ガデムとは、テレビアニメ『機動戦士ガンダム』に登場する人物である。CVは水鳥鐵夫。
概要
ジオン公国軍宇宙攻撃軍に所属する老士官で階級は大尉。高齢のため最前線には出ず、補給艦パプアの艦長として後方で補給任務に就いていた。初登場は第3話の「敵の補給艦を叩け!」である。
宇宙世紀0079年9月19日、ドズル・ザビ中将の命令により、サイド7潜入任務やホワイトベース隊との交戦でザクを喪失したシャア・アズナブルのムサイに補給を実施。
「赤い彗星が補給を欲しがるとはな。ドジをやったのか?」
ところが補給作業中にガンダムとコアファイターの襲撃を受け、母艦のパプアを撃沈されてしまう。だが歴戦の勇士であるガデムは愛機ザクⅠに乗り込み、手押しする形でザクⅡをシャアの母艦ファルメルに補給。補給部隊の意地を見せた。そしてパプアを沈めたガンダムに挑もうとするが、シャアから「やめろガデム!貴様のザクでは無理だ!」と言われるほど性能差は歴然だった。だがガデムは怯む事無く突撃。ガンダムから繰り出されたビームサーベルの一突きを回避し、「素人め、間合いが遠いわ!」とショルダータックルを喰らわせた。更に拳を叩き込もうとしたところで、ガンダムの驚異的な反応速度によって機体をビームサーベルで斬られ、戦死。しかし補給には成功し、彼は見事任務を完遂させた。
余談だが、TV版ではザクⅠはガデムの機体しか登場していない。
ガンダムレガシーでは
夏元雅人氏の著作「ガンダムレガシー」では、開戦前のガデムを主役にした短編が収録されている。
この頃からジオン共和国軍に所属し、ゴートンという男を盟友と呼んでいた。ゴートンはザクの開発に初期から携わっており、盟友が造り上げた旧ザクを駆って反乱軍の鎮圧に奔走する。
革命勢力支援の名目で0078年6月にサイド6へ進出。これが公式上のモビルスーツ初出撃記録となった。銃を向けたとたん、相手が降伏したため戦闘には発展しなかった。帰投後、ズム・シティの工廠でゴートンと談笑していると、彼が実家のキンツェムへ帰省する事を明かす。息子夫婦に子供、つまり孫が誕生し、戦争が始まる前に帰省しようとしていたのだ。こうしてガデムはゴートンと別れ、一人軍務に従事。その後、ラコック大佐に呼び出され、ドズル・ザビの推薦により補給艦の艦長を拝命する。ここで、キンツェムで不穏な空気が流れていると知らされる。
ガデムの悪い予感は的中した。サイド3キンツェムで反ザビ家を標榜とするクーデターが発生。反乱軍は大使館広場を占拠する。これを鎮圧するため。ガデムは旧ザクで出動。反乱軍がロケットランチャーを発射した事で突入を命じ、ザクⅡを従えつつ反乱軍の陣地へ踏み込んだ。モビルスーツの力は絶大で、反乱軍の戦車を破壊。鎮圧は順調に進んでいるように見えた。ところが……。
反乱軍が使っていた戦車がゴートンの家を破壊し、家族もろとも殺されていた。それをコクピットの中から確認し、衝撃のあまり硬直するガデム。動きが止まったところを戦車に攻撃されるが、ヒートホークで逆に破壊。反乱軍に投降を呼びかけ、クーデターは終息した。
雨が降りしきる中、盟友の墓前で補給艦の艦長になった事を打ち明かす。
「お前が作ったザクは、命を賭けてワシが戦場に届ける。だから安心して眠れ、我が盟友ゴートン――。」
その後、ジオン公国は開戦に踏み切った。この時には既にパプアの艦長に着任していたようだ。
関連項目
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