ガルパンはいいぞ単語

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ガルパンハイイゾ

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「ガルパンはいいぞ」とは、ガールズ＆パンツァー劇場版の未見者にどのような内容か説明を求められた際、見終えた人が話す言葉である。

概要はなくてもいいぞ。

……というだけでは大百科として沽券に関わるのでその経緯を掘り下げていきたいと思う。

発端を知るのはいいぞ

2015年は映画界にとって豊作の年であったといえる。

放映作品のリストを眺めれば、アベンジャーズ、ミッションインポッシブル、スター・ウォーズ、シンデレラといった巨大看板を背負った作品が現れ、大作がずらりと揃う。
邦画も原作付き実写映画をはじめ、まさに毎月話題作が来るという密度であり、“若者の映画離れ”とは何だったのかという魅力的なラインナップであったと筆者は振り返る。
しかし裏を返せば客の目がブクブクと肥えた年であったとも言え、それゆえに話題になる作品のハードルも高かったと言える。

そんな中、とある作品がtwitter等で長く話題となっていた。
MADMAX-FURY ROAD-（邦題：怒りのデスロード）である。

マッドマックスはいいぞ

6月に公開。リンク先でも触れられている通り、諸事情で10年もの難産の末に生まれた人気シリーズ。
なにせあの北斗の拳で描かれた世紀末世界の元ネタである。長年のファンも多い。
そんな特濃な経歴を持つ作品を見た観客が帰ってきたらいきなり口数が少なくなる、大雑把なことしか言えなくなる現象がそこかしこで確認されたのである。

当初は、「世紀末世界に浸るあまり知能指数が下がりきった結果、言語能力まで低下してる」とネタにされたのだが、

上映時間中途切れなく訪れる新たな危機
どんな危機でも果敢に、そして最善を尽くして対応してゆく
状況にそぐわない行動、ギャグなどは一切なく、テンポが崩れない
オープニングからエンディングまで高いテンションが途切れない。曰く「1カットが2時間ある作品」

…と、まさにアクション映画の良い所だけを抽出したようなエンターテイメント作品であった。
さながら“ラーメン二郎系だというイメージだったラーメン屋が王道で大当たりだった”と例える観客もいるほど。

その結果、良いシーンだけをピックアップできず、そしてネタバレを避けつつも布教したいという積もる思いゆえに多くを語れず、あるいは言葉を尽くすほど魅力が失せると感じてしまうために口数が減ってしまうのであった。
そしてそんな『見ればわかる』としか語らない評判に興味が出た人が新たな観客となり、その結果また口数が減った仲間が増え…を繰り返すこととなったのである。
その口数の少ない中に「～はいいぞ」という形のぼやけた言い回しがある程度見られ、今回の定型句の素地が生まれていたと思われる。ちなみに、公式のハッシュタグは「#マッドマックスやばい」であった。

GIRLS und PANZER　劇場版公開はいいぞ

マッドマックスの静かな熱気も冷めつつある11月末…ガルパンファンからすれば1年近い延期の末の劇場版公開となった。

ガルパン自身、『女子高生が戦車に乗って戦う』という荒唐無稽なオタク的足し算の作品という下馬評を覆し、深夜アニメ特有のお色気シーンが極めて少ないながら程よい青春パートと手に汗握る戦車戦が組み合わさった見ごたえ十分なアニメ作品であった。
そして蓋を開けてみれば上映時間2時間に渡ってテンポよく進むストーリーと満載の見どころという深夜アニメの劇場版といいながらも一本の映画として立つに値する作品であり、劇場を訪れた数多くを虜にしていた。
そして伝え尽くせないほどの多くの魅力を語るべくもなく、僅か一言を言うにとどめてしまうのである。

ガルパンはいいぞ

同時多発的に生まれたこのワードはネットの海を走ることとなった。マッドマックス以来の静かな熱気の再来である。（「また知能が低下したのか」と呆れられたりもしたが）
当然のことながら布教したくなるような魅力と語り尽くせず「見ればわかる」と言うしかないほどの密度が無ければ成し得ない偉業の一端としてこのワードが生まれたことは間違いない。
この大百科を読んだ貴方も、是非言う側になってみてほしい。ガルパンはいいぞ。

余談もいいぞ

公開直後の土日の2日間だけで8万人の動員と一億円もの興行収入。1か月では5億弱もの興行収入と、ファミリー向けでもない、映画界で著名な作家によるものでない作品としてはかなり強い数字を叩きだしている。
- 12月末の集計で13位に落ちた動員ランキングを年明け三が日の集計で9位まで順位を戻すなど粘り強さも併せ持っており、順位を追ってみるのも楽しい。
- なお、この週のランキングでベスト10入りしている他作品は、いずれも12月封切り組の錚々たる大作揃いである。そこに11月封切り組、しかも一度はベスト10落ちした非ファミリー向けアニメ作品がカムバックしてくるという時点で、如何に異例の事態であるかお判り頂けるであろう。
この手の人気作おなじみの爆音上映会であるが、立川シネマシティにおいてはアニメの音響チームが手ずから調整したプレミア設定となっている。
- その立川シネマシティで、スター・ウォーズの封切りに合わせて召し上げられたスタジオを、その週の動員実績でねじ伏せて奪還した。その翌週にはスター・ウォーズよりも一日あたりの札止め回数が多くなる有り様。
  さしものスター・ウォーズといえど完全アウェーでは分が悪かったか。
- 「コミケ2日目でも満員」　「正月三が日でもキャンセル待ち」という盛況ぶり。“プレミアなのは音響設定ではなく客席”といわんばかり。
やたらと男くさいプロモーションも異例というほどある。
本編のさわやか女の子な雰囲気とミスマッチしているように見えるが本編を知っていればこそ実はツボを押さえて需要に正しく答えているのがなかなか「いいぞ」と言いたくなるラインナップ。
- ガルパン応援大使にプロレスの蝶野正洋氏を起用。6歳の愛娘の勧めと、巡業で訪れた大洗の２つがハマるきっかけだったとのこと。　「ガルパンの良さについてしっかり観たうえで語ってくれている」
- 公式イメージソング集「タンソン　ミニアルバム」の参加アーティストが影山ヒロノブ、遠藤正明などヒーロー作品のそれ。
クリスマスに前後して大洗シーサイドホテルが施設にブルーシートを掛けたが、劇中での被弾個所と一致している。
- ホテル側は「改装工事のため（偶然の一致にすぎない）」としているが、巡礼者の多いアニメ聖地だけあって話題になった。
- でも、その年の年賀状は…やっぱり確信犯か！！
復習・予習のために近所のTSUTAYA（レンタルビデオ屋）に寄ったら呟いてしまう「ガルパンがないぞ」
「ガルパンはいいぞ」と言えているならまだいい。深刻化すると「ちょうちょ…」とかしか喋れなくなったり、「ドゥーチェ！ドゥーチェ！」と騒ぎだしたりする。
これをきっかけに自分の好きなコンテンツを慎ましく紹介するときに「～はいいぞ」というフレーズを添えることが流行る。
『あわよくば同志として引き入れたい』という下心をサッパリ味付けで出せるという点が評価されている模様。
公開後3か月目にして、4DXシステムでの追加上映が決定。4DXで上映できるのは日本に33館、そのうち30館での上映予定となっている。
- その後、なんと33館に上映決定。　パーフェクト4DX上映を達成することに成功する。