ガンダム試作1号機(RX-78GP01)とは、『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場する人型機動兵器、モビルスーツ(MS)の一機種である。本項では改修型のRX-78GP01-Fbについても記述する。
GP01という略称や、ゼフィランサス、改修後のフルバーニアンなどと言った別名のほうが有名か。
デザインスタイリングは河森正治による。
ゼフィランサスの名前の元となった花は、ヒガンバナ科タマスダレ属の植物で、花言葉は「清き愛情」。
概要
アナハイム・エレクトロニクス社が汎用人型兵器の極限性能を目指し、ガンダム試作0号機を経て開発した『ガンダム開発計画』の1号機。
作中4機… もとい3機登場するガンダムの中では汎用性を重視しており、オリジナルのガンダムにもっとも近いシルエットを持つ。構造的にも、コアブロックシステムを備えるなどファーストガンダムの直系の発展型としての面が強い。
ただし、機能面では大幅に洗練されており、後述する画期的構造によりコアファイターの推進システムや火器をガンダムの状態でも使用可能となっている。また、Eパック方式のビームライフルを備え、四肢の構造に後のムーバブルフレームに繋がる機構を備えるなど、当時としては先進的な設計がなされている。
劇中でのパイロットはコウ・ウラキだが、元は開発を担当したアナハイムから出たテストパイロットが乗るはずだった。
ゼフィランサス
GP01の基本形。作中では地上戦仕様しか登場しないが、設定上はオプションの換装で宇宙戦も可能。
2号機と共に地上での評価試験のためトリントン基地に運び込まれ、2号機が強奪された際、たまたまその場に居合わせたコウ・ウラキが搭乗。その後紆余曲折を経て正式に彼の搭乗機となる。
作中では2号機のオーストラリアからの脱出阻止、また、キンバライト基地攻略に投入される。その後2号機追撃のため宇宙に上がるが、陸戦装備から換装しないままにシーマ・ガラハウのゲルググMと交戦し中破している。
OPアニメでは普通に2号機と宇宙でビームサーベルによる格闘戦を描写しており、ある意味でOP詐欺とも言えるのだが、実際の所、適切な宇宙戦闘用機動プログラムを組んでいればある程度の宇宙戦闘は可能・・・というより僅かな換装で宇宙戦もこなせる(シーマと交戦した際の本機のプログラムはコウによる自作で、設定ミスがあったために満足な機動すらできなかった)。
もっとも、正規のプログラムであったとしても、姿勢制御バーニアの不足等の理由から、本機の宇宙での戦闘能力はジム・コマンドよりも劣る。
こういった事情から、ゲームなどでは宇宙適性が低く設定されることが多いのだが、場合によってはその辺りが再現されずに地上戦用機体として扱われたり、そもそもフルバーニアンに出番を全て奪われたりする。カワイソス。
専用オプション
本編で使用された地上戦仕様や設定上の宇宙戦仕様以外にも、フルアーマーGP01、ストライクGP01、チョバムアーマー装備、アクア装備等の多数のオプションへの換装や運搬・援護を目的としたGアーマーIIと言った支援機が存在する。
コアファイターⅡ
本機のコクピットブロックと推進システムを兼ねる戦闘機。
ファーストガンダムのコアファイターが胴体に完全に収容されるバーティカル・イン・ザ・ボディ方式であったのに対し、こちらではホリゾンタル・イン・ザ・ボディ方式を採用。これにより、コアファイターとガンダムのスラスターを一つにまとめることが出来、構造的な無駄を減らすことにも繋がっている。
ホリゾンタル・イン・ザ・ボディ方式はガンダム試作0号機から継承した要素でもある。
兵装としてはビームサーベルの柄尻がビームガンとしても機能するが、ジェネレーター出力の不足から十分な威力を持つには至っていない。
作中ではGP01のコクピットとして用いられた機体の他、予備機が1機アルビオンに搬入されている。こちらはアナハイムのエンジニアであり、同時にデラーズ・フリートの内通者であったニック・オービルが脱出の際に使用。キンバライト基地のジオン軍残党に合流を図るが、アルビオン隊を引き寄せる囮として利用され、撃墜されている。
フルバーニアン
シーマ・ガラハウとの戦闘で大きな損傷を負った試作1号機を、アナハイム・エレクトロニクスのリバモア工場にて全面的に宇宙高機動戦闘用として改修した機体。
フルバーニアンの名前で親しまれている本機だが、本名はあくまでゼフィランサスである。例えばちゃんと記すとするならば、『ガンダム試作1号機ゼフィランサスフルバーニアン』ということにおそらくなる。長い。
というわけで一般的にはフルバーニアンの愛称で親しまれている。一応、比較的多い略記は「GP01Fb」である。
元々試作1号機はコアファイターの換装と姿勢制御バーニアの追加による宇宙戦闘への対応が予定されており、そのためのパーツは既にアナハイム側に揃っていた。が、先述の通りシーマ様に叩きのめされたため、更なる性能向上のため仕様変更され、その結果が作中に登場するフルバーニアンである。仕様が変わった為、換装機能は撤廃されたと思われる。
外見上最大の特徴としては、バックパックに2基備えられた大型のスラスターユニット、“スジャータ”“ユニバーサルブーストポッド”の存在が挙げられる。
このスラスターは1基で45000kgという破格の推力を叩き出すのみならず、ポッドそれ自体が自在に稼働するという特徴を持つ。このため単なる推進機に留まらず、急減速やAMBAC機動にも用いることが出来る。
総推力234000kg、さらに全身に姿勢制御バーニアを追加装備ということもあり、地上用の試作1号機を追い詰めたシーマをしてバッタとまで言わしめる超高機動型MSとして仕上がった。
なお、胸部の黄色い部分、地上戦仕様ではインテークとなっている箇所だが、こちらでは収容式の姿勢制御バーニアとなっており、ここから噴射される推進剤を攻撃手段として用いたこともある。
このような高い機動性を誇る反面、パイロットにかかるGが凄まじいのが難点。レッドアウトを訴えていたバニングが乗ろうものならGだけで下手すると死ねるかもしれない代物である。
武装は地上戦仕様とほぼ同型だが、ビームライフルの火力がジェネレーター出力の向上を受け、若干強化されているとされる。また、同様の理由から、地上戦仕様では威嚇程度の役にしか立たないとされたコアファイターのビームガンも運用性が向上している。
この他、GP01用ではない試作型のロングレンジビームライフル(GP03用とされる)を使用したことがある。ただし0083本編ではこのシーンは描かれておらず、CDドラマ『ルンガ沖砲撃戦』のみの描写である。ちなみにこのロングレンジビームライフルは欠陥があり、使用の際にはアルビオンの主砲からスタビライザーを移植している。
0083を象徴する主役機であり、ゼフィランサスの存在をよい子のみんなから失念させている機体でもある。
ちなみに、総推力234000kgがどれだけ桁外れな値かと言えば、Ζガンダムのそれが112600kg、百式のそれが74800kgであるということからもお分かり頂けるであろう。推力重量比換算でも、Ζガンダム(1.8)や百式(1.37)に対し、本機は3.16に達している。こういったカタログスペックのはっちゃけぶり異常な高さはGPシリーズに共通しており、これらの機体が一部でオーパーツ呼ばわりされる原因ともなっている。
外部作品での扱い
時代が時代だけになかなか難しい扱いであり、必殺武器がないことからゲームでは結局デンドロビウムにお株を奪われてしまうのがお決まりである。
例えばウインキーソフト時代のスーパーロボット大戦をやっている人からすれば、本機が産廃扱いされていたことは記憶に新しいことだろう。
その理由はもちろん高い火力の武器がないためである。
というよりGP02=アトミックバズーカ、ステイメン=デンドロビウムといったようなインパクトのある仕様に比べると、ゼフィランサスがいささか地味に見えてしまうのは仕方ないこととも言える。
しかし近年のゲームでは比較的良い扱いをされている点も見受けられる。関連動画におけるGP01のアクションはドット絵スタッフ魂の作品と言っても過言ではなく、思わずフルバーニアンが使いたくなる出来である。
ガンダムのオールスターゲーではその鬼のような機動性から人気が高く、必殺武器がないのにも関わらず愛用者はかなり多めである。
必殺武器がないために子供からはそっぽを向かれがちな試作1号機を、大きなお友達の皆さんは是非、これからも愛でてあげてくださいね。
ちなみにフルバーニアンは宇宙戦用の機体である為、地上での戦闘は考慮されていない。
スーパーロボット大戦シリーズにおいて地上での適正が低いのはこの為、同じ宇宙戦用であるGP03Sも同様である。
関連動画
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