ガニシュカとは、三浦建太郎の漫画『ベルセルク』に登場するキャラクターである。
概要
クシャーン帝国の大帝。元々は東方の小国の第一王子であったが、王位のために自身の生命を狙う家族全員破滅させ、王座についてからも謀略と武力を駆使して周辺諸国を平らげて東方を統一し、地上最大の大帝国を築きあげたことから「恐帝」という異名を持つ。
尊大にして傲岸不遜な人物であり、自身を「王の中の王」と称して憚らない。
実際、残虐性が目につくが、それにふさわしいだけの才覚とカリスマ性を有しており、狂気に満ちた乱世の覇王というべき人物である。
元ネタは、インド~中央アジアを版図とした「クシャーナ(クシャーン)朝」の君主「カニシカ(カニシュカ)」か。
使徒として
実はベヘリットにて転生を果たした使徒である。しかし受肉した絶対者たるグリフィスの下に馳せ参じようとはしない。使徒の本能としてゴッドハンドに付き従う事に対して、神に寄り添い抱かれるに等しい誘惑を感じてこそいるが、それ以上に自分が力で手に入れた大帝国への執着が強く、「たとえ血塗られ汚れていようとも、この世界は我が物」と引き渡す事に強い拒絶感を覚え、あえてグリフィスとの敵対の道を突き進む。
まがいなりにもグリフィスとの敵対を選ぶだけあってその力は強大であり、霧のような使徒形態で物理攻撃を無力化するくせに自身は電撃で攻撃可能という理不尽な性能を持っており、並みの使徒が束になったところで相手にならない。
弱点として眉間に霊的な核があることだが、強い概念が付与されている攻撃でないと攻撃しても意味がない。より効果的な弱点としては強風の中では使徒形態を保てない事だが、意図的に強風状態を作り続けるなど使徒でもほぼ不可能なことである。
だが、一国の主人だけあって、自身がどれほど強くても戦争となれば軍の強さが重要ということを理解しており、グリフィスの戦魔兵(使徒の兵)に対抗するために東方の魔術師に公的立場を与える見返りとして、外法による魔獣製造にあたらせ、妖獣軍を編成している。
また使徒に対抗しうる人材の確保にも積極的で、かつてクシャーンの大地から追放されたバーキラカのような暗殺集団を召しかかえ、ガッツが生贄の烙印を刻まれた存在であると知ると自軍に加わるように勧誘した。彼らの力を評価していることもあるが、純粋にそうした強い執着心ゆえに人の領域にとどまりながら人間離れした力をつけていることそのものが「自分の支配する血塗られた現世にふさわしい」と好ましく感じるらしい。
しかし絶対者グリフィスの前に立ち、これらの力では対抗できないほど次元が違うと知った彼は、再転生によって幽界のさらなる深淵に向かい、魔王に等しい力を掌中におさめんとするのだが……
内心
彼が強い征服欲と残虐性の持ち主であるが、それは恐怖の裏返しである。
はじまりは幼少の頃に弟を王座につけたがった母親に毒を盛られたこと。生き延びるためにガニシュカは弟を暗殺し、母を絶望させ自殺に追い込んだ。その後も宮廷中の人間が第一王子に様々な思惑で近寄ってきては、利用しようとしたり暗殺しようとしてきたが、それらすべてに逆襲しながら大人へと成長していった。
そんなガニシュカに父親は猜疑歪んだ瞳で見ており、身の危険を感じた彼は事故を装って父親を暗殺し、王位を簒奪した。だが、父を殺しても小国の王になるだけであり、今度は周辺の大国がガニシュカの脅威となっていった。
恐怖したぶんの何倍も恐怖させねばならないと戦に明け暮れ、いつのまにやら自分の国は大国中の大国となっていた。しかしその果てにあったものはといえば、乱世の習いに従って娶った隣国の姫との間にできた息子が自分そっくりの恐怖と猜疑心の塊に育って叛逆してくるというもので、ベヘリットによって使徒に転生し生き延びたものの、恐怖しかない現世に絶望するには十分で、そこから目を背けるように征服欲を露骨にしていったのである。
関連項目
- 3
- 0pt
- ページ番号: 5565152
- リビジョン番号: 2701908
- 編集内容についての説明/コメント: