ガフラン(GAFRAN、形式番号:ovv-f)とは、『機動戦士ガンダムAGE』に登場する量産型モビルスーツ。
第一話から長きにわたって登場した。
機体解説
物語当初、人類の脅威となっていた正体不明の変形型モビルスーツ。
長きにわたる戦争が終結し、平和が訪れようとしていたA.G.101、突如としてスペースコロニー・エンジェルに出現しエンジェルを破壊した。この「天使の落日事件」以降も散発的に現れては、小規模のスペースコロニーや宇宙貨物船などを襲撃するテロ行為や威力偵察を繰り返していた。
機動力、攻撃力、装甲どれをとっても当時としては一級品のスペックを誇る。兵器技術を廃棄した地球側の技術では到底太刀打ちできず、地球連邦軍の主力モビルスーツ「ジェノアス」の装備では全く歯が立たなかった。
外観は藍の塗装も相まって鋭角的かつ有機的な印象を受ける。鎧を被ったような頭部には心電図のようなラインのカメラセンサーが搭載されている。この基本構造は以後の敵MSの基本となる。
尻尾と普段は腰部アーマーとなる翼も装備しており、これらと頭部アーマーを展開することで長距離航行を可能とする飛行形態「ドラゴン形態」に変形する。スラスターには光波推進システムを採用しており、燃費も非常に高く、重力下での空中作戦展開能力の大幅向上に一役買っている。その光波推進の紫の光と独特の飛行音を発して飛ぶ様は、AGEの敵モビルスーツの象徴となった。
武装は全て内蔵型。マニピュレーターは左右対称という珍しい形状をしており、手のひらに内蔵された武装、ビームバルカンが主要な攻撃手段となる。このビームバルカンユニットからはビームサーベルを発振させることも可能。
尻尾もついており、この尻尾は肩に担いだり腰溜めにすることで高出力のビーム兵器、ビームライフルとして機能する。こちらはどちらかというと対艦攻撃や遠距離支援で真価を発揮した。そのほかにも胸部に拡散ビーム砲を装備している。
その正体は火星移住計画の失敗で見捨てられた民による火星圏国家「ヴェイガン」が開発した地球進攻用モビルスーツである。
コロニー国家戦争時の超技術で建造されたMS、ヴェイガンギアとフェザール・イゼルカントが入手したコロニー国家戦争時の技術が収められた「EXA-DB」のデータを参考に開発・量産された。
当初、地球上に拠点を数えるほどしかもっていなかったヴェイガンにとって必要とされるのは長距離を航行できるMSで、ドラゴン形態に変形できるガフランはその用途にうってつけだったといえる。
ヴェイガンのモビルスーツのほとんどがドラゴンをモチーフにしているのは、ヴェイガン本国の強いドラゴン信仰があったからとされている(火星入植時の開拓用工作機械がドラゴン型だったことに由来する文化)。
第一部・フリット編のガフラン
当初は連邦軍モビルスーツを圧倒していたガフランであったが、A.G.115、連邦軍の起死回生の一手であるガンダムAGE-1の出現で状況は一変、高出力のビームダガーで滅多刺しにされてしまい、初の敗北を喫する。その後AGEシステムが開発したドッズライフルはガフランにも致命傷を与えるもので、量産モデルが幅広く普及するやガフランの優位性は徐々に失われていくことになる。
とはいえ、フリット編劇中では地球側兵器に対して終始優位に描写されており、フリット編最終話ではラーガン・ドレイス駆るジェノアスをあと一歩のところまで追いつめた。
また、通常兵器に対してはある程度の耐性を持つガフランではあるが、衝撃までは無効化できないようで、ドン・ボヤージのガラとラクト・エルファメルのエルメダのタックルにより地面にたたきつけられ、ダウンを取られるというシーンもあった。
第二部・アセム編以降のガフラン
A.G.140。アセム編ではヴェイガンが移動要塞ダウネスを拠点にするようになり、長距離航行の必要性が薄くなっていく中本機の需要も薄まり、より戦闘に適したMSドラドに主力MSの座を渡した。
とはいえ本機も改良を加えられながら前線で活躍していた。ソロンシティの戦闘ではアデルタイタス相手にほぼ互角のパワーを見せており、出力が上昇しているところを見せつけた(もっとも、これはアデルの搭乗者が実戦に慣れていない新兵というのも大きかったが)。
A.G.164。第三部・キオ編では流石に時代の流れについていけず、大部分は前線を引退しヴェイガン本拠地・セカンドムーンなどの防衛任務に回されている。セカンドムーンと要塞ラ・グラミスを舞台にした最終決戦では少数のガフランが確認されているが、力なく撃破されるシーンが多かった。
とはいえ、実に63年間以上も現役で活躍したのはさすがと言わざるを得ない(ガンダムシリーズでもこれほど長期に稼働したMSは数えるほどしかいない)。これにはEXA-DBを参考にした優秀な設計があるからとされている。
バリエーション
- 旧型ガフラン
- おそらくはガフランの先行モデルまたはプロトタイプと推測される。『機動戦士ガンダムAGE メカニック&ワールド』のMS系譜図にその名があるだけで詳細は不明。
- ガフラン(紫カラー)
- 隊長クラスの兵が登場するガフラン。ガフランLとも。第一話~第三話で登場。コロニー・ノーラに向かってコロニー・デストロイヤーを発射、ノーラを崩壊させた。
フリット・アスノ駆るガンダムAGE-1との戦闘ではドッズライフルの出現にも「当たらなければどうということはない!」とばかりに回避する巧みな操縦を見せるも、AGE-1に同乗していたユリン・ルシェルの助言もあり最終的には撃破される。 - ディオ・ガフラン
- PSP版ゲーム『ユニバースアクセル/コズミックドライブ』のクロスプレイ高難度ミッションにおいてガフランの代わりに登場するMS。カラーリングは胴体が茶色、翼部分はピンクのツートン。当然ガフランより高性能で、こちら側で使用することもできる。URYYYYYYとは言わない。
- 高機動型ガフラン
- ガフランの推進力を強化した機体と推測される。『機動戦士ガンダムAGE メカニック&ワールド』のMS系譜図にその名があるだけで詳細は不明。
- イヴァースシステム ガフランマーズフェザー
- 『機動戦士ガンダムAGE EXA-LOG』に登場する自律稼働MS。停戦後、フリット・アスノ主導のもと進められた火星環境改善プロジェクトで、EXA-DBとAGEシステムを使い構築された「イヴァースシステム」の核を担う。
イヴァースシステムとは火星開拓時に発生した有害物質が太陽風によって発生する磁気嵐によって巻き上げられ、衛星フォボスやコロニーに住む住民に襲いかかる現象「マーズ・レイ」を強力な磁気を発生させて防ごうというシステム。
宇宙天気予報に基づき強力な太陽風の発生が予報されると、無人MS「マーズフェザー」部隊が出動、広範囲に磁気を展開させマーズ・レイを抑止する。武装の類は廃され、耐太陽プラズマコーティングを兼ねた純白の塗装を施されたその姿から「天使のモビルスーツ」と呼ばれている。
関連項目
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