行きたいとガンダムが言っている
ガンダムが言っているとは、アニメ『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』の登場人物シュウジ・イトウの口癖である。
概要
主人公アマテ・ユズリハ(マチュ)と行動を共にする赤いガンダムのパイロットであるシュウジ・イトウは何かを発言する際、「〜とガンダムが言っている」や「ガンダムがそう言っている」というように、あたかもガンダムが主張したい事を代弁しているかのような形で行う事が多い。
本人曰く「僕の願いはひとつだけ」とのことであり、それ以外の事は全てガンダムに委ねているということなのだろう。
しかし彼のマヴであるマチュはガンダムが喋るということに懐疑的であり、「シュウジが言っているだけ」と解釈している。
ガンダムが言っていること
第3話『クランバトルのマチュ』
- 「戦え」
シュウジが浮浪者生活の末に一文無しとなり、マチュからクランバトルに出て賞金を稼ぐよう誘われた際の(おそらくシュウジに対する)言葉。作中最初の「ガンダムが言っている」言葉である。 - 「逃げた方がいい」
初めてのクランバトルで勝利後、疲労困憊のマチュに対し取り締まりの軍警からの逃亡を勧める言葉。シュウジは複数の軍警機を撃墜しているお尋ね者であるため、軍警からの逃亡には手慣れていると思われる。
第4話『魔女の戦争』
- 「(地球に)行きたい」
シュウジが地球へ行くためのスペースクルーザー購入のために金を貯めているとマチュとニャアンに明かした際に「シャトル便なら1000ハイトあれば十分」と指摘されたことへの返答の言葉。後に「ガンダムは薔薇を探している」とも話しており、詳細は不明だがガンダムとシュウジが共に地球へ行かなければならない理由があるらしい。 - 「僕はまだ死なない」
クランバトルの対戦相手で、かつて赤いガンダムにマヴを撃墜されその復讐の機会を伺っていた連邦の撃墜王シイコ・スガイがバトル中「私のために死んで!ニュータイプ!」と叫んだのに答えるようにシイコの脳内に直接放った言葉。その言葉の通り、スポーツの域を脱した殺し合いの末にシュウジではなくシイコが命を落とすことになる。彼女が死の間際に見たシュウジのキラキラの中で彼の「願い」を知り、シイコは何故か微笑む。
第5話『ニャアンはキラキラを知らない』
- 「面白い」
とある事情によりクランバトルに参加できないマチュに代わりニャアンがシュウジのマヴを務めたバトルで、赤いガンダムの頭を掴み盾にするなど異常な行動を見せたニャアンに対しての言葉。モビルスーツにも被虐願望があるようだ。
第6話『キシリア暗殺計画』
- 「ありのままでいい 面白いのは大好きだ どっちのニャアンも好きだ」
前回のクランバトルで調子に乗ってマチュとシュウジに酷い事をしてしまったかもしれないと思い悩むニャアンに対しての言葉。マチュも偶々シュウジの隠れ家のドアの外で聞いていた。純粋にニャアンを気遣っての言葉だと思われるが、前述の通りマチュは「ガンダムが言っている」を全てシュウジの言葉だと思っているため、前回のクランバトルと合わせ3人の関係が拗れる原因となってしまう。
第7話『マチュのリベリオン』
- 「薔薇が目を覚ます」
ニャアンとシュウジがクランバトルを隠れ蓑にしたテロに巻き込まれ、彼らをテロの協力者と誤認した軍警に追い掛け回される中で放った言葉。この直後ごく小規模なゼクノヴァが発生し、シュウジはニャアンの目の前で何処かへ姿を消した。
真相
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「ここから先は話を最後まで観てからの方がいい」 と、ガンダムが言っている。 |
第11話『アルファ殺し』にて、ジオンの戦略兵器イオマグヌッソのコアパーツとして利用されていたオブジェクト「シャロンの薔薇」を解放したマチュは、イオマグヌッソによって引き起こされた巨大なゼクノヴァに呼応してか出現したシュウジの思念体に導かれて一年戦争時の赤いガンダムのパイロットのシャア・アズナブルと出会う。薔薇の中で眠り続けている、向こう側の世界から来たニュータイプの少女ララァ・スンがシャアを生かすために世界改変を繰り返していることに気付いていたシャアは、更なる世界改変を阻止するため、ララァを「この世界から排除する」と宣言する。同時にララァが「シュウジの大切な人」だと知ったマチュはシャアを阻止するために彼を追う。
そんな中、シュウジは本物のガンダム(RX-78-2)に乗り向こう側の世界から帰ってくる。「ガンダムが言っている」とは「1stガンダムが言っていた」ということだったとでも言うのだろうか?
最終話『だから僕は…』にて、ニュータイプ空間でシュウジはマチュに対し、
- 自分は向こう側の世界からやって来た存在であること
- ララァは自身を救ってくれたシャアの死への絶望から数々の並行世界を作り出し、「シャアが死なない世界」を模索していること
- しかしどの世界でもシャアはガンダムに討たれ、その度にララァの心は深く傷付き世界を巻き込んで壊されてきたこと
- ララァの絶望に向こう側の世界が巻き込まれて破壊されることを防ぐため、シュウジはその度にララァを殺し幾つもの世界を滅ぼしてきたこと
- この世界はそんなララァが初めて辿り着いた「シャアがガンダムに乗る事で一年戦争を生き延びる世界」であること
を怒涛の説明台詞で伝え、「もしララァがこの世界のシャアに拒絶されていると知れば彼女の心は壊れてしまう。だからララァが目覚める前に彼女を殺さなければならない」と告げる。
Let's get the Beginning.
から始まり、彼女を薔薇の元へ導いてきた謎のメッセージの数々だった。「ララァはそんなこと望んでいない」と考えたマチュはジークアクスと共にシュウジを止めることを決意する。
激しい戦いの中、マチュとニャアンの和解と共闘、シュウジのガンダムの巨大化を経て、ジークアクスに搭載された「向こう側から来たオーパーツ[1]」を使用し造られた特殊なサイコミュ装置「エンディミオン・ユニット」が遂に覚醒。マチュとジークアクスはシュウジのガンダムのメインカメラに肉薄する。再び入り込んだニュータイプ空間の中で、マチュはシュウジに対し「本当の自由を知るシュウジが自分の心を縛らないで」と伝える。それでもなお「ララァを守るにはこうするしかないとガンダムが言っている」と拒むシュウジに対し、エンディミオン・ユニット(CV:古谷徹)は語りかける。
それを聞いたシュウジは「誰だ?」と問う。
これまでガンダムの意思を真に背負って戦ってきたのはシュウジではなくマチュだったのである。喋るジークアクスに驚くシュウジの様子からして、おそらく彼は今までガンダムが話す声など聞いた事がなく、自身の願いと義務感と思い込みとに押し潰され、精神が摩耗しきった末に、他者から望まれている訳でも自分がやりたい訳でもない自らの所業を「ガンダムがそう言っている」からと正当化しているに過ぎなかったのだろう。
ジークアクスの操縦桿を握るマチュの手に、連邦軍の制服のような服を着た思念体の手が重なる。彼らがシュウジのガンダムのメインカメラを斬り落とすと、執念から解放されたシュウジとララァは再びゼクノヴァを起こし向こう側へと帰っていった。
全てが終わった後、地球の海岸でニャアンから「故郷へ帰らないのか」と問われたマチュは彼女に次の目的地を伝える。
いつかまた会えるってガンダムが言ってる
余談
「ジークアクスに『中の人』が存在する」という予想は作中描写から物語のかなり早い段階で視聴者の間でなされていた(赤いガンダムやジークアクス2号機「ジフレド」についても同様の予想がなされていたが、結果として前者には中の人などおらず、後者については予想を確定させる直接の描写が無かった)。
- オメガ・サイコミュ起動の可否が、搭乗者のニュータイプ能力の高低ではなく人格により左右されているように見える。最終話でエンディミオン・ユニットの正体が明らかになるまでは「JKしか乗せないモビルスーツ」扱いされていた
- マチュとシュウジがそれぞれ所持しているペットロボットのハロとコンチ(後にニャアンの手に渡る)のカラーリングが映画『逆襲のシャア』の主要人物たちのパイロットスーツとそっくりである
- マチュがカネバン有限公司から借りパクした一介のペットロボットに過ぎないはずのハロがやたらモビルスーツについて詳しい上に、周囲の状況や他者の感情を理解した上でマチュに対し的確なアドバイスの言葉を掛けることが多い。これに対し、一部視聴者から「ジークアクスの中の人がハロをスピーカーとして使っているのでは」という疑念が持たれた。
最終話でおそらくエンディミオン・ユニットが再び眠りに就いた後泣いているマチュに対し「ドコカイタイノカ ナイテ イルノカ」と人間の情感を解さない普通のロボットの発言に戻っているあたり、この疑念は正しかったのだろう。とはいえ、敵に囲まれて「ズルイ ズルイ!」と言ったり、マチュがシャアからシュウジへの恋心について指摘された際マチュと共に顔を赤らめるなど「彼」を想起させない言動をすることもあるため、本来のハロのAIによる発言も行われていたものと思われる - マチュを薔薇の元へ導く為にソドンの独房からモビルスーツ格納庫へ案内したスマホのメッセージの内容が、アニメ『機動戦士ガンダム』最終話『脱出』及び映画『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』にて炎上するア・バオア・クーからホワイトベース隊員たちを脱出させるために脳内に直接送られた「彼」の言葉に酷似している
- 第11話でジークアクスがジフレドを無力化する際、『逆襲のシャア』での「彼」を思わせる見事な巴投げを披露している
ネットミームとして
劇場先行上映版『-Beginning-』にてシュウジが初登場して以降、視聴者の間で語尾に「とガンダムが言っている」を付け加えて何でもガンダムが言っていることにするミームが普及した。
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言うまでもなく、ガンダムに言わせたところでサボタージュやセルフネグレクト、一方的な想いで相手を追い詰める行為などが正当化されることは無いので注意が必要である。
関連動画
関連静画
関連項目
脚注
- *「映画『逆襲のシャア』でνガンダムに搭載されていたサイコフレームの欠片がアクシズショック(ゼクノヴァと同等の現象か?)により並行宇宙に流出したもの」という説が一部ファンの間で有力視されているが、作中では明言されていない
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