を零すこともある。実際、アストルフォたちの同化失敗の報を受けた際は、やはり割り切っているとはいえ、どこか惜しんでいるかのような様子を見せている。また、自らの声に導かれたという幼い少女の姿のアルテラに対しては、どこか親愛の情めいたものを向けており、この時の彼の一人称も“私”へと変わっている。そして、彼女への呼び方も「姉上」となっている場合も・・・・。
“ヨーロッパの父”とも呼ばれることもあって、様々な呼び名が存在するが、中でも一番よく知られたものがフランス語読みの“シャルルマーニュ”(ちなみに、彼の登場デモにおけるアルファベット表記はドイツ語読みである“Karl der Große”)。当然ながら、両者の間に浅からぬ因縁が存在するが・・・・?
セイバーとして召喚されたシャルルマーニュが戦士としての全盛期である若き日の姿に「シャルルマーニュ伝説」という虚構たる“幻想”の側面が反映されているのに対して、このカール大帝は人類史に刻まれる程の功績を残した王としての史実に基づく“現実”の存在。
加えて、カール大帝という英霊がサーヴァントとして召喚された場合、呼び出されるのは遍歴の聖騎士ではなく、神聖大帝たるこのカール大帝である。だが、本来のカール大帝というサーヴァントは“幻想”と“現実”が混在した存在だという。つまり、彼もまたイレギュラーな存在であり、そしてシャルルマーニュ同様にこの大帝も二度と召喚されることはないという。そんな彼が平和や救済を求めているのも、かつて血で血を洗う修羅の時代を生きていた頃、とある遺跡にて邂逅を果たした一人の少女の孤独に触れたことで、彼女のために平和な世界を築き上げようと願うようになる。また、同じく孤独の中を生きてきた彼にとって、その少女は血の繋がらない姉とも呼べる存在となった。
かくして、一人の男は人斬り庖丁を持たされて戦場に立たされているひとりぼっちの女の子を救うために、非情なる現実に戦いを挑む。“幻想”を切り捨ててまで、救済と平和のために戦い続けた男の真の願いとは―――。
もし、主人公のサーヴァントとして共に戦うことになったのならば、初めの内はその若さ故に侮ったり自身の愛を受け入れられずに思わずショックを受けたりすることだろう。しかし、段々と主人公の在り方を認めるようになり、そして次第に素の部分を見せるようになってくる。そんな彼のやや大雑把かつ若干フリーダムな言動から、やはり大帝が彼であることを実感することだろう。
とりあえず、たまに不審者に見える場面があったりするのは、多分気のせい。
能力
- 身長・体重:195cm・110kg
- 属性:秩序・善
- 出典:史実
- 性別:男性
- ステータス
筋力:B 耐久:A+ 敏捷:C 魔力:C 幸運:A+ 宝具:A+ - スキル
対魔力:EX 魔術に対する抵抗力。規格外(EX)クラスの対魔力を持つ彼を『魔術』に分類されるもので害することは不可能と言える。 真名看破:C 「ルーラー」のクラススキル。直接遭遇したサーヴァントの真名・スキル・宝具などの全情報を即座に把握する。隠蔽能力を持つ相手には幸運判定が必要。 神明裁決:B 「ルーラー」の最高特権。召喚された聖杯戦争に参加している全サーヴァントに対して、2画まで令呪を行使できる。他のサーヴァント用の令呪を転用できない。 カリスマ:B 超自然的、または常人を超える資質により、周囲または個人に自らの影響を与える能力。Bランクであれば国を率いるに十分な度量。 大帝特権:A+ 本来所有していないスキルを短期間獲得することができる。効果は「皇帝特権」と完全に同一だが、自己申告によってスキル名だけが変化している。 典礼改革:A 集団および支配地の機能を向上させるスキル。教皇レオ3世によって西ローマ皇帝の地位を与えられたカール大帝は、教区を骨、修道院を肉、ローマ典礼を血液とした神政政治を展開し、文化及び経済の発展を導いた。 聖王:A 「魔性」及び聖人系以外の「神性」スキル所有者への特効。
トップサーヴァントに比肩する実力の持ち主であり、最終的にはムーンセルによって召喚されたトップサーヴァントの過半数を軍門に降すほど。戦闘においては、手にした大剣を得物とする他、徒手空拳による戦闘もこなし、時としてあらゆるアタッチメントを装備することも。曰く「宇宙プロレスの帝王」とのこと(腰に巻かれているベルトはチャンピオンベルトを意識している様子)。まさしく秘密格闘結社RULER!故にシャルルマーニュと比べればパワフル全開な戦闘スタイルであり、色々な意味でインパクト抜群。
- ジュワユーズ・クルクス
手にしたジュワユーズによる縦回転斬りと横回転斬りにより発生した十字の剣閃を前方に放つ。 - インペルフェクトゥス・アウクトリタス
召喚した巨大なアーム状のアタッチメントを装着した状態での三連撃を振るう。 - 言祝げ、神は天にあり(ジュワユーズ)
ルーラークラス特性付与スキル。自身を中心に聖剣ジュワユーズの力を小規模解放し、爆発を発生させる。ドライブスキルにおいてもこれが用いられている。 - 神の鉄槌
アーム状のアタッチメントを装着した状態で飛び上がり、これを地面に叩き付け放射状に地割れを起こす。 - 守護者の帰還
召喚した砲台による砲撃。 - カロルス・パトリキウス・ディミッテ
同化ウィルスを放出し、敵をスタン状態にする。 - ジュワユーズ・ポエナ
聖剣ジュワユーズに聖なる魔力を纏わせ叩き付ける。更に大爆発を起こし追撃する。
天声同化(オラクル)
カール大帝の持つ「カリスマ」のスキルが、月の世界に存在し続ける異物「異星鍵(モノリス)」によって強力な同化能力へと変異した異能。
一人一人に直接赦しを与えることで属性変化、精神改宗を行う霊基汚染。これによってあらゆるものを同化・隷属させることが可能。
これは単なる洗脳とは異なり、同化された者の価値観や本来の性格などは変化しない(例:相手の心の在るがままを受け容れるカルナ、大砲ぶっぱでご満悦な某聖女など)。ただし、その言動は明らかに同化を迫ってきているので判別は可能(作中でも同化されたサーヴァントの肉体から禍々しいオーラのようなものが放たれている)。
そんな悪辣とも言える能力だが、その同化を成立させる条件は「相手が同化を受け入れることに同意もしくは賛意を示すこと」という非常に緩いもの。そのためか、効き目もサーヴァントによってはマチマチであり、場合によっては戦闘不能による解除も可能。この二人だけだったら昔の家電呼ばわりできたのに。
また、消耗は激しくなるが同化に抵抗し切ることや、仮に同化されてもルーン魔術などの技能で意識だけ保つことも可能。そして、精神干渉系の能力であるため、これに耐性のあるスキルを持つ者には通用しない。
宝具
ジュワユーズ
カール大帝の第一宝具。
聖剣としての伝説を持つ王権の証。ただし、その“伝説”は後天的に付与されたものでしかない上に、とあるスキルを所持していないために、その真価を発揮することはできない。
ただしそれだけであり、カール大帝の主武装としては十分すぎるほどの威力を発揮している。
漢字表記はおそらく、アクティブスキルにも用いられている「言祝げ、神は天にあり」と思われる。
カロルス・パトリキウス
「私の力が増大していく・・・・!同化と拡大が、終わることはない!」
「もっと・・・・もっとだ!巨大に、より巨大に!」
カール大帝の第二宝具。別名「機動聖都」。
自動拡大型巨大要塞。カール大帝の電脳体を覆う鎧であり、機動聖都領域そのものでもある。防衛機構としてカール砲なる微妙なネーミングの兵器や複製サーヴァント製造工場を備えている。この製造工場を稼働させるために、捕らえたギルガメッシュやジャンヌ・ダルクを生きたまま動力としている。それにしてもこのAUO、楽しそうである。※実際はギリギリです。複製サーヴァントの生成だけならばこれだけで十分だが、同化を潤滑に進めるためには本来の三基の稼働が完全な形であるらしい。その三基目の動力としてアルトリアが狙われていた。
なお、パトリキウスは本来、ローマ及びイタリアの守護者へと与えられる称号である。
聖なるかな、今こそ威光が地に満ちる(カロルス・パトリキウス・アウクトリタス)
カール大帝の第三宝具。機動聖都の奥の手であり、彼が戦闘中に切り札として用いる宝具。
巨大要塞の最奥に鎮座する祭壇を攻撃形態へと大変形させ、あらゆる敵性体を一掃する。
ものすごくわかりやすく言うと、巨大ロボに変形します。
別名「カールロボ」。
そのビジュアルは、カール大帝をまんまメカメカした外見にしたようなものであり、大帝がアクティブスキルなどで装備していたアタッチメントはこのロボのパーツを用いたもの。また、全ルートの最終決戦において、これに搭乗した大帝と必ず対決することとなる。でも何故か四つん這い。
大帝が切り札とするだけあって、その威力は凄まじいもの。巨腕による薙ぎ払いや砲撃にビームなど、その攻撃手段は多種多様。これを打倒するには、カールロボの魔力炉を破壊する必要があるが、そのためには装甲にて守られている両腕の外部のコアからそれぞれ破壊しなければならない。
ちなみに、これを初めて目の当たりにしたシャルルマーニュは思わず「カッコいい」という感想を漏らす。やはり何だかんだ言っても、根は同じということだろう。
カロルス・パトリキウス・ディミッテ
カール大帝の第四宝具。別名「最後の審判(ウルティム・プロパテール)」。単に「ウィルス」あるいは「同化ウィルス」とも。
異星鍵の力を得て、サーヴァントのみならずSE.RA.PHの全電脳体を一度に同化することが可能。ただし、この場合一挙に同化できるのは全体の六割程度。残りの四割は意識を維持できないという。そのため、カール大帝は当初この手段による同化を避けようとしていた。だが、主人公やシャルルマーニュの予想を上回る奮戦を前にして、第四宝具発動を決意することに。
なお、アクティブスキルでも同名のスキルが存在するが、ジュワユーズと違ってこちらは何故か漢字表記無し。
関連動画
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関連項目
出演作、生前関連及び因縁ある者たち
- Fate/EXTELLA LINK
- カール大帝 ←史実の彼自身
- シャルルマーニュ(Fate)←“幻想”の側面の自分
- アストルフォ(Fate/Apocrypha)←“幻想”の自分に仕える者。
- ブラダマンテ(Fate)←同上
- セイバー(Fate/EXTRA)←正統なるローマ皇帝。そして愛を叫ぶ。
- レオナルド・ビスタリオ・ハーウェイ ←曰く西欧財閥は自身の後継らしい。
- アルテラ(Fate/Grand Order)←同じ孤独の中を生きた血の繋がりのない姉にして、自身が救いたい存在
神聖帝国に属する者たち
- キャスター(Fate/ZERO)←実は同化されていない。
- カルナ(Fate/Apocrypha)
- バーサーカー(Fate/EXTRA)
- アサシン(Fate/EXTRA)
- ライダー(Fate/EXTRA)
- ライダー(Fate/stay night)
- ダレイオス三世(Fate)
- スカサハ(Fate/Grand Order)
- バーサーカー(Fate/ZERO)←クラブのジャックのモチーフ
- ジャンヌ・ダルク(Fate/Apocrypha)←複製工場の動力。第三ルートにて配下に。そして口説く。
- ギルガメッシュ(Fate/stay night)←複製工場の動力。以上。
- アルジュナ(Fate/Grand Order)←第三ルートにて同化。
彼に比する英傑たち
- ライダー(Fate/ZERO)←九偉人の一人。クラブのキングのモチーフ。自身が下戸(※史実です)なので若干チキン対応
- カエサル(Fate)←九偉人の一人。ダイヤのキングのモチーフ
- ダビデ(Fate/Apocrypha)←九偉人の一人。スペードのキングのモチーフかつナンパな同類項
- セイバー(Fate/stay night)←九偉人の一人。実は割と似た者同士。そして求婚。
- セイバー(Fate/prototype)←上の別の世界線における存在
- ヘクトール(Fate)←九偉人の一人。ダイヤのジャックのモチーフ
その他
- 岸波白野 ←敵対者。マスターとなることも。
- 衛宮士郎 ←似た者同士
- シロウ・コトミネ ←似たような理念の持ち主
- セミラミス(Fate/Apocrypha)←似たような巨大空中拠点宝具の使い手。
- アヴィケブロン(Fate/Apocrypha)←似たような巨大宝具の使い手。
- 聖帝
- メカエリチャン←巨大ロボそのもの
- 空中要塞
- ロボ
- プロレス
- ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト「団体は?おもな活動区域はどこでいらっしゃるの!?」
- マルタ(Fate)←聖女にしてステゴロのルーラーinサマー。
- シャーロック・ホームズ(Fate)←バリツ使いのルーラー。
- ケツァル・コアトル(Fate)←ルチャ使いのルーラーinウィンター。
- ナンパ
- フリーダム
- 父を名乗ろうとする不審者/父を名乗ろうとする不審なおっさん
- サーヴァント(聖杯戦争)
- TYPE-MOON関連の一覧
「いと浄き、だが平凡な月のマスターよ。
姉上(アルテラ)を・・・・・・頼む・・・・・・。」
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