LM111E02 ガンイージとは、『機動戦士Vガンダム』に登場する架空の兵器。
『ザンスカール帝国』の侵攻計画を早くから察知し結成された反抗組織『リガ・ミリティア』が、帝国の軍事組織『ベスパ』のモビルスーツに対抗するために開発を進めていた、汎用量産型モビルスーツである。
ここではガンブラスターをはじめとするバリエーション機についても解説する。
概要
サナリィのF7系統やF90ⅢYなどをルーツにもつ汎用量産型モビルスーツで、宇宙世紀149年のV(ヴィクトリー)計画の発動後、リガ・ミリティアの主戦力となるべく、ヴィクトリーガンダムと並行して開発がすすめられた機体である。
完成したガンイージは、連邦軍のMSと比較しても格段の高性能を誇り、地上、宇宙空間と戦場を選ばない汎用性の高い機体となった。また、リガ・ミリティアは帝国や連邦軍ほどの大きな組織ではないため、性能を維持できる範囲で既存の軍用部品や民生部品も使われ、ジェネレータをはじめヴィクトリータイプとの共通部品も多く、パーツの調達がしやすくメンテナンス性の高い設計になっている。
ガンイージの開発にあたったのは、月のセント・ジョセフ市近郊の地下工場。フォン・ブラウン市に次いでルナリアンの勢力が強く、連邦政府の干渉が届かない地域である。リガミリティアの指導者たちは、ここを根城として決戦兵器となるMSの自主開発を行っていた。やがて、マルチプルモビルスーツの構想が生まれ、その生産プラントは地球上へも建設されるようになるが、その開発に力を貸したのは、かつてのサナリィの技術者だったという。
開発コードにあるEO2は、ガンイージがVガンダムよりも少し先に開発されていたという証明であるが、元サナリィ技術者の中にはザンスカール帝国のMS開発に手を貸している者もいたため(サイド2のサナリィ支社はザンスカールに接収されている)、機密漏洩を恐れてE01は廃プランと見せかけ、E02のガンイージの開発を進めたのではないかと云われている。
劇中では主に『シュラク隊』が搭乗し、生き残りは、のちにVガンダムヘキサに乗り換えていった。
ちなみに、『ガンイージー』ではなく『ガンイージ』である。(公式の出版物ですらたまに間違えている)
武装
- ビーム・ライフル
ヴィクトリータイプと共通のビームライフル。
基本設計はビームピストルと呼ばれる発射機からなり、出力増加バレル、マルチサイト、エネルギーユニットおよびパックといったデバイスによって構成されている。
リガ・ミリティアの使用するビームライフルには二つの種類が確認されているが、基部のビームピストル部分は同じパーツとなっており、機体同様に共用部分を多くして効率化が図られている。V1、ガンイージ等が使用するビームライフルに比べ、V2及びセカンドVが使用するタイプは出力が強化されており、多目的ランチャーも取り付けられている。
ライフルの新規開発を試みたのは、出力の低い連邦製ビームライフルをリガ・ミリティア戦術担当官が相手にしていなかったというのが実情とされている。
また、劇中の描写を見る限り本体から独立しての稼働ができるようで、この時代のビームライフルは、本体ジェネレータを使ってビーム兵器をドライブさせる必要は無いものと思われる。 - ビーム・サーベル
ヴィクトリータイプとは違う型式のようだが、基本的に連邦軍とリガミリティアの機体ならばどのタイプでも適合するようになっている。
また、右肩のサーベルラックにはサーベルではなくネット弾を搭載していた事もある。 - メガ・ビーム・バズーカ
過去に、サナリィのF90III-Yクラスターガンダムが試験的に使用していたものの量産型となる、サナリィ開発アナハイム生産の地球連邦軍の共用火器。
連邦が使用してるビームバズーカはハードポイントが単なる兵装ラックにすぎない仕様になっているが、リガ・ミリティアの使用しているビームバズーカは、外観こそ同じだが独自の強化発展型であり、ハードポイントに接続するコネクタとエネルギーパック容量に改良が加えられおり、クラスターガンダム同様、本体ジェネレータに直結させての使用も可能と考えられる。
リガ・ミリティアでは、ガンイージ、ガンブラスターに加え、ヴィクトリータイプも使用している。 - 2連マルチランチャー
左肩についている多目的ランチャーで、作中では実体弾を発射している。 - 頭部バルカン砲
頭部に二門された実体弾装備。モビルスーツの標準的な火器の1つ。 - ビーム・シールド
ヴィクトリーガンダムとは別タイプの、外付けビームシールドを1基装備。
そのほか、Vガンダムのオーバーハングキャノンを手持ちで使用したり、アインラッドを奪い取って使ったりもしている。
バリエーション機体
ガンイージ・プロトタイプ
プロトタイプは2機製造。 塗装はされておらず、ガンダリウム合金の地肌ままで各種テストが行なわれたという。 頭部バルカン砲やビームサーベル収納庫などの固定武装は装備されていなかった。
1号機はテストパイロットのジュンコ・ ジェンコと共にシュラク隊へ配備。その際に標準化改装が施され、量産機とまったく同じ武装・性能となった。同時に機体色もオリーブグリーンに塗り換えられた。
残された2号機は後に、いわゆるガンダムカラーに塗り換えられ、基本的な能力テストが続けられた。
ガンイージ・初期生産型
シュラク隊の結成に合わせて量産された機体。製造時より固定武装を持ち、6機が生産された。シュラク隊の隊長機であるジュンコ・ジェンコのガンイージは、プロトタイプからの改装機である。そのため、8号機は一時的にオリファー・イノエが搭乗したこともあるが、 後に部品取り用の予備機になったという。
ガンイージ・増備タイプ
コストの高いヴィクトリータイプに比べると、ガンイージの量産は積極的に進められた。
初期型との差はほとんどなく、外観ではリアアーマーに欠き取りが有るのが特色。
ガンイージ・後期量産型
強化型のガンブラスターの配備が開始されてからも、地球圏の部隊向けにガンイージの生産は続けられていた。塗装はガンブラスターと同色のカラーリングに変更されている。
現地改造仕様 ガンイージ・陸戦タイプ
地球圏に配備されたガンイージの中には、防砂や防塵のための改装を施した機体も存在した。
外観的には、インテーク、スラスターの各ノズルにフィンを追加したり、放熱グリルを変更したりするといった差がある。
これらの改装は、ほとんど現地の部隊によって加工されたものであり。開発コードによる区分には含まれない。
ガンイージ・陸戦タイプ・ブルーバード隊所属機
アフリカ戦線で活躍した、ブルーバード隊所属の陸戦型ガンイージ。全身が青く塗装されている。
LM111E03 ガンブラスター
ガンイージに、宇宙戦闘用のブースターパック、通称『ツインテール』を背部に取り付け、航続距離と機動力を強化した機体。 ツインテールはプロペラントタンクとスラスターで構成されたシンプルな強化パーツで、宇宙のみならず大気圏内での行動力も強化されている。
換装も容易なため、戦闘中でのツインテールの切り離しも可能。ガンブラスターの生産と平行してツインテール単体も生産され、既存のガンイージからのアップデートも行われている。 コニーなどのシュラク隊の生き残りや、MSの操縦を覚えたオデロやトマーシュが使用した。 本機にミノフスキーフライト等の浮遊装置が搭載されているという資料は無いが、劇中ではヴィクトリータイプに同行して空中を「巡行」や「静止」している描写がしばしば見られ、空中戦闘も難なくこなしている。
ちなみにガンブラスターには作品外に同名の機体が多く、SDガンダムに登場するガンアーマーの形態のひとつのガンブラスター、ゾイドのガンブラスター、ミニ四駆のガンブラスターXTOなどがよく話題になる。
ガンブラスター(ハリソン・マディン機)
機動戦士クロスボーンガンダム ゴーストに登場。
リガ・ミリティア『青い閃光部隊』所属の元連邦エースパイロット、ハリソン・マディンの駆るガンブラスター。機体カラーは彼の過去の乗機同様に青く染められている。
LM112E06 ガンスマッシャー
ゲーム 機動戦士ガンダム U.C. ENGAGEの設定に登場。
次々と投入されるベスパの最新鋭MS群に対してリガ・ミリティア側も戦力のボトムアップが求められた。マルチプルMSのV2ガンダムの開発には成功したがミノフスキー・ドライブの生産と実機調整が追い付かない為、ガンイージにV2ガンダム用に開発した増加パーツを転用して機体を改修するプランが策定される。
ベース機のジェネレーター出力のままでは追加ビーム兵装の使用が困難であった為、ミノフスキー・ドライブの一部技術を応用したオーバーテール・ユニットにジェネレーターを換装。しかし機体強度の問題が発生し各部にも改良を施した結果、ガンスマッシャーの姿へと帰結した。
LM112E07/08 アサルトバスターガンスマッシャー
アサルトバスターガンスマッシャーは改修プランの完成形であり、V2バスターガンダムと同様にバックパックには長距離支援用のメガ・ビーム・キャノンと、迎撃用のスプレー・ビーム・ポッドを装備。メガ・ビーム・ライフルの実用データから開発された高出力ビーム・ライフルを右腕に、左腕には強化型ビーム・シールドが装備される予定であった。
ホワイトアーク隊への配備が想定されていたが、戦局が目まぐるしく変わりエンジェル・ハイロゥ攻防戦の時期も早まった為、戦場への投入は間に合わなかった。
ビクトリーイージー
機動戦士クロスボーンガンダム DUSTに登場。
ザンスカール戦争時のヴィクトリータイプのコアファイターに、ガンイージの手足を継ぎ足した機体。V1とガンイージは互換性の多い機体なので、ミキシングMSながら性能は原型機からほとんど低下しておらず、169年の混乱期においては相当な高性能機ということになる。
コアファイターの機能も残されているが、一度分離すると戦闘中には再合体は不可能なようだ。(整備工場でつなぐことは可能)
ガンダッシュイージ
コミックボンボンの模型作例で、ザンスカール帝国の地球侵攻末期に月でガンイージの遠距離支援タイプとして作られ、V2バスターの支援機として出撃したという設定の機体。
ガンイージをベースに、Vガンダムヘキサの頭部アンテナ、ガンブラスターのバックパックにオーバーハングキャノンを設置。腰部にヴェスバー(ビームガン)と、手持ち火器にメガ・ビームライフルを装備している。
本編には存在しない機体だが、上記のビクトリーイージーを見るに、設定上でも実現可能な改造機と思われる。
関連動画
関連静画
関連項目
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