概要
「ガイアポリス(GAIAPOLIS) ~黄金鷹の剣~」とは、1993年(平成5年)にコナミから発売された
アーケードゲーム。ジャンルはアクションゲーム(ACT)。
ストーリー、世界観、ゲームシステムなど、RPGの体裁をとったアクションRPG。全17ステージ。
発売当時は、ストリートファイター2に端を発した対戦格闘ゲームが大ブームであった。
この作品がそのトレンドから外れたジャンルであった事もあって、
ムーブメントにこそならなかったものの、美しいグラフィック、シンプルながらも壮大なストーリー、
荘厳なフルオーケストラ調のBGM、斬新なゲームシステム、ステージ毎に異なりながらも
違和感なく馴染む世界観などに惹きこまれたプレイヤーは多かった。
第2ステージのボスが初心者の壁となるほどの強敵であった事や、
ある程度やり込んだプレイヤーでないと難しい操作方法が攻略のカギであった事もあり、
稼動当初でプレイしなくなった者も存在したが、それだけに、後半から終盤にさしかかった
上級者プレイヤーがいると、その背後にはギャラリーができる事が多くなっていった。
特にノーコンティニューでラスボスに到達したプレイヤーのギャラリーの多さは尋常ではなかった。
彼ら上級者のプレイを観て、一度は離れていった者たちも再びプレイするようになった。
しかし、ゲームの仕様上、当時ブームだった対戦格闘ゲームに比べると
インカム効率の悪さは如何ともしがたく、稼動後わずか数ヶ月で撤去するオペレーターが続出。
この作品はその真髄を世に知らしめる事があまりできぬまま、表舞台から消えていった。
現在では、全国のわずか数店で、レトロゲームコーナーの中の1台としてプレイできるのみである。
ストーリー
ザハーク帝国のキングダークネスが呼び出した邪神・モルドレッドの「天空の劫火」によって
祖国・アヴァロンを焼き尽くされたジェラード=ハイマルス皇子が、竜大公ガラハッドや
半妖精エレイン=シーとともに、キングダークネスを倒す為にガイアポリスへ向かう旅に出る。
行く先々で現れる“炎の騎士”なる者に導かれ、ガイアポリスへ到るのに必要な、
世界じゅうに散らばる3つの鍵―――クアールゥ、ズー、ビーン―――を手に入れようとする皇子たち。
しかし、それらの鍵が隠された各都市は既に帝国の攻撃によって陥落しており、
帝国軍の強力な騎士たちが、鍵を守りながら皇子達を迎え討とうと待ちかまえていた・・・。
システム
1 使用キャラ
・ジェラード=ハイマルス皇子〔プリンス〕
今はなき平和の国・アヴァロンの皇子。
このゲームの主人公である。それなのに、プレイヤーから本名で呼ばれる事が最も少ない。
彼を「パーン」と呼ぶのは、この業界では禁忌である。
プレイヤーキャラとしてはオールラウンダーであり、攻撃範囲も広く、ダッシュ突きのリーチも長い。
操作性でクセがないのが長所といえる。
だが、他の2キャラに独特の攻略法が存在する場面で、プリンスならではの苦労をする事も多々ある。
竜人国からの追放者。
3キャラ中、もっとも影の薄いキャラ。「追放者」に関するエピソードがゲーム中になかった事が惜しまれる。
プレイヤーキャラとしてはザコ敵に特に強く、ドラゴンっぽく「なぎ倒す」ようにゲームを進める事ができる。
連続攻撃が1セットで7ヒットもあり(プリンスは4ヒット、フェアリーは5ヒット)、各ヒットの間隔も短いので、
高度な操作を要求される事が比較的少なく、扱いやすい。
一方、身体の大きさから敵の攻撃や体当たりを受けやすく、敵の誘導や攻撃の避け方に苦労する場面も。
妖精シー族の最後の生き残り。
3キャラ中で唯一の女性キャラ。その外見や声から、プレイヤーに高い人気があった。
プレイヤーキャラとしては3キャラ中で唯一、防具を持たずともガードをする事ができる。
これまた3キャラ中で唯一、会心の一撃(攻撃力は通常の8倍)を2連続ヒットさせる事もできる。
前方への攻撃のリーチも長いうえ、身体の小ささから敵の攻撃や体当たりも受けにくい。
しかし、ダッシュ攻撃は攻撃判定の先端と自身の食らい判定が近接しているゆえに
敵への体当たりをしやすく、反撃も食らいやすくなってしまう。
ちなみに、このキャラの武器はトンファーだが、連続攻撃の最後に蹴りが出てくるからと言って
「トンファーキック!」などと叫んだりはしない。
2 操作方法
- レバー 8方向移動。上下左右の4方向にレバーを2回素早く倒すとダッシュ攻撃。
また、レバー1回転で回転斬り(プリンス・ドラゴンは時計回り、フェアリーは反時計回り)。 - Aボタン 攻撃。押しっぱなしでガード(フェアリー以外の2キャラは盾を入手しないと不可能)。
- Bボタン 傭獣攻撃。もう一度押すと傭獣を手元に呼び戻せる。
- Cボタン 魔法攻撃。
3 ステージ構成
全部で17ステージ存在するが、一度ですべてのステージを踏破する事はできない。
これは「第5ステージ→第6ステージ→第8ステージ」「第5ステージ→第7ステージ→第8ステージ」
「第5ステージ→第8ステージ」といった3つの進行パターンが存在する為である。
- STAGE01 AVALON(アヴァロン)
- STAGE02 NEOMOSK(ネオモスク)
- STAGE03 TOLAN(トーラン)
- STAGE04 1ST KEY(第1の鍵の都市)
- STAGE05 MAHARISHI(マハリシ)
- STAGE06 KOBEN(コーベン)≪一定条件を満たさないとスキップされるステージ≫
- STAGE07 NEOMOSK(ネオモスク)≪一定条件を満たさないとスキップされるステージ≫
- STAGE08 BRANMUTE(ブランミュート)
- STAGE09 DARK CORRIDOR(暗黒回廊)
- STAGE10 2ND KEY(第2の鍵の都市)
- STAGE11 ALEISTA(アレイスタ)
- STAGE12 ATLANTICA(アトランティカ)
- STAGE13 LOS(ロス)
- STAGE14 3RD KEY(第3の鍵の都市)
- STAGE15 HIGHWAY(ハイウェイ)
- STAGE16 GAIAPOLIS(ガイアポリス)
- STAGE17 LAST BATTLE
4 傭獣
道中に落ちている宝箱を開けると、中に卵が入っている場合がある。
この卵を入手すると、傭獣(ようじゅう)とよばれる小型の生き物をお供にできるようになる。
この傭獣を操って敵を攻撃したり、落ちているアイテムを回収したりする事ができる。
なお、傭獣にも体力が設定されている。敵の攻撃を食らうと体力が減り、ゼロになると死んでしまう。
傭獣の体力はプレイヤーキャラの傍で待機させておく事で回復できる。
卵の色によってゴブリン(青)、ローリン(茶)、ガルーダ(紫)と3種類の傭獣に分かれ、
攻撃方法や移動方法にそれぞれ異なる特徴を持つ。
卵を入手するとライフが1ゲージ分回復し、ライフゲージが1つ分増える(最大5ゲージまで増える)。
異なる色の卵を入手すると、傭獣もその色に応じたものに変化。複数の傭獣を同時に従える事は不可能。
5 魔法
道中に落ちている宝箱を開けると、中に水色の宝石が入っている場合がある。
この宝石を入手すると、魔法を使用する事ができるようになる。
魔法は全部で7種類存在する。入手した宝石の数で変化するが、魔法のストックは1種類1回分のみ。
使用した後は再び宝石を入手してチャージする必要がある。
- メガアース(Mega earth) 宝石1個
- アイスウルブス(Iced wolves) 宝石2個
- シュバルツ(Schwarz) 宝石3個
- スターボウ(Star bow) 宝石4個
- ライトニングソード(Lightning sword) 宝石5個
- ドラゴンレーザー(Dragon laser) 宝石6~8個
- 黄金鷹の魔法≪通称。正式名はナシ≫ 宝石9個~
6 パワーアップ
≪レベルアップ≫
スコアがそのまま経験値として扱われ、一定の数値に達するとレベルアップする。
レベルアップすると、ライフゲージ・攻撃力・防御力が少しずつ増加する。
ゲームスタート時はスコアが0でレベルも1。最大レベルは30。
スコア(経験値)は敵を攻撃したり得点アイテムを入手したりする事で上昇する。
敵キャラを倒さずとも攻撃をヒットさせるだけでスコアが入る(打ち込み点)。
その為、攻撃力の低い状態で何度も攻撃を続けるとレベルの上昇スピードが上がる。
≪武器・防具≫
ゲーム中であちこちに隠されているのを見つけたり、特定のイベントをクリアしたりする事で入手できる。
武器を入手すると攻撃力が上昇し、敵に与えるダメージ量も増大する。
防具を入手すると防御力が上昇し、敵から受けるダメージ量を減少させる。
また、入手する事でガードできるようになり(フェアリーだけは防具なしでもガード可能)、
攻撃を受けた場合のダメージ量を更に減少させる事ができる。
ちなみに、ゲームタイトルの副題となっている「黄金鷹の剣」とは、
主人公・プリンスが装備できる、最強の武器の名前である。
黄金鷹の名がついた装備品は他にも存在し、プリンス・ドラゴンが装備する最強の防具として「黄金鷹の盾」、
フェアリーが装備できる最強の防具として「黄金鷹の首飾り」がある。
7 コンティニュー
他のゲームと同様のクレジット投入によるコンティニューの他、アーケードゲームには珍しい
パスワードコンティニュー(カタカナ6文字)も設定されている。
これは、オールクリアするだけでも1時間近くかかるうえ、難易度の高いステージや強力なボスが存在し、
上級者でないとタイムオーバーになるケースもある為、長く楽しんでもらう為に導入されたシステムである。
1度ゲームオーバーになっても、ゲームオーバー画面に表示されたパスワードをメモしておく事で、
後日にそのパスワードを入力して、前回ゲームオーバーになったステージのスタート地点から、
使用キャラ・装備・レベルをそのまま引き継いでプレイする事が可能となっている。
(傭獣や魔法は引き継がれず、また卵や宝石を取得しなければならない)
これにより、途中でゲームオーバーになってばかりのプレイヤーも先のステージを楽しめるようになっている。
BGM
≪サウンドトラック≫
「コナミ・アミューズメントサウンズ’93・・・夏」
キングレコード(KICA-7616~7617) 1993年(平成5年)8月21日発売
余談
- この作品の開発に2年の歳月が費やされた。
- ゲーム中で使われる「ライトニングソード」「ドラゴンレーザー」は、1990年(平成2年)にコナミから発売された
縦スクロールシューティングゲーム(STG)「トライゴン」の自機・スーパー戦闘機のボンバーから流用された。 - プレイヤーキャラの1人・エレイン=シーは、1998年(平成10年)にコナミから発売された
対戦格闘ゲーム「バトルトライスト」に、タイムリリースで使用可能となるゲストキャラとして登場した。 - 以前、「2ちゃんねる」のレトロゲーム板に、開発者の1人と推測される者がいろんな開発秘話を書き込んだ。
- 僅か6名のスタッフで制作された。
- CVは関西の劇団に当時所属していた無名の団員4名(男性3名、女性1名)があてられた。
それぞれ「プリンス・シルバーナイト等」「ドラゴン・ブルーナイト・キングダークネス等」「メタルナイト等」
「フェアリー・バルキリー等」を担当しており、レコーディング後に声の素材をデジタル変更して使われた。 - 以前、「mixi」のガイアポリスコミュに、Technouchi氏がコメントを残した(当時のアカウントは退会済)。
- スタッフロール時に流れるBGMは、オールクリアまでのコンティニューの有無で異なってくる。
- 今はなきアーケードゲーム専門誌「ゲーメスト」の姉妹誌である「コミックゲーメスト」で、この作品が
企画・キャラクターデザイン担当のShuzilow.HA氏によって漫画化されたが、
この漫画では、アヴァロンを滅ぼしたキングダークネスが、主人公・ジェラード=ハイマルス皇子の兄・
アルベルト=ハイマルスであるという設定がなされていた(ゲーム自体にそういう公式設定はない)。
関連動画
プレイ動画
BGM動画
アイドルマスターとのコラボ動画
パクリモノ移植版プレイ動画
関連静画
関連項目
- コナミ
- コナミデジタルエンタテインメント
- アーケード
- コナミ矩形波倶楽部
- プロフェット深見(深見誠一)
- むちむちぷりん聡子(宮脇聡子)
- テクノウチ/Technouchi(竹ノ内裕治)
- 山田章博
- Shuzilow.HA(濱川修二郎)
- トライゴン
- バトルトライスト
- 天空の城ラピュタ
- ロードス島戦記
- ゲームプレイ動画のプレイヤーの一覧
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