ガンダム・フレームとは、アニメ『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』に登場する用語である。
概要
約三百年前、文明を衰退させるほどの戦争だった「厄祭戦」時代に開発されたモビルスーツ用のインナーフレーム。
ギャラルホルンの前身となった組織で開発されたフレームであり、戦場を選ばない汎用性と膨大な出力の動力源が特徴である。
同組織が開発したヴァルキュリア・フレームと共に厄祭戦で活躍したが、技術的な問題が多いために厄祭戦当時でも少しの生産に留まり、戦後は新規開発はされておらず、幻の機体となっている。
独自の機構として動力源である「エイハブ・リアクター」には『ツインリアクターシステム』を採用している。
これは「エイハブ・リアクター」を二基搭載、並列稼動させる事で通常のリアクターを超える出力を発揮する。
ただし、厄祭戦当時の技術でもリアクターの同期は困難だったためか、72機のロールアウトを最後に廃れてしまった。
「エイハブ・リアクター」とは、ガンダムをはじめとするMS、ひいては人類の生活を支えるエネルギー動力炉。相転移炉の一種であり、駆動するとエイハブ・ウェーブなるものが感知される。
このエイハブ・ウェーブにより搭載機の装甲に塗装という形で付与されたナノラミネートアーマーが硬質化、射撃武器による破壊を困難にしており、これを突破するためにはナノラミネートアーマーに対応した戦術を用いるか、より強く衝撃を与える戦法をとるかでなければならず、必然的に重量のある近接武器での破壊を狙うのが「鉄血のオルフェンズ」における一般的な戦法となっている。
厄祭戦から300年が経過した現在、現存が確認されているのはその半数以下の26機にとどまっている。
もっとも、この内の8機はギャラルホルンの創設者が駆ったバエル及び7つの家門それぞれに対応する7機であり、8機の殆どはギャラルホルン管轄の「バエルの祭壇」にて管理されている。また、物語開始時点で火星の地中に埋まっていたフラウロスは26機の数に含まれない
本作の「ガンダム」はこのフレームを採用した機体の総称であり、全機に型番と固体名が登録されている。
なお、エイハブ・リアクターはそれぞれがワンオフモデルであり、検出される波形に「個性」が存在する為、それを元に機体の照合が行われているのだが、ツインリアクターは波形がその中でも独特なのか、ガンダムフレーム同士では敢えて近いのを挙げるなら…程度には波形が似通う模様。なお、外伝漫画「月鋼」ではガンダム・フレームを断定する場面があるが、これは断定を行った者が波形パターンの情報を所持していた事に起因する。
その出力はバルバトス単機でCGS基地全てのエネルギーを賄うほど膨大。
高出力・高機動によりパイロットにかかる負荷も増大するが、リアクター内の真空素子が相転移した際に発生する「エイハブ粒子」を用いたイナーシャルコントロールによって負荷を軽減している。このため、コクピットはリアクターの前面に搭載されている。
後に明らかになるのだが、「厄祭戦」時代に開発されたモビルスーツ群は厄祭戦を起こした元凶である無人兵器「モビルアーマー(以下MA)」を殲滅するために開発された機体であり、このフレーム採用機もまたMAへの対抗手段として作りだされた物である。
事実、当時のままで現存するキマリスと専用装備のグングニルは対MS戦には向いておらず、「巨大な敵を貫く」と言う意味ではMAを倒す為に特化した機体と思えば合点がいく。
ガンダム・フレーム採用機の名前の元ネタは、レメゲトン第一章『ゴエティア』の72柱の悪魔。
例外を除き、現在公式サイトで公開されているガンダム・フレームに共通しており、該当機は型番と悪魔の序列が一致している。
該当機
- ASW-G-01 ガンダム・バエル
- ASW-G-08 ガンダム・バルバトス / ガンダム・バルバトスルプス / ガンダム・バルバトスルプスレクス
- ASW-G-11 ガンダム・グシオン / ガンダム・グシオンリベイク / ガンダム・グシオンリベイクフルシティ
- ASW-G-29 ガンダム・アスタロト / ガンダム・アスタロトリナシメント / ガンダム・アスタロトオリジン
- ASW-G-47 ガンダム・ウヴァル / ガンダム・ウヴァルユハナ
- ASW-G-56 ガンダム・グレモリー
- ASW-G-64 ガンダム・フラウロス
- ASW-G-66 ガンダム・キマリス / ガンダム・キマリストルーパー / ガンダム・キマリスヴィダール
- ASW-G-70 ガンダム・セーレ
- ASW-G-71 ガンダム・ダンタリオン
また、既存ガンダム・フレームを改修した際、「悪魔」のネーミングから外れた例外のモビルスーツも存在する。
- ASW-G-XX ガンダム・ヴィダール
ガンダム・アスタロト / ガンダム・アスタロトリナシメント / ガンダム・アスタロトオリジン
以下のデータは、通常時 / リナシメント / オリジン とする。
- 型番:ASW-G-29
- 頭頂高:18.2m / 18.9m / 18.5m
- 重量:30.6t / 34.5t / 32.2t
- 搭乗者:テッド・モルガトン、アルジ・ミラージ / アルジ・ミラージ
- 動力:エイハブ・リアクター×2
- 採用フレーム:ガンダム・フレーム
- 武器:ライフル、ナイフ、デモリッションナイフ 、サブナックル、210mm対物ライフル、パンツァーファウスト / ライフル、コンバットナイフ、デモリッションナイフ 、バスタードチョッパー / ショットガン、γラミネートソード(スレッジハンマー)
オルフェンズ外伝「月鋼」に登場するガンダム・フレーム。
ギャラルホルンの貴族ウォーレン家の手で終戦後の月面から回収されており、同家が300年近く保有していた。
しかし、ウォーレン家に地球経済圏との癒着が発覚、家は取り潰しとなり、取り潰しにあった家の機体に買い手もつかず、闇市場に流れることとなる。
ウォーレン家と縁のある複合企業「タントテンポ」の元に着いた時には装甲・武装の類を失くし、フレームのみの姿であった。
タントテンポに身を寄せていたウォーレン家の跡取りヴォルコ・ウォーレンは家の象徴であったアスタロトを復元すべく奔走、同企業の協力の元、不完全ながらガンダム・フレームとしての姿を取り戻した。
アストロトの修復においてヴォルコは脳に記憶チップを埋め込んだため、空間認識能力が低下しており、
テッド・モルガトンの専用機として右腕の義手用に神経接続の機構が搭載されている。
その後、テッド暗殺のために送り込まれたモビルスーツ「トリアイナ」の襲撃でテッド・モルガトンは重傷を負ったため、同じくテッド暗殺のために現れたアルジ・ミラージが同業者を退けるためにアスタロトへ搭乗することとなった。
自身の本来の装甲をウヴァルとの戦いで勝ち取り、8割近く復元されつつあった。だが直後、忍び込んできたナナオに機体を奪われて売り払われてしまった。木星圏の闇市場に流れ着いた時点で幾らかの装備が欠落していたが、前回よりも少ない欠落で済んでいる。ジャンマルコの助力で買い戻された後は欠落を補いつつ新たな強化改修を施している。
ウォーレン家が所有していた時の元々の当機は「ガンダム・アスタロトオリジン」と呼ばれる。
元々の装甲色は赤で、両肩とバックパックを変形させた飛行形態への変形機構を持ち高機動戦を得意とするモビルスーツだった。当時の武器は中距離用ショットガンと、スレッジハンマーと剣の2種類の形態を持つ「γラミネートソード」を武器としていた。
γラミネートソードは、右腕から圧縮エイハブ粒子を送り込むことで反応を起こし、ナノラミネートハンマーに対して有効になる性質を持っていたが、当初の技術を以てしても安定しない武器だった。現在でもその名残のエネルギー伝達機構が残っている。
ガンダム・ウヴァル / ガンダム・ウヴァルユハナ
- 型番:ASW-G-47
- 頭頂高:18.9m / 19.8m
- 重量:31.5t / 33.6t
- 搭乗者:ロザーリオ・レオーネ / サンポ・ハクリ
- 動力:エイハブ・リアクター×2
- 採用フレーム:ガンダム・フレーム
- 武器:グレイブ、マイニングハンマー、210mm対物ライフル、シールド / 210mm対物ライフル、チェーンソー、ハルバード(ソードとチョッパーの組み合わせ)、シールド
オルフェンズ外伝「月鋼」に登場する漆黒の装甲を纏ったガンダム・フレーム。
ギャラルホルンの貴族の1人ヴィル・クラーセンが調達した機体であり、頭部以外の装甲は殆どが失われていた。
その後、ヴィルの指示でロザーリオ・レオーネが闇市場から回収したアスタロトオリジンの装甲(約80%)を取り付けている。
アスタロトとの1度目の交戦で圧倒していたが、2度目の交戦で実質的な敗北を喫する。パイロットのロザーリオはナナオに見限られる形で死亡する。
アスタロトとの戦いに敗れた後はパーツ取りのように装甲をアスタロトに返還したため、フレームをジャンマルコが貰い受けて新たな姿「ガンダム・ウヴァルユハナ」に改修している。
ガンダム・グレモリー
オルフェンズ外伝「月鋼」に登場する漆黒の装甲を纏ったガンダム・フレーム。
ギャラルホルンの名家であるナディラ家が保有・管理しているガンダムであったが、現在は不正取引の疑いをかけられたナディラ家の当主と共に行方不明となっている。
本機の最大の特徴は、その見た目の半分以上を占める黒い外殻とも言える上半身に配された装甲にある。
ナノラミネートアーマーを越えた強度を誇る「ナノラミネートコート」と呼ばれる代物であり、、物理攻撃をものともしない。
専用武器として強大な錨「バトルアンカー」を持つ。厄祭戦において片方の刃を失った為、大鎌のような見た目となっている。
ガンダム・ダンタリオン
- 型番:ASW-G-71
- 頭頂高:18.0m
- 重量:27.1t
- 搭乗者:ザザ・フォッシル
- 動力:エイハブ・リアクター×2
- 採用フレーム:ガンダム・フレーム
- 武器:ベイオネットライフル、Tブースター/ハーフカウルT、Bブースター/ハーフカウルB、アイギス
データカードダス「ガンダムトライエイジ」に登場する、ゲームオリジナルのガンダム・フレーム。
オルフェンズ外伝「月鋼」への登場が決定されてからは、同作からの参戦として扱われている。
ギャラルホルンの名家であるザルムフォート家が保有・管理しているガンダムであったが、現在は何者かの手で同家から盗まれているとされている。
非常に細身な外見とシンプルな武装構成を持つ汎用型MS。
が、これは「ネイキッド」と呼ばれる素体の状態であり、
この段階でも現代のMSと十分に渡り合える性能を誇る。
最大の特徴は強化外装であるハーフカウルを装着できること。
上半身に装着する『T』型、下半身に装着する『B』の2種類があり、
更にハーフカウルTとハーフカウルBの同時装着と専用シールド「アイギス」を組み合わせる事で、
「パーフェクトカウル」となる。
関連項目
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