ガンダムデスサイズヘル(XXXG-01D2 Gundam Deathscythe Hell)とは、アニメ『新機動戦記ガンダムW』及びその関連作品に登場する架空の人型機動兵器、モビルスーツ(MS)。
本記事では派生機である「ガンダムデスサイズギルティ」も解説する。
概要
Gundam Deathscyth Hell | |
---|---|
型番 | XXXG-01D2 |
設計者 | ドクターJ・プロフェッサーG・ドクトルS・H教授・老師O |
製造者 | 同上 |
頭頂高 | 16.3m |
重量 | 7.4t |
材質 | ガンダニュウム合金 |
武装 | ツインビームサイズ×1(TV版) |
ビームシザース×1(EW版) | |
バスターシールド×1(TV版) | |
バルカン×2 | |
ハイパージャマー×2 | |
ホーネット装備(EW版) |
OZに鹵獲され見せしめのため破壊されたガンダムデスサイズを、かつて5機のガンダムを建造した科学者たちが強化・再設計した機体。
機体名には一度破壊されたデスサイズが、『地獄(Hell)の淵から蘇った』という意味合いが込められている。
パイロットは引き続きデュオ・マックスウェル。
デスサイズの運動性と隠密性を保った上で、総合的な性能の向上が図られている。
そもそも、オペレーション・メテオにおける地上戦を想定していたデスサイズはスラスター推力の不足により、宇宙空間の戦闘に耐えうるものではなかった。このため、それらの宇宙用装備を付与することにより、さらなる運動性の向上が図られた。
また、追加装甲としてアクティブクロークを設けることで、防御力と同時に大気圏内での空力特性の向上も図られている。
火力面では、マシンキャノンこそオミットされたものの、要の装備であるビームサイズがより高威力のツインビームサイズ(ビームシザース)へと変更され、より“死神”の名に相応しい機体となった。
大河原邦男デザインのTV版とカトキハジメデザインのEW版の2種類のデザインが存在するが、基本的には同一の機体である。
ファイティングアビリティ(リーオーをオールレベル100として換算)
武装詳細(TV版)
- ツインビームサイズ
TV版デスサイズヘルの主力武器。その名が示す通り、ビームサイズの刃が2連となっており、これにより敵機のより確実な撃破(1枚目で装甲、2枚目でフレームを断つ)が可能となった。ビーム発生器の可動機構も継承している。
ビーム発生器の後部には増速用のスラスターが新たに設けられた。ツインビームサイズを振るう際に噴射することで、ガンダムデスサイズ以上の速度で攻撃を行うことが可能となっている。柄の伸縮機能も継承されているため、非使用時には腰部に装着することができる。 - バスターシールド
TV版の左腕に装備されるシールド。
構造に大きな変化は無いが、形状が棺桶を思わせるより禍々しい物となった。出力がより強化され、その威力はウイングゼロのツインバスターライフル(最大出力ではないと思われる)を相殺するほど。このとき直撃したバスターシールドがどうなったか不明だが、仮にもガンダニュウム合金製であり、バスターライフルに唯一耐性の素材で作られているので案外無事な可能性もある。
例によって射出後、いつ回収しているかは不明。最終話では使用後に回収されていないと思われる(非装備)描写がある。機体デザインにも言えることだが、極秘裏に改造修理した割に開発者の拘りが伝わってくる。 - バルカン砲
両バージョンとも頭部に2門内蔵される。唯一の射撃武装だが威力は低い。 - アクティブクローク(TV版)
上半身を覆うクローク(外套)状の可動式追加装甲。
6枚の追加装甲はそれ自体がガンダニュウム合金製であるため強度に優れるだけでなく、メリクリウスのプラネイトディフェンサーと同様の対ビームフィールドを形成可能。無論本体装甲と同様に隠密性を高める処理が施されているため、隠密性にも影響は無い。高機動戦闘時には前後各1対の装甲が展開し、悪魔の翼を思わせるシルエットを形成する。
閉所や要塞内通路では非展開状態で行動する(両腕を可動させられる形状デザインのため武装を使用し戦闘は可能)。ヒイロの戦闘データが入力されたMDメリクリウス相手にクロークを展開することで攻撃に用いたこともある。 - ハイパージャマー
デスサイズと同様の電子戦闘装備。基本性能がより強化されている。
TV版ではバックパックから伸びるハイパージャマーに加え、胸部に追加装備されたリブジャマー(胸部の肋骨状のパーツ)との相乗効果により欺瞞性能が強化されるという設定。EW版は両肩のパーツが増幅効果を担っている(媒体によってはアクティブクロークの赤いパーツとも紹介されている)。
ガンダムデスサイズヘル(EW版)
『Endless Waltz』におけるデスサイズヘル。デザイナーはカトキハジメ。
当初はプラモデルの商品名から「ガンダムデスサイズヘルカスタム」と呼ばれていたが、近年では「ガンダムデスサイズヘル(EW)」に統一されている。
デザイン変更で装備が減ったが、漫画『敗者たちの栄光』てホーネット装備として復活した。
推力は(宇宙用の調整だが)大気圏内で長時間ホバー移動が可能なほど。Gジェネなどゲームによっては飛行可能ユニットとして扱われる。
EW版での変更点
- アクティブクローク(EW版)
原理はTV版とほぼ同様だが、大型化されて前面の装甲のみが左右に展開するシンプルな構造となり、展開時のシルエットは蝙蝠を思わせるものとなっている。
5枚のユニットで構成され、胴体部を含むユニット間を繋ぐ可動フレーム(MGでは伸縮機構も追加)により、見た目以上に柔軟に動く。プラモデルでは当然ながら半開閉状態も可能。クローズ状態では腕を出すスペースがなく、推進器はすべてアクティブクローク内に設けられている。
劇中では出撃シーンと月をバックに登場するシーン以外では使用されていないが、最後のナレーションのカットでは片側だけ閉じた姿も見せている。ボンボン版ではユニットの1つが失われている。
なお、マントを羽織るような機構の都合上、脚部はある程度可動し、ゲームなどのメディア作品ではクロークを閉じた状態で蹴りを行ったりすることもある。 - ビームシザース
ビーム発生器がTV版より大型化され、意匠も太く無骨なものへと変化。ビーム刃の太さはTV版の二倍、つまりツインビームサイズと変わらないものとなっている。
ビーム刃の長さも「柄と同じ長さ」と改められ、シンプルに大型・高出力化された。HG1/144プラモデルのパッケージではビーム発生器の後部に放出口のような描き込みが存在するが、スラスターが存在するような設定は今現在ない。またTV版であった伸縮機能がなくなったため、通常はマニピュレーターで保持・運搬するしかない。
劇中ではこの武装一つでサーペント部隊を相手に死者を1人として出すことなく戦い続けた。この時、柄で倒れたサーペントを殴りつけて頭部を破壊しているため、柄自体の強度も高い。
戦闘を続ける中、徐々に出力が低下(不安定化)しているような過程を経て、最初で最後のエネルギー切れとなった。ボンボン版ではウイングゼロの到着前にエネルギーが尽き、最終的に喪失している。 - ホーネット装備(バスターシールド、ツインビームシザース)
漫画『敗者たちの栄光』版の追加装備の総称。
バスターシールドが復活し、左右の腰部に2基が追加装備されている。トラントが搭乗したウイングガンダムプロトゼロと交戦時に2基同時に発射し直撃させた。損傷らしい損傷は与えられなかったものの、ツインバスターライフルを弾き飛ばした。
ツインビームシザースはまた違った形でビーム発生器が増設されており、1つは鎌状に、もう一つは先端から従来のビームサーベルのように直線状に増設されている。そのため、鎌というよりハルバードのような形でビームが形成されている。攻撃範囲が上記二つよりも広くなっているのが特徴。
ガンダムデスサイズギルティ
模型企画『ティエルの衝動』に登場。
前大戦時にロームフェラ財団が開発を推進したガンダムデスサイズヘル(EW)の量産機である。
デスサイズの持つ高いステルス性を量産機に持ち込むために全身にプリズム粒子コーティングが施され、標的から見た角度でのみ、装甲の構成面レベルで自機の姿を完全に消す事ができる。
またアクティブクロークはサイドアーマーに装着されており、配色も異なっている。
作中では元OZのセミスが搭乗。ウイングガンダムセラフィムを強奪したティエル・ノンブルーを追う。
ガンダムデスサイズギルティカスタム
戦士の墓に墜落したデスサイズギルティがG-UNITシステムを利用し、緊急チューンナップを行った現地改造機。ハイドラガンダムの試験用パーツ(肩部遠隔操作ユニット)をサルベージして取り付け、射撃力も格段に向上した。
ガンダムデリンジャーアームズと激戦を繰り広げ、相討ち。パイロットのセミスも死亡している。
各種ゲームでの扱い
スーパーロボット大戦シリーズ
本来ガンダニュウム合金製MSは通常の機体とは比較にならないほどの強度を持った重装甲の機体なのだが、スパロボにおいては他のリアル系ユニットと同程度であることが多い。
デスサイズヘルはW系ガンダムの中では装甲は薄い代わりに運動性に優れ、最長射程こそ短いもののクリティカル率の高い武器を持つ。更に分身やアクティブクローク(作品によりIフィールド扱いであることも)を持つことから生存性が極めて高い。
このことから、対雑魚戦における切り込み役として適しており、作品によってはサンドロックやアルトロンが倉庫番扱いされることにも。近年ではサンドロックに補給装置を装備したり、アルトロンの最長射程が伸びたりと差別化されつつある。
Gジェネレーションシリーズ
作品にもよるが、基本的に原作通りビームサイズが主兵装となる。従って最長射程は当然短い。
格闘機にはデスサイズよりも射程が長い機体が多いので拘りが無ければ運用するのは難しいかもしれない。クロスレイズではEW版の最長射程がたったの2でシールド防御もなく、実はTV版よりも打たれ弱くなっている。(TV版は最長射程が3で、シールド防御が存在する。)特に格闘機はアルトロンやエピオン等の強力な機体が存在する為、EW版は増々辛い立場になっている。
ガンダムVSシリーズ
「ガンダムVSガンダムNEXT」ではTVが、「EXVSシリーズ」ではEW版が参戦している。また、「ガンダムEXVSマキシブースト」ではTV版のガンダムデスサイズヘルが復活参戦した。
いずれも格闘に重きを置いた性能となっており、アクティブクロークの状態で性能が変化する仕様となっている。
以下の記述はEXVSシリーズのEW版の詳細。
アクティブクローク使用時
コマンド入力でクロークを閉じて機体を覆っている間は敵の射撃攻撃を一定のダメージ分防いでくれる。代わりに攻撃が頭部バルカンと単発キック(前転しながら蹴りつける)、両形態共通のアルトロンガンダム呼び出しになるため、これだけで敵と正面から渡り合うのは困難になる。総じて守りを重視した形態。
アクティブクローク展開時
コマンドを入力して自分から展開するか、クロークの耐久限界を超えるダメージを受けると強制的にこの形態になる。戦闘開始時は必ずこの形態から始まる。この状態では壊れたトーラスを投げつけて爆風を起こしたり、ビームシザースからビームのカッターを発射する攻撃が使える。また、各種格闘性能もビームシザースをつかった強力なものになる。総じて攻めを重視した形態。
これら形態を行き来しながら、透明化して相手の誘導効果を無力化する(通常、若干追尾してくる敵の攻撃が追尾しなくなる)ハイパージャマーを駆使して、味方や相手の動き等から、プレイヤーに「押し引きのタイミング」の調整を行うクレバーな立ち回りと、「チャンスに一気に相手の懐に飛び込む」という大胆かつ繊細な立ち回りを求められる機体となっている。
余談だがファンからは作中のデュオのセリフを取って「死神」や、機体名を略した「デスヘル」などと呼ばれている。
関連項目
5機のガンダム(後期)
- ウイングガンダムゼロ
- ガンダムデスサイズヘル
- ガンダムヘビーアームズ改
- ガンダムサンドロック改
- アルトロンガンダム
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- アカツキ(MS)
- アクア・ジム
- アッザム
- アッシマー
- アドラステア
- アビゴル
- アプサラス(MA)
- α・アジール
- アンクシャ
- アーガマ
- R・ジャジャ
- RGM-79
- イフリート(ガンダムシリーズ)
- イモータルジャスティスガンダム
- インパルスガンダム
- インフィニットジャスティスガンダム
- イージスガンダム
- ウイングガンダムゼロ
- ウイングガンダム
- ボール(機動戦士ガンダム)
- 宇宙用高機動試験型ザクⅡ
- エビル・S
- F91
- エンデのガンダム
- カバカーリー
- カラミティガンダム
- ガザC
- ガザD
- ガ・ゾウム
- ガブスレイ
- ガルスJ
- ガルバルディβ
- ガンイージ
- ガンキャノン
- ガンタンク
- ガンダム
- ガンダムアストレイ ミラージュフレーム
- ガンダムEz-8
- ガンダム・エアリアル
- ガンダムNT-1
- ガンダム・キャリバーン
- ガンダム試作1号機
- ガンダム・シュバルゼッテ
- ガンダムジェミナス
- ガンダムGファースト
- ガンダムディフォルティータ
- ガンダム・ファラクト
- ガンダムプルトーネ
- ガンダムヘビーアームズ
- ガンダムMk-Ⅲ
- ガンダムMk-Ⅱ
- リ・ガズィ
- ガンダム・ルブリス
- ガンダム・ルブリス・ウル
- ガンダム・ルブリス・ジウ
- ガンダム・ルブリス・ソーン
- ガンドノード
- ガンヴォルヴァ
- ガーベラ・テトラ
- キケロガ
- キュイ(ガンダム)
- キュベレイ
- ギャプラン
- ギャン
- ギャンシュトローム
- ギラ・ズール
- ギラ・ドーガ
- クィン・マンサ
- クシャトリヤ
- Ξガンダム
- クラップ
- MS-01
- クロスボーン・ガンダム
- グスタフ・カール
- グフ
- グフ・カスタム
- グレイファントム
- グロムリン
- グワジン
- 軽キャノン
- ケンプファー
- ゲドラフ
- ゲルググ
- ゲルググメナース
- ゲルズゲー
- ゲーマルク
- 後期量産型ザクⅡ
- コンティオ
- ゴッドガンダム
- サイコガンダム
- サザビー
- サラミス
- ザウォート
- ザク
- ザクIII
- ザクⅡ改
- ザクレロ
- ザクI
- ザムドラーグ
- ザメル
- ザンジバル
- ザンネック
- シナンジュ
- シナンジュ・スタイン
- シャイニングガンダム
- シャッコー
- 初期型ジム
- シルヴァ・バレト
- ジェガン
- ジェムズガン
- ジ・O
- ジオング
- ジオン水泳部
- GFreD
- GM(機動戦士ガンダム)
- ジム改
- ジム・カスタム
- ジム寒冷地仕様
- ジム・キャノンⅡ
- ジム・クゥエル
- ジム・コマンド
- ジム・スナイパーⅡ
- ジムⅢ
- ジム・スループ
- ジムⅡ
- ジャベリン(ガンダムシリーズ)
- ジュピトリス
- ジン(MS)
- G・キャノン
- GQuuuuuuX
- 赤いガンダム
- ギャン(GQ)
- ゲルググ(GQ)
- サイコガンダム(GQ)
- ザク(GQ)
- リック・ドム(GQ)
- Gディフェンサー
- ストライクガンダム
- スペース・アーク
- ズゴック(ガンダムSEED)
- ズサ
- セカンドV
- Ζガンダム
- Ζプラス
- ゾロアット
- エンデのジムII
- ダハック
- ダブデ
- ΖΖガンダム
- ダリルバルデ
- ダーマ(MA)
- チベ
- ディランザ
- ザク・デザートタイプ
- デスティニーガンダム
- デストロイガンダム
- デナン・ゲー
- デナン・ゾン
- デビルガンダム
- デビルガンダム四天王
- デプ・ロッグ
- デミトレーナー
- デュエルガンダム
- デルタプラス
- ガンダム試作3号機
- ドダイ
- ドップ
- ドム
- ドムトルーパー
- ドラッツェ
- ドロス
- ドーベン・ウルフ
- ナイチンゲール(MS)
- ナラティブガンダム
- νガンダム
- ネェル・アーガマ
- ネオ・ジオング
- ネモ(機動戦士Zガンダム)
- ノイエ・ジール
- ハイザック
- Hi-νガンダム
- ハイペリオンガンダム
- ハインドリー
- ハンブラビ
- ハンマ・ハンマ
- バイアラン
- バウ(ガンダムシリーズ)
- バウンド・ドック
- バスターガンダム
- バビ
- ユニコーンガンダム2号機
- バーザム
- バーミンガム
- パゾク
- パプア
- パラス・アテネ
- 百式
- ビギナ・ギナ
- ビグ・ザム
- ビグロ
- ユニコーンガンダム3号機
- フォビドゥンガンダム
- F90
- フライ・マンタ
- フリーダムガンダム
- ブラウ・ブロ
- ブリッツガンダム
- プロドロス
- プロヴィデンスガンダム
- ヘビーガン
- ベギルベウ
- ペズン・ドワッジ
- ペーネロペー
- ホワイトベース
- ボリノーク・サマーン
- マスターガンダム
- マゼラアタック
- マゼラン
- マッドアングラー
- マラサイ
- ミカエリス(機動戦士ガンダム 水星の魔女)
- ミストラル(MA)
- ムサイ
- ムラサメ
- メタス
- メッサー
- メッサーラ
- モビルワーカー01式
- ヤクト・ドーガ
- ユニコーンガンダム
- ユークリッド(MA)
- ユーコン
- ライジングフリーダムガンダム
- エルメス(機動戦士ガンダム)
- ラー・カイラム
- ラーディッシュ
- 陸戦型ガンダム
- 陸戦型ジム
- リゼル
- リック・ディアス
- RFシリーズ
- リーンホース
- ル・シーニュ
- レイダーガンダム
- レウルーラ
- レパント
- 61式戦車(機動戦士ガンダム)
- ヴァッフ
- ヴァル・ヴァロ
- Vガンダム
- V2ガンダム
▶もっと見る
- 2
- 0pt
- ページ番号: 4940309
- リビジョン番号: 3369130
- 編集内容についての説明/コメント: