ガンダム・センチネルとは、ガンダムシリーズの小説及びガンプラの企画である。
模型雑誌「モデルグラフィックス」で連載後、小説版及び総集編的なムック本が出版されている。
概要
もともと発端は、ガンダムZZ放送終了後の企画を探していたバンダイと、ガンダムZZ放送中もMSデザインなどで協力していた模型雑誌「モデルグラフィックス」(MG)編集部のあさのまさひこ氏らのアイデアをもとにスタートされた。簡単に言えばこの時点ではMSV的な企画だった。
当時から「逆襲のシャア」(CCA)の企画はスタートしており、その間をつなぐ企画だったのだが、第1弾としてFAZZ(フルアーマー・ZZ)が発売されたところで、CCAのキット販売のスケジュールが前倒しになったため、ペンディング状態となってしまう。MGサイドはそれまで費やした時間その他諸々もあり、企画を一度引き上げ、MG紙上での連載企画とすることになった。
(当時、いきなりニュータイプに庵野秀明作画によるゼク・アインやネロなどのイラストが掲載されたり話題になった。これはあさの氏のプロパガンダというか打ち上げ花火的なものだったようだ)
あさの氏らの主観では当時のガンダムを取り巻く環境はいささか奇形化しており(原因の一つはZガンダム、ガンダムZZでのデザイン上の混乱でもあったし、ニュータイプというよりエスパーのような演出もあったが)、ガンダム世界における設定の数々を無視していたものが多く出ていたと捉えていた。
そこで新たに作るガンダムの設定として、半オフィシャル的ムック、『ガンダム・センチュリー』などを踏まえる一方、Z、ZZで出てきた各種新設定を整合性のある形へと取り込みなおし、ガンダム世界での『リアル』を求めようとしていたと後の記事で触れている。
このように当時「MS戦記」などリアルな1年戦争モノコミック作品の原作などを手がけていた高橋昌也氏、新進デザイナーのかときはじめ(現カトキハジメ)氏(ただし、一部のMSデザイン、FAZZ、ガンダムMk.Vは明貴美加氏が手がけている)、そしてコンセプトワークを担当していたあさの氏らの手により、「ガンダム・センチネル」がスタートすることになる。
ただ盛んに言及された『リアル』の捕らえ方について「所詮は架空の世界なのに何のリアル?」のような反論もあり色々な議論が飛び交うことになっていったのも触れておかないといけないだろう。
もともと人型兵器の有効性とかを論じるとリアルも何もない(と当時からこのリアル云々の突っ込みについてあさの氏はそう答えている)。ここでいう『リアル』とはガンダム世界の延長線上における現実感、つまり「ガンダム世界が実際にあるとしたらその延長線上には何があるのか。を突き詰めて考えていくということがあったように思われる。
その『リアル』を表現一つの手段として、スクラッチビルド化された作例解説などで盛んに言及された「情報量」というタームがあった。
実際に身長20m弱の戦闘機械をスケールダウンした際にどれだけの表現がそこにあるのか(たとえばムーバブルフレームと装甲の表現など)を突き詰めるとどう作例で表現すべきか。という点について考察しようという動きがそこにあった。
特徴
雑誌連載中は、当時どのように撮影されたか色々と議論を呼んだらしいCG加工された写真+物語のパートと、作例紹介としてモデルの写真及び(かとき氏&あさの氏によるSF的解説、あるいはMS設定)解説パート、そして連載中盤からは読者ページパートなどで構成された(後述)。実はこの読者ページでは明貴美加氏のMS少女コーナーもあったりして…(20年たってもかわらないんだなぁ)。
設定の多くはモデル作例を繰り返すことでさらに練りこまれる形となり、もともとZガンダム時代の作例であったZプラスも幾度かのスクラッチビルド化を経て設定が固まっていった。
また劇中に登場するMS作成も従来のスクラッチビルドで行った場合、一人が手がけるのみであるが、センチネルでは複数のモデラーが担当する異例の形をとることになり、各々得意分野で分担するなど「センチネル・ワークス」と呼ばれる体制で作られることもあった。
(連載終了後20年以上が経過した今の目から見ても古くささは感じないほか、現在のガンダムのプラモデルシーンに残した影響の強さが垣間見られる。たとえばロービジ配色や一転、分割迷彩などにおけるヴィヴィッドな配色パターンなど)
また発注体制の不備などからデザインワークで混乱のあったZ、ZZのMSデザインをリファインしたこともあげられるだろう。たとえばZ放映終盤に出てきたバーザムがあまりに連邦軍MSデザインの系譜から逸脱していたのをガンダムMk2後継としてリファインするなど、現在でもほとんど準公式的設定で取り扱われることになるデザインが生み出されている。また後述するようにそのリファインは一年戦争のMSデザインについても行われている。
このようにして、斬新で航空機的なアプローチをみせたかとき氏のMSデザイン、女っ気無しで延々と物語のモチーフである幕末的な群像劇を描く高橋氏の小説パート、あさの氏のグラフィックデザイン重視のレイアウトや鮮やかなモデル作例などのモデルパートなど、次第に人気を博していくことになる。
とはいえ、連載中のあさの氏のいささか挑発的な記事などは業界内に数多く反発を起こすことになったことも書いておかねばならないだろう。
CCAのキット展開がひと段落したあと、ガンダム・センチネルの再度キット化がスタートすることになる。MGでは毎号このキット化の進捗情報を知らせる形をとるだけではなく、キット化後の改造(ディティールアップ)方法についても詳細な記事を載せることになった。これはあさの氏が後に語るように、以前行われたマシーネンクリーガー(当時はSF3D)のキット化連動企画を模したものであった。
とはいえ、もともとMGはホビージャパン(HJ)のお家騒動から端を発した雑誌であったことや、あさの氏のいささか釣り気味な記事の影響もあっただけでなく、当時のガンダムのプラモデルシーンを扱う雑誌は、HJ、MG、そしてバンダイ系の模型広報誌ぐらいしかなかった状況では正直扱いが小さかったことは否めない。
(そして、この企画の立ち上がりと休止などに至るいささか不透明なやり取りの影響は後の同人キット販売の制限などにも派生して問題として表面化していくこととなった)
この後、連載をまとめたムック本が出版された。ただし改稿された小説パートはなお多くの部分が省かれていたため、後に小説版ガンダムセンチネル、ALICEの懺悔が出版されることになる。また連載終了間際二ヶ月にわたってセンチネル0079として、それまで培ったセンチネルの手法で一年戦争のソロモン攻略戦を描かれた。ここで登場したガンダム、ボールなどのデザインの多くはその後何度かの修正を経たあとでVer.kaとしてキット化に至ることになる。
このようにいささか「望まれない子供」「継子」的ポジションの作品ではあったが、のちにSDガンダムなどのゲームに取り上げられるなど、地味ながらも拡散を続け、現在ではガンダム世界の準公式としても認められたようで年表に記載される場合もあるようだ。
ストーリー
時はZとZZの間。グリプス戦役末期から始まる。
ダカール宣言のあと連邦軍の主導権がティターンズからエゥーゴに移り変わったことに異議を唱えたMS戦闘教導部隊がニューディサイズを名乗り武装決起する。
地球連邦軍はこれに対してネオ・ジオンとの衝突を前に大兵力を動員することは出来ないまでも、新鋭艦ペガサスIIIとアナハイム・エレクトロニクス系のガンダムタイプMSを中心としたα任務部隊を結成、ニューディサイズ討伐を命じる。
登場人物
※声優はSDガンダムGジェネレーションのものです。
幕末をモチーフに話が作られており、従って登場人物もニューディサイズは新撰組、連邦軍は維新志士の名前になっている。命名には以下の法則性がある。
α任務部隊(タスクフォースアルファ)
- リョウ・ルーツ:藤原啓治 (坂本龍馬)
- 本編の主人公でありSガンダムのパイロット。粗野で自尊心が強い不良だが、マニングスの死を通して大きく成長する。初実戦でお○○ししたこともある。
- ストール・マニングス:大塚明夫
- α任務部隊MS隊隊長でリョウ達の教官でもある。終盤にてトッシュを止めようとするが戦死してしまう。ちなみに最初にリョウの態度を見てSガンダムの適正がなければ絞め殺そうとも考えたとか。おお、こわいこわい。
- シン・クリプト:塩屋翼(高杉晋作)
- リョウの親友でα任務部隊ではFAZZ隊隊長だったが、ガンダムMk-Ⅴとの戦闘で隊が自分を残して全員戦死してしまい、それを経て成長する。FAZZが破壊された後は砲撃担当としてSガンダムに搭乗する。
- テックス・ウェスト:川津泰彦 (西郷隆盛)
- 元カラバに所属していた巨漢でZプラスのパイロット。リョウやシンに比べると温厚な性格であるが、最終決戦前に投降したエイノー提督の言い分に激怒しパンチを一発食らわせている。機体運用の都合でSガンダムの索敵手になる。
- イートン・F・ヒースロウ:戸谷公次
- ペガサスIII艦長でα任務部隊の指揮官。高等士官学校を首席で卒業し、34歳にして部隊指揮官となった現場を知らない典型的エリート士官。しかしベテラン揃いのNDやかつての師であるエイノーに苦渋を味わわされ、やがて軍人として、指揮官として目覚めていく。
- シグマン・シェイド
- リョウ達の仲間である新人パイロット。結局、最初から最後までZプラス搭乗で戦争を終える。
- チュン・ユン
- ペガサスⅢ所属のベテランMSパイロット。リョウ達は反目するが月降下作戦で救われて和解、後にテックス機に乗り、最後の戦いにおいて合体シークエンス中のリョウ達を守るために戦死する。
- ALICE:朴璐美
- 本作のヒロイン的存在でMS「Sガンダム」のAI。「論理非論理認識型」とよばれる学習型コンピュータで、一旦開発は中止されていたものの内密裏にSガンダムに搭載される。パイロットのリョウを始めとする戦場の不条理さの中で成長し、最後に完全に覚醒したが大気圏で燃え尽きる。
ニューディサイズ(ND)
- ジョッシュ・オフショー:山寺宏一(沖田総司)
- 若くしてND第一MS突撃隊隊長のパイロットを務める秀才。エアーズ市の戦闘で目が麻痺してしまうものの最終決戦でSガンダムに立ち向かうがALICEによってMSごと地球に投げられ散る。
- ブレイブ・コッド:玄田哲章 (近藤勇)
- NDの首領。カリスマ性があるためトッシュにリーダーを任されるものの、本人は兵士として戦場に立つことを好む。MSの操縦技術に自信があり、ガンダムMk-Vを駆り敵を圧倒するも、最期はSガンダムの性能とALICEの力によって一人の兵士として死んでいく。
- トッシュ・クレイ:堀内賢雄 (土方歳三)
- ブレイブの僚友にしてマニングスの旧友。ブレイブの死後NDの指揮を執り、連邦議会に攻撃をかけようとしたがSガンダムの狙撃により降下シャトルを撃破され戦死する。
- ファスト・サイド:関智一 (斎藤一)
- 第4MS突撃隊隊長のパイロット。クレイと共にゾディ・アック(ゾアンⅡ)に搭乗、最後まで連邦軍を苦しめるが、機体の構造上の欠陥による爆発で最後を遂げた。
- ブライアン・エイノー:大林隆介 (榎本武揚)
- 対ジオン強硬派の宇宙艦隊提督。「いいスペースノイドは死んだスペースノイド」と主張するようなタカ派だったので、1年戦争後は高等士官学校の校長という閑職に回されてしまう。こんな価値感の歪んだ奴に校長やらしていいのかと思うのだが、これが後に大失敗な人事になってしまう。この時の生徒にイートン・ヒースロウがいた。
- ニューディサイズへの人脈があるということでND討伐艦隊の司令官として前線に出ることになったが、エゥーゴ寄りの連邦軍に反感を抱いていたため、サオトメの説得を受けて艦隊ごとあっさりと寝返ってしまい、戦局を泥沼にしてしまう。
- 最後は刀折れ矢尽き、降下作戦の時間稼ぎも兼ね投降。生存者の今後の設定はされていないがエイノーだけは銃殺刑にされたと考えるのが自然だろう。少なくても減刑する理由が思い当たらない。どっちも死であるにも関わらず投降を選んだのは自分たちの意志を他人に伝えられるからだと思われるのだが、待っていたのはテックスの鉄拳制裁であった。
- マイク・サオトメ
- NDの渉外担当。実はネオジオンの工作員である。
- エイノー艦隊を寝返らせたのを皮切りに、エアーズ市を抱き込んでの月面大戦争、更にはネオジオンに砲撃を要請することによって陥落したエアーズ市からの脱出に成功させるなど、有能ぶりを発揮する。特にエイノー艦隊が寝返らなければ、ペズンを脱出した時点で終わっていたと思うと凄腕である。ネオジオンに戻ったので、ND関係者では数少ない生存者となる。
ネオ・ジオン
- トワニング
- ネオジオン軍の提督。1年戦争終盤、ア・バオア・クーで捕虜となっていたが、戦後脱走してネオジオンに参加した。
当時のネオジオンは地球侵略作戦の準備中であり地球連邦軍に対し宣戦布告を行っていなかった為戦闘は厳禁であったが、地球側の混乱助長の為、α特務部隊への時間稼ぎやNDへの兵器の譲渡、NDベテラン兵の収容等を行っている。
登場MS
地球連邦軍
- MSA-0011 Sガンダム
- 主人公機。アナハイム・エレクトロニクス開発のTMS(可変MS)。開発コードはイオタ・ガンダム。正式名称は"スペリオル"・ガンダムだが、諸般の事情(商品化に伴う商標問題)もあり"Sガンダム"という記述がされている。
※スペリオルとはSuperior=「高位の」「優位の」「上位の」の意味。後述するコンセプトによる"究極のガンダム"を目指していたための由来とされている。 - 開発コンセプトは、ムーバブルフレームのメリットを生かしてコア・ブロックを中核とした合体・変形のほか多種多様な増加・強化パーツを装備可能な兵装システムの中核としてのMSでもあった。
- 俗に言う"フルアーマー"状態である"Ex-S(Extraordinary-Superior)"ガンダムの状態でも変形を可能にするほか、Bstと呼ばれる下半身にあたるBパーツを増加ブースターに置き換えたものから、強襲・一撃離脱を目的としたPLAN 303E "ディープストライカー"ではアーガマの主砲と同じビームカノン一門とプロペラントタンク、増加ブースターてんこもりの、もはやMSとはいい難いシロモノになることすら可能である。
ちなみにそのコンセプトの中には、無人兵器も視野に入れられており、あるシステムが開発途中で封印され・・・るはずだったが主任開発者の思惑で搭載されたまま、ND事件で揺れる連邦軍に導入された。 - グリプス戦役後半、第三世代(可変)MSから重火力・重装甲・巨大化・非NTパイロットによるサイコミュ兵器(インコム等)が実用化される中、これらの能力が求められたエゥーゴのフラグシップとしてZZガンダムと競作になるが、ZZガンダムが選択され結果的に少数の生産にとどまった、とされている。
- キット化するにあたり、合体変形というZZのコンセプト+増加パーツコンセプトで多種多様な形態が可能、というウリだったのだが、HGUCでは非可変。その後MG版で可変が可能となった。ちなみにGUNDAM FIX FIGURATIONでは、Ex-S(ノーマルのSに換装可能)、その後、Sガンダム⇔Ex-S⇔Bst⇔Plan303Eに換装可能のものが販売されている。
- 余談としてアニメで動く姿は見れないだろうと思っていたところにガンダムビルドファイターズで登場。センチネルをリアルタイムで読んでいたおっさん連中が涙したとかしないとか。
- MSZ-006C4 Zプラス C1
- Zガンダムの量産型。そのバリエーションは多岐に富んでいる。
- ウェーブライダー形態の有効性に着目したカラバが、大気圏内用に再設計したものでムーバブルフレーム性能向上によって変形機能が簡略化され、信頼性も向上している。
- その性能に着目した連邦軍が宇宙戦用に再設計をしたのがC1型で、ペガサスⅢにはテックス機(チュン・ユン機)とシグマン機が配備された。シグマン機は最後まで生き残るが損傷が酷く、戦後に廃棄処分されている。
- 個別ニコ百記事を見れば分かる通り、Zプラスには大量のバージョンがある。連載中にも指摘されていたようにF-16のような複雑さだと中の人からもツッコミがあるぐらい。中にはアムロ専用機まであったりする。MG誌的にはSガンダムよりもZプラスのほうに力が入っているのかも知れない。ガンダムUCで再登場するとは思わなかったシロモノ。
- それはそうと、GUNDAM FIX FIGURATIONでノーマルのロービジ塗装版を出してほしいと願う人は少数派だろうか(発売されたのはアムロ専用機とされる赤・白、青・白のカラーリングのもの)
- FA-010-A FAZZ (ファッツ)
- ZZガンダムのフルアーマー装備について、システム評価を行うために試作されたMS。当然のことながら見た目はフルアーマー装備のZZガンダムに酷似している。バックパックと連結した巨大なハイパーメガカノンがチャームポイント。
- 見た目はZZなのだが、フルアーマー装備は固定で着脱できず、変形合体機能もオミットされている。腹部と頭部のハイメガカノンもダミーで、装甲素材も1ランク劣るなど見た目通りの火力支援機となっている。
- MSA-007 ネロ
- 所謂センチネル版ジム。本家のジムがガンダムの簡易量産機だったように、本機はSガンダムの量産機的設定。下半身はSガンダムを、上半身はλガンダムとか言う作中未登場な機体を参考にされている。
- のわりには徹底的にやられ役であり、月面降下作戦では待ち伏せに遭い、或いはガンダム Mk-Vに9機も瞬殺されたり、降下プログラムに細工され墜落したり、散々である。一応、主力機として月面制圧作戦では活躍している。偵察用のEWACネロや訓練教官用の高機動機:ネロ・トレーナーも登場する。
- RGM-86R ヌーベルGMⅢ
- 所謂センチネル版ジムその2。ジムⅢはジムⅡの改修機であるが、ヌーベルGMⅢは宇宙戦闘専用に改修されたGMⅢという説と支援機として新規設計・生産された機体と言う説がある。地球連邦軍本星艦隊に多数搭載されていたらしい。やっぱりやられ役。
ニューディサイズ
- RMS-141 ゼク・アイン
- グリプス戦役以降のMSは大型・大火力化が進み、汎用性が失われる傾向にあったので、改めて新世代のザクを目指すべく開発された機体。ジオンの工廠であるペズンで開発されたため、とってもジオンな見た目になっている。
- 余裕をもったペイロード、シンプルで堅牢なフレーム、コクピット周辺に重装甲といった具合に非常に手堅くまとめられているのが特徴。現代のマルチロール機のように状況に応じて多彩なオプションが取れるので最良の汎用量産機を目指すという目的は達成できたのだが、生産数は少なく、ペズンの教導団で細々と使われるだけに留まった。ND主力機として幅広い局面で大活躍することとなる。
- ……でも、どうしてこうなった。
- RMS-142 ゼク・ツヴァイ
- ゼク計画の2番機で、高機動高火力を謳った大型MS……って、ゼク・アインのコンセプトを投げ捨ててないか。
とにかく巨大で前後幅がありすぎるため、そのフォルムは人型から逸脱している。この場合、ジオンなら迷わずMAになるのだが、連邦にはガンダムからくるMS信仰があっため、あくまでもMSとして企画された。 - 高性能な反面、整備や運用面は明後日の方向に投げ捨てられており、あまりにも大型過ぎてサラミス改級では運用できないというのは致命的な欠点だろう。一応、数は多くないとはいえ、量産されている。ザクのコンセプトが行き詰まったので、新たなザクとして作られたのにザクと同じような畸形になってしまっているので失敗作といえるのかもしれない。
- ……そのめんどくささを反映してか、Sガンダムなどのセンチネル系プラモなどが販売され、ゼク・アインもHGモデルで出ているにも関わらず、こいつはだけはガレージキットの段階で留まっている。MGモデルを出してほしいのだが。EWACネロなんていうマニアックな物がリリースされているROBO魂に期待するしかないのかもしれない。
- ORX-13 ガンダムMk-V
- 型番号が示すように、オーガスタ研究所で開発された試作型インコム搭載MS。非NTパイロットでもサイコミュ兵器が運用可能ということだけでなく高出力・高機動可能とかなり強力なMSとなっている。連邦軍に導入されたものの提督の反乱のためNDの手に渡りブレイブ・コッドが乗り込み、エアーズ市の戦闘で活躍。FAZZ部隊を一蹴するなど活躍することに。ちなみにこの機体、のちのドーベンウルフの元となった機体という設定もある。で、ドーベンウルフが再度連邦軍の手に渡り、今度はシルヴァ・ヴァレトとしてガンダムUCで登場というわけで結構ややこしい機体でもある。
- メカデザインはドーベンウルフ同様、明貴美加。MG誌のZZ別冊にも登場している(若干設定は異なるが)。
- AMA-100 ゾディ・アック
- ネオ・ジオンとの交渉が決裂して別れる際に貰った欠陥MA。センチネルにおけるラスボス。
- 地球侵攻作戦時の低軌道制圧用として開発された兵器。軌道上では大気を利用して見た目を裏切る素早い移動が可能で、メガ・カノンや有線制御式のビーム・カノン兼ビームサーベルが搭載されている。他にも準サイコミュ兵器が搭載される予定であったが、後述の欠陥の為開発は打ち切られている。主兵装はメガ・カノンで、圧倒的な威力を誇る。発射時にはコの字に変形する。また、ゾアン2機へ分離する事も可能。
- 作中、ゾアン2機に分離後、メガ・カノンを連射する為に電圧を上げた所、排熱が追いつかず、ゾアンⅡが爆砕している(そもそもメガ・カノンの脇にエンジン・推進剤タンクを置いたのが間違いだと)。
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関連項目
- ガンダム / Zガンダム/ZZガンダム
- バーチャロン(センチネル・ワークスに参加していたモデラーがCGセガに入社。そのつてでカトキハジメがメカデザインを行うことになった)
- 銀河烈風バクシンガー(ストーリーコンセプトが同じ)
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