ガチャとは、以下のことを指す。
- カプセルトイの通称、および商標。 →単語記事「ガシャポン」の項目参照
- マイクロトランザクションの一種。ルートボックスの日本国内での通称。1.のカプセルトイが由来。
- 錠を開ける(鍵を回す)、扉を開ける(ドアノブを回す)表現に使われるオノマトペのひとつ。1.の由来元と考えられる。
- ゲーム「ロストプラネット」シリーズに登場するロボットの通称。詳しくは該当記事参照。
- ニコニコ内で活動している動画投稿者、生放送配信者のユーザーネーム。詳しくは生放送記事検索や動画タグ検索を参照。
その他、近年においてはランダムに何が出るか分からない運任せな事象の比喩として用いられる。
(親ガチャ・隣人ガチャなど) こちらは後述する。
概要
主にオンラインゲーム全般で導入されているマイクロトランザクション(課金サービス)の一種、対象のゲーム内に登場するアイテムがランダムで提供される抽選サービスの通称。
端的に言えば「何が出るか分からない」「何が出るかはお楽しみ」なサービスである。
発祥元はPC向けのMMORPG「メイプルストーリー」において2004年に導入された「ガシャポンシステム」である。この日本語版での名称の由来は先のカプセルトイであると考えられるだろう(後に上記商標がらみで「メイポン」に名称変更)。ちなみに英語圏や中国語圏で同様のサービスは「Loot box(ルートボックス)」「戰利品箱」等と"箱"に例えて呼ばれている。
こちらもまた、日本国内ではゲームタイトルの開発元や運営元によって「ガシャ」や「GACHA」…等、商標上の理由によって名称は様々である。記事名の"ガチャ"は本来NAVERの商標ではあるが、コミュニティ間では通称や総称としてこの呼び方が定着してもいる。バンダイナムコエンターテインメントは上記の「ガシャポン」の絡みもあってかもっぱら「ガシャ」あるいはそれにちなんだ名称にしている。
日本オンラインゲーム協会(JOGA)のガイドラインでは「ランダム型アイテム提供方式」と表記、定義されており、メディアやプレスリリース等では商標を避けてこちらの表記が使われていることもある。
引いてみた
特にガチャを引いて出る確率の低い希少なものは「レアアイテム」「レアキャラ」等と呼ばれやすく、近年においてはさらにHR LR SR SSR USR URといったレア度に枝分かれして表記される場合も多い。とりあえず「レア」とつけることでお得感を出してるのでは?と突っ込んではいけない。
特に希少なアイテムが出る場合、豪華な演出がされる場合も多々ある。
期間限定で当選確率が上昇したり、高額な代わりに確実に(種類は選べないが)希少なアイテムが手に入るといった変わり種のガチャもある。
ログインボーナスやゲーム内通貨、アイテム消費、イベント時など無料で引けるガチャもあるなど必ずしも有料とは限らないが、レアアイテムの有無や確率などは運営のサービス精神に委ねられる。無料ガチャには入ってないかもしれない。
ただしレアアイテム/レアキャラが出るまで多額の課金をしてまでガチャを引いたり、いくらガチャを引いても目当ての内容が出ない(→爆死)など精神的なダメージを受けるなど問題とされる場合もある。
もちろん引く以上は何かしらのアイテムは当たるのだが、物々交換などで勝手に取引されては運営の利益にならないため、レアなものは取引できかったり当選・開封・装備・使用した時点で他社へ譲渡不能になるといった処置がされる場合もある。
希少なアイテムが出ない
例として、課金したのに普遍なアイテムしか出ない場合など「レアアイテムが出ないじゃないか!」「レアなんて入ってないだろ!」「金返せ!」と叫びたくなるかもしれないが、ゲームの運営側も無料の慈善事業ではなくビジネスであると念頭に入れて引く必要があるだろう。
もちろん、いくらレア装備があってもプレイそのものが下手だとフルボッコに惨敗するので注意。
今だけ期間限定でレアアイテム当選確率10倍!(当たるとは言ってない)
その他
転じて、慣用句やネットスラング的な用法で、オンラインゲームやマイクロトランザクションとは全く関係無しに、ゲーム内でのランダム要素(例えば、RPGで敵を倒したときや宝箱から手に入るようなルートアイテム)が"ガチャ"と形容されて呼ばれていることもあるようだ。
ガチャの種類
提供形式や当選内容はゲームタイトルやサービスによって様々である。この項目では代表的な一例を解説する。なお、類型の形式内容でも商標上の理由で名称はゲームタイトルやサービス運営元によって異なっている。本項での名称表記は記事名に則って便宜上で"ガチャ"表記に統一したものである。より詳しい内容はゲームタイトルの該当記事やゲーム内の景品表示の解説を参照してください。
※この項を書いた筆者は各種ガイドライン文書やメディア、プレスリリース記事等を参考にしましたが、個別のゲームタイトルの詳細な内容には疎いので、内容が不十分、もしくは一部誤りが含まれている可能性があります。お手数ですが、各種ゲームタイトルの内容に詳しい方の加筆修正(主に具体例の紹介)を希望します。内容が充実してきたらこの一文はボックスごと撤去してください。
名称 | 内容と具体例 |
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一回の抽選につき一つの景品が提供される。抽選と景品配布はプレイヤーのみで行われるものであり抽選権と景品数に限りは無い。マイクロトランザクションとしての商品とは別に、ゲームサービスの利用に応じて無償で配布されるもの、ゲーム内通貨やポイント等と交換を行うサービスもある。1日一回限定で有償ゲーム内通貨で通常より安価で購入可能なこともあり、「おはガチャ」という通称で呼ばれる。 |
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特定の景品の当選確率を上げて抽選を行うもの。期間を限定して提供されることがほとんどであり、確率上昇の対象となる景品(以下、PU対象と表記)はその期間ごとに入れ替わる。中にはその期間でのみ提供される景品もあるため、ゲームをより有利に進めることが出来るPU対象をその期間で手に入れることが出来なかったユーザーは「○○難民」と呼んだり自称したりする。また。PU対象を予算内で獲得できなかったことを爆死と呼ぶこと多い。 ピックアップガチャが開催されるときは、ゲーム内のお知らせ欄やバナーにそのPU対象や提供されるアイテムが大きく表示されることがあるが、PU対象ではないのにあたかもPU対象であるかのように表示したり、実際に提供される景品の数より明らかに多く見える画像の表示は、優良誤認にあたるとして、実際に消費者庁に指摘された事例がある。 以前は、PU対象やその他の景品の排出される確率は非公開であったが、ここ数年では有償のゲーム内通貨を消費するガチャにおいて、確率を公開することがほとんど一般化している。これは、グランブルーファンタジーの「アンチラ事件」や星のドラゴンクエストの集団訴訟などがきっかけの一つとなった、運営の健全化の一環と思われる。ただ、確率が公開された通りに抽選されていないといった事例も少なからず発生している。(予告なく実装されたキャラ重複回避ロジック、景品排出のパターン化など) |
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一回の購入で複数の"通常ガチャ"を購入した扱いになり、一度に連続して抽選を行うもの。通常ガチャを個別に複数購入したときの価格よりも値引きが適用されたバンドル品。ゲームタイトルによっては上位景品の当選などの特典が付与されているサービスもある。
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同ゲーム内の通常のガチャの当選確率とは異なり、一定の上位景品や特定の景品が確実に提供されるもの。期間限定のイベント商品として提供されることも多い。
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繰り返し購入するごとに値引きが適用されたり、ゲーム内で利用できるポイントが付与されるもの。または追加購入の特典として上位景品の当選確率が上昇するもの。
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プレイヤーごとに対象サービス内での景品当選数が決められており、かつ当選数の状況を確認することができるもの。極端に例えれば抽選権(景品)の買い占めが可能なサービスである。 ほか、全ての抽選権を購入(全ての景品の当選)をした場合、特典として"ラスト賞"に該当する景品が提供されるサービスもある。
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Steam配信タイトルの一部で導入されている形式。"ガチャ"に該当するアイテムはゲームプレイに応じて全て無償で配布され、ガチャを開封(使用)するための”鍵”に該当するアイテムが有償で販売されている。 |
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過去に日本国内の特定運営元のゲームタイトルのみで導入されていたマイクロトランザクションの一種。ガイドライン文書では「ランダムで購入できる特定の2つ以上の異なるアイテムを全て揃えることを条件とした景品」と定義される。景品表示の法律に抵触していたため、2012年以降に全ての運用が終了している。
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ガチャを引くごとに特定のアイテムがたまっていき、それが一定数に到達すると特定の景品と交換が可能になるというシステム。天井が実装されていれば、どれだけ運が悪くても確実に対象の景品を入手することが可能になる。 原神のように天井のカウントをするアイテムを実装せずに、開催しているガチャの種類が切り替わっても、天井までのガチャの回数をカウントしている方式もある。 グランブルーファンタジーにおける「アンチラ事件」が実装のきっかけとなった。逆に実装されていないガチャのことは「青天井」と呼ばれる。
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ランダムな事象におけるガチャ
その他、近年においてはランダムに何が出るか分からない運任せな事象の比喩として用いられる。
親ガチャ、隣人ガチャ、健康ガチャ、就職ガチャ、上司ガチャ、時代ガチャ、政治家ガチャ、都道府県ガチャ、国ガチャなど様々。ガチャをつければ割と何でもガチャになりうる汎用性がある。
「ガチャなんて言い訳、甘えんな」という意見もあるが、運が悪すぎると毒親からの虐待やカルト宗教強制、ブラック企業、独裁国家で自由がない、一方的に理不尽な理由で搾取されたりトラウマが植えつけられる、果ては殺害されるなどもはや笑う余裕すらなくなるなど深刻である。
また、ガチャを引き直すことは基本的に容易ではない。
対策
現時点においては問題なさそうでも、実は異常・違法性のある状態である場合もある。少しでも違和感があれば複数の人に相談したり検索してみる、「これが普通」と親や上司に言われても、本当に正しいのかを疑ってみるのも非常に有効である。
(例)親から正しいと強制されていた宗教に従っていたが、実はどんでもないカルト宗教だった。
(例)給料の出ないサービス残業や有給休暇の不消化、ノルマの買取が当たり前だと教えられ、長年黙って従ってきたが、実は違法だった
就職ガチャなど転職という形で引き直すことはできるし、事前に現地を下見したり口コミなどを調べることもできるなど全く手がないわけではないし、親ガチャを失敗した子供がいれば児童相談所に虐待として通報する手もある。
未成年など、いつかアルバイトや就職活動というガチャを引くことになるが、情報収集を怠ったことでハズレしかない事が明白なガチャを引く場合もある[1]ので要注意。興味がなくても大事なものくらいは検索しておこう。
関連項目
- ガチャポン戦士2 カプセル戦記 / ガチャポン戦士3 英雄戦記 - カプセルトイで展開されていた玩具を題材にしたゲームソフト
- マイクロトランザクション / アイテム課金
- まったりのんびりぽかぽか温泉ガシャ
- もえガチャ
- ガチャは悪い文明
- ガチャ教
- 爆死
- 難民
- レアアイテム
- サービス
- 確率 / ランダム
- 親ガチャ
- 懲罰的損害賠償
脚注
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