ガンタンク(GUNTANK)とは、以下の意味がある。
- 『機動戦士ガンダム』シリーズに登場する人型機動兵器(モビルスーツ/MS:MOBILE SUIT)。本項目で記述する。
- 1.に由来する陸上自衛隊の対空自走砲、87式自走高射機関砲の非公式通称。本来の公式愛称は「スカイシューター」。
概要
『機動戦士ガンダム』における、地球連邦軍V作戦試作モビルスーツの一つ。形式番号RX-75。
元々は頭部コックピットの砲手と腹部コアファイター操縦席の操縦手の二名で運用していたが、後にハヤト一名だけで操縦出来るよう、頭部コクピットに統合された。つまり本機のコアブロックシステムにはなんの意味もない。
劇中ではリュウ・ホセイとハヤト・コバヤシがメインパイロット。
下部コクピットにはジョブ・ジョンとアムロも乗り込んでいたことがある。
モビルスーツ技術の無い地球連邦軍のAMBAC等のモビルスーツ技術検証実験開発にAFV技術を基盤に開発された。二足歩行技術は使われず、AFV同様クローラー(履帯)が陸上の移動手段として採用され、下半身は戦車の様な姿をしている。宇宙空間ではロケット噴射[1]で移動する。
上半身は人型のため一応モビルスーツには分類されるが、その実態はほとんど戦車そのもの。
V作戦で同じく開発されたモビルスーツのガンダム、ガンキャノンと違ってビームライフル等のビーム兵器は装備しておらず、武装は肩部の120mm低反動キャノン砲×2と両腕の40mm4連装ボップミサイルランチャー(後述)と全て実弾火砲のみ。(さらにジェネレータ出力はザクより低い)
元が連携前提かつ、中・遠距離ガン振りの武装故、もちろんこんなナリでは接近戦・格闘戦は不可能であるが、劇中でザクレロ相手にパンチをしたことがある。
しかもコアブロックシステムのせいで胴体が回転しないという「戦車」というよりも「自走砲」がふさわしいと言われる具合。ぶっちゃけ61式戦車のほうがマシなんじゃ(ry一応、肩にフレキシブルショルダーというシステムを搭載していて、肘はあまり動かないがボップミサイルの射角が広いらしい。
劇場用長編映画「機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編」では登場せず、ハヤトはシリアルナンバー(機体番号)C109のガンキャノンに搭乗した。さすがに宇宙でキャタピラは…[2]
その見た目ゆえにジオン軍がつけた俗称は「タンクもどき」、「MSの出来そこない」。あんまりである。
安彦良和が描く「THE ORIGIN」では主力戦車として多数が登場した。が、MSの肩書きが外れた上についにRXシリーズからも格下げである。涙を禁じえない。
とはいえ、後述のように量産されてみたり後継機がいっぱいいたりと何だかんだで評価されているのかもしれない。単に自走砲としての需要かも知れないが。
ボップ?ボッブ?
40mm4連装ボップミサイルランチャーはパッと見ではそれなりに太い砲身の割に口径はたった40mm、
劇中では景気よく連射していて実質バルカン砲と同じ扱いの武装である。
ちなみにボップとは恐らく「bop(殴る・叩くを意味する英単語)」と思われる。敵に打撃を与えるミサイル兵器、といったところか。
プラモデルやロマンアルバムではボッブミサイルと表記されている。
(英語表記では40mm QUADRUPLET BOB MISSILE LAUNCHER)
「bob」だと人名の「ボブ」になってしまうので、恐らくこちらは誤記であろう。
さらに一部ゲーム作品では40mmガンランチャーとなっている。ガンランチャーとは通常の砲弾とミサイルの双方が発射可能な砲のこと。こちらだとミサイル以外の弾も発射できることになる。
量産型や後継機、MSV (作品名)
- RTX-44 (モビルスーツバリエーション/MS IGLOO2)
- 61式戦車に代わる新型戦車として開発されていたが、ジオンのMS開発計画に対応する形でRX計画に統合され、完成した機体。
- 機動性は61式戦車に劣るほど低かったらしい。
- この機体をリファインしたのが上記のガンタンクである。
- MS IGLOO2に登場するにあたってデザイン変更が行われている。
- RTX-440 陸戦強襲型ガンタンク(MS IGLOO2)
- RTX-44をより対MS戦向きに改修した機体。簡易的ながら2種類の形態に変形することができる。
- そのうちの突撃砲形態は機動性が非常に高く、ドムにさえ追随してみせた。
- 3機が実戦投入してダブデ級陸戦艇を破壊したが、結果的に全機大破している。
- そこ、普通のガンタンクよりかっこいいとか言わない。
- RX-75 量産型ガンタンク(機動戦士ガンダム 第08MS小隊)
- 存在意義の薄いコアブロックシステムなどを省略して生産された機体。
- 一般的な主力戦車(MBT)の旋回砲塔同様、砲塔の役目をする上半身の旋回を遂に実現した。
- 「量産型」の名称はあるものの、形式番号はガンタンクと変わらず、武装も同一。
- 劇中では終盤の10話「震える山(前編)」に登場。ジオン軍の秘密工場である岩山へ3機が支援砲撃作戦に参加。グフ・カスタムに搭乗したノリス・パッカード大佐の襲撃で2機はあっけなく破壊されてしまい、残る1機もノリスの命と引き換えに撃破されてしまった。この戦闘の際、ノリスには「タンクもどき」と呼ばれている。
- ノリスが優先して破壊したのは射程距離を恐れたから。離脱する艦の安全を確保することがノリスの目的であり、艦を攻撃できる能力がありそうなのがこの機体しか見当たらなかった。
- ノリス搭乗のグフ・カスタムとジオン公国軍の強敵としての引き立て役・ヤラレ役として登場した。
- ヒートサーベルを突き刺されて血飛沫のようにオイルを噴き出す様は強い印象を残すと共に、一部の視聴者にはトラウマを植え付けたとも言われる。
- RMV-1 ガンタンクⅡ(モビルスーツバリエーション/機動戦士Zガンダム/機動戦士ガンダムUC)
- MSVで設定され、後にZガンダムにも登場した機体。
- MSか戦車だか分からない本来のコンセプトから脱却し、純粋に戦闘車両として開発された。
- 武装も本家からだいぶ増えているが、その実力は映像作品では確認できず、Zガンダムに登場した際はいらない子としてジャブローで捨て駒同様に扱われていた。
- RMV-3M 局地制圧型ガンタンク(MSV-R)
- RMV-1ガンタンクⅡの改良型。車体前部にショベルが装備されており整地作業にも活用された。
- D-50C ロト(機動戦士ガンダムUC)
- 生産した会社が違うため厳密には関係ない機体だが、後述のR-44のルーツという点からここに紹介する。
- 可変型の兵員輸送用MSで、熱核反応炉の小型化のおかげで同世代のMSに比べてかなり小型になっている。
- コロニー内の戦闘においてNT用MSクシャトリヤと対峙し、ファンネルをネット弾で絡めて無効化するという手法で善戦するも、結局3つ目のファンネルの射撃が直撃して撃破されてしまった。
- RXR-44 ガンタンクR-44(機動戦士ガンダムF91)
- 主人公シーブック・アノーが暮らしていたコロニー・フロンティアⅣの戦争博物館館長、ロイ・ユングが引き取った機体。
- 元は上記のロトをブラッシュアップした機体であり、さらにこの機体自体が劇中時点で10年以上前の代物(しかもその時でさえ旧型)であったことから、基本設計は実質的に30年以上前の機体となる。ロートルどころの話ではない。
- 館長はこんなオンボロ機体を引っ張り出し、避難してきたシーブック達まで巻き込んで戦闘に参加しようとした。
- しかし、主砲を一発ぶっ放した時点で左側のキャノン砲が経年劣化で破裂、続いて右側キャノンもクロスボーン軍の機体に破壊され、館長は死亡。シーブックも友人の一人であるアーサーを失うことになった。
- この際彼が呟く「だってよ、アーサーなんだぜ…」という一言は「だってよ、○○○なんだぜ…」と言う汎用性の高さもあって、ファンから引用される事の多い隠れたガンダム名言の一つである。
- その後彼らがシェルターへ脱出するために使用され、さらにクロスボーン軍に攫われたセシリーを救出するためシーブックが単独で操縦するが、奪還はかなわずそのまま放棄された。
- 大河原邦男は本機のデザインを割と気に入っていたらしく、機動戦士ガンダムSEEDで登場したMS「ザウート」のデザインはこの機体がモチーフになっているらしい。
関連動画
またゲームキューブ用ソフト「機動戦士ガンダム 戦士達の軌跡」ではカーグラフィックス風にMSを解説(CV.古谷徹で)してくれるモードがあるのだが他MSの解説と比べて明らかにボロクソに言われている。
関連静画
関連項目
- 機動戦士ガンダム
- SF / アニメ
- ガンダム / モビルスーツ / 機動兵器 / 架空の装甲戦闘車両
- 地球連邦 / V作戦
- リボーンズガンダムオリジン(ガンタンクをモチーフにしたタンクモードに変形)
- ガンダムシリーズのMS・MAの一覧
- ハヤト・コバヤシ
- リュウ・ホセイ
脚注
- *バーニア・アポジモータの用語が宇宙空間移動の主推力としてガンダム世界では使われるが、宇宙工学用語的には適切ではない。
- *熟練パイロット不足の連邦軍において、第13独立部隊のエースパイロットの一人であるハヤトの技量に対して、ガンタンクの性能が釣り合っていないとの判断からだと思われる。ジムではなく、生産数の少ない貴重な高性能機であるガンキャノンが宛がわれた事で、ハヤトの技量に対する軍の評価の高さが伺える。ガンタンクは陸上移動の為のクローラーが宇宙空間ではAMBACとして機能しない為、下半身がデッドウェイトになってしまう。運用に当たっても、ガンタンク同様、実体弾火砲、180mm低反動キャノン砲一門装備する宇宙専用機ボールより優れた「対費用効果」(費用対効果 / コストパフォーマンス)が期待出来ない。故に、テストヘッドの役割を終えた後は宇宙戦に投入されず、地球上で運用されたのだろう。
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