かつて、戦争があった。
一つのコロニーの独立運動に端を発した紛争は、地球全土を巻き込む全面戦争となったのだ。
戦争が膠着状態となって8ヶ月。宇宙革命軍は、地球に甚大な被害を及ぼすコロニー落とし作戦を切り札に、
地球連邦政府に対して降伏を迫った。
これに対して連邦軍は、極秘に開発していた決戦兵器、モビルスーツ「ガンダム」を投入、徹底抗戦の構えをとった。
ガンダムXとは、
本項では2.について述べる。
概要
ガンダムエックスは本編の15年前、第7次宇宙戦争において地球連邦軍が開発した決戦兵器「ガンダム」のうちの一種である。通称「GX」。決戦兵器と銘打たれただけありその性能は凄まじく、15年たった後も高性能機として君臨していた。
ガンダムの特徴として、「フラッシュシステム」の搭載が挙げられる。これはニュータイプと呼ばれる存在に対応した兵器であり、同型の無人機「Gビット」多数を操縦できるシステムである。
またGXには「サテライトシステム」が搭載されている。月面に存在するマイクロウェーブ送電施設との連携を前提としたシステムで、月面施設又はマイクロウェーブ中継衛星から送られてくるスーパーマイクロウェーブを背部リフレクターで受信、基部に直結された戦略級兵器「サテライトキャノン」へダイレクトにエネルギー変化して照射することができる。
その威力はコロニーのもっとも分厚い港湾部を軽く貫通し、最大出力ならばコロニーを一撃で破壊する事が可能。戦艦数隻を余裕で丸呑みにする照射範囲を持ち、射線上の物すべてを消滅させるほどの凶悪な破壊力を持つ。地上で使用した場合、地面が高熱によりガラス化するほど(別作品のアプサラスⅡと同様)。
MGでは新たに1週間無補給で戦闘継続が行える規模のエネルギーキープ(貯蔵)が可能という設定が設けられた。
サテライトシステムによりエネルギーは基本的に中継衛星が存在し昼夜場所を問わずマイクロウェーブを受信できた第7次宇宙戦争当時は実質無限だったが、中継衛星が破壊された戦後では月が出ていない状況では有限となっている。
装甲は「ルナ・チタニウム合金」を採用、マシンガンやバズーカ、ビームの直撃を受けてもほぼ無傷な圧倒的な防御力を誇る。ちなみに初代のRX-78-2 ガンダムも同じ名称の装甲材が使用されているが機体重量が全く異なる(ガンダムXの重量は初代ガンダムの10分の1程度)ため、名前が同じだけの別物とされている。
宇陸海空のすべてに対応する汎用性を持ち、パックパックが平坦・薄型ながら推力も非常に高い。
(後述のホバーリングモードもあるが、ある程度空中戦が行える)
リフレクターを展開し、後方(一方向)へ向けエネルギーを放射することで長時間のジャンプ(滞空)が可能となる「ホバーリングモード」も搭載。また、バックパックは下部以外にも上・左右に噴射口らしきものが存在する。四カ所の接続ポートにはオプションパーツを装備可能(サテライトキャノンも含まれるか不明)。外伝ではサテライトキャノン完成前だったため、高機動ブースター2基を装備している。接続ポートはサテライトシステムのエネルギー供給ステムに対応しているため、接続した装備へ供給が可能となっている。
本機は計3機が製造されている(プラモデル「1/100HG ガンダムX」より)。
- 1号機:第7次宇宙戦争では使用されず、北米大陸で保管されていた。ひょんなことからガロード・ランが乗り込み、彼とジャミル・ニートをメインパイロットとして活躍する。ヒロインを盾にしたり売られそうになったり改修されたりしながら戦後の戦乱を最後まで生き抜く(前期主人公機が最後まで生き残るのはガンダムシリーズでは稀)。戦後を描いた描き下ろしコミック「あなたと、一緒なら」では新たなカラーリングを施した「ガンダムX 3号機」として登場する。
- 2号機:地球連邦軍のニュータイプ兵士、ジャミル・ニートによって運用される。コロニー落としの際には阻止するべくGXでコロニーへの直接攻撃を行う。最後は革命軍のエース、ランスロー・ダーウェル駆るジオングフェブラルと相打ちになり、大破。外伝「ニュータイプ戦士ジャミル・ニート」ではその後、大気圏に突入して北米付近の海へ落着。放棄されている。システムは極秘裏に回収され、ガンダムダブルエックスに利用される。
- 3号機:戦時中に失われたらしい。黒く塗装されたうえでローレライの海に封印された機体も存在するが…?
ちなみに、旧連邦によって開発された「ガンダム」はGXのほかに大量の火器を装備したガンダムレオパルド(AW世界の「ファーストガンダム」)、変形機構を備え、高機動戦闘に特化したガンダムエアマスター、パイロットの安全性を無視し、戦闘能力を追求したガンダムベルフェゴール(本編未登場、SDガンダム Gジェネレーションシリーズが初出)がある。
武装
- サテライトキャノン
ガンダムXという機体のみならず、作品そのものを象徴する装備。キャノンとリフレクターで構成され、アームを介してバックパックの右上のポートへ接続されている。
詳細は該当記事参照。
サテライトキャノン用のエネルギーはサテライトシステムによりリフレクターから推進力としても使用できる他、各武装へのエネルギー供給が可能となっている。その他、設定ではサテライトキャノンは出力の調整も可能で、実際原作では使用毎にビームの太さ・照射時間にかなりバラつきがある。当然、最大出力で撃てば受信分のエネルギーはほぼ使い切ってしまう。 - シールドバスターライフル
ビームライフルとシールドを一体化させた複合装備。バスターライフルと銘打ってはいるが、前番組のそれとは異なり、ガンダムXにおけるバスターライフルとは各ガンダム毎に専用のカスタムが施されたガンダムタイプ専用高出力型ビームライフルの総称である。このシールドバスターライフル以外にもエアマスター用の軽量・連射型、ダブルエックス用の長銃身・大火力型が存在する。
【ライフル本体】
通常は銃身やスコープ・グリップを収納してバックパックに接続している。バックパックはサテライトシステムとも繋がっているため、エネルギー供給を受けることが可能。
冒頭からMAであるフェブラルを一撃で破壊していることや、サテライトシステムのエネルギーを利用できることも含め設定上かなりの高出力ビームを撃っている事になっているが、作中での使用頻度や撃破対象が主に量産機であることから実際にどれほどの威力があったかは不明。少なくとも通常のMSなら一撃で破壊可能な威力がある。資料では高出力故にエネルギーの消費も大きいが、中継衛星のあった前大戦時はサテライトシステムにより無尽蔵にエネルギーを補給できるため問題ないと記されている。一部で簡易サテライトキャノンともいわれているが、サイズやシステムなどを考えるとビームソードの出力を超えることはないともいわれている
【シールド】
シールドは通常の3倍の装甲を持ち、ベルティゴのビットの猛攻に機体中破まで耐え続けたという(やや珍しい)盾。
元がライフルという事もあり、シールドとしてはかなり小型のタイプである。グリップが前方へ倒れるため、通常の盾として正面に構えることも可能。グリップをライフル状態のまま使用することもある。HG1/144キットでは再現されていないが、HG1/100ではライフルの収納形態が再現されているため構えられなくもない。MGでは完全再現。
また、シールド展開中はライフルを使用できない。逆もまた然りという設計思想にツッコミが入ることもあるが、これは前番組のガンダムヘビーアームズ、後のブリッツガンダムやガンダムエクシアなどの複合武装も同様である。
(複合武装は元々こうした欠点があり、問題となっている。盾を備えたものは通常、他の斬撃や射撃を行う際に盾で防御できない。無論、例外もある) - 大型ビームソード
サテライトキャノン基部に1基装備する。サテライトシステムのエネルギーを利用することにより通常より太く、非常に高出力の刀身を形成し、戦艦の装甲を易々と斬り裂くほどの破壊力を誇る。前番組のガンダム系と同様、刀身は緑。また、エネルギー供給を受けることも可能。
1話~2話まで長時間使用していたが、戦闘が長時間に及んだためエネルギー切れを起こしたこともある。
2話では一度だけサテライトキャノンを基部ごと回転させ、左脇下から抜刀した。
サテライトキャノンがビームソードの鞘のように見える配置となっており、長剣を背中に背負っているシルエットにも見える。これは本機のデザインコンセプトが佐々木小次郎であるため。 - ブレストバルカン
腹部(左右脇腹)に4門装備されるバルカン。機能的には他のガンダムのバルカンと同様のものだが、この搭載位置はあまり例がない。ゲームなどでは通常のバルカンと比べ、さらに低威力ということもある。
ガロードは主に牽制のために積極的に使用している。 - ショルダーバルカン
外付けのオプション装備。バックパックには左二か所の接続ポートに空きがあるため追加装備された(キッドの自作、もしくは流用と思われる)。4銃身の回転式機関(ガトリング)砲。弾倉もセットとなっている。
ガンダムヴァサーゴとの初戦で1度だけ装備されたが、シャギア(プロの軍人)の正確な射撃によりこのバルカンだけが一発で破壊されてしまった。 原作では直撃してもガンダムタイプであるヴァサーゴにはまるでダメージを与える事ができなかったが、ゲームではブレストバルカンより威力がやや高めに設定されることもある。 - GXビット
フラッシュシステムにより遠隔操作される無人機。通常は12機が随伴する。胸部にマシンキャン、もしくはビーム砲を装備する以外、ガンダムエックスと装備と機体性能は同等。当初はガンダムエックス1機とGビット12機のサテライトキャノンの(威嚇)射撃で、宇宙革命軍のコロニー落としを思い留まらせるはずだった。コロニーは少数の落下であるれば十分阻止できる数だったが、20~30基以上(50基に及ぶとも)の宇宙コロニーを同時に迎撃することは想定されていなかった。
外伝では開戦と同時にフェブラルとの戦闘に突入している。
12機が随伴していたが、その多くがフェブラルのビットと戦い、射撃や近接戦闘で相撃ちする結果となった。
残存機はジャミルがニュータイプ能力を喪失して地球へ落下したため、宇宙へ取り残された。
ガンダムエックスディバイダー
フォートセバーン自警団のカリス・ノーティラス駆るベルティゴに大破させられたGXを少年メカニック、キッド・サルサミル率いるフリーデンのメカニックたちが修復、改修したのがガンダムエックスディバイダーである。
サテライトキャノンは失われてしまったが、新たにキッドがジャンクパーツから製作した「ディバイダー」を装備している。これは多連装ビーム砲として機能するだけでなく、シールド、果てには背中に取り付けブースターとしても機能する。末恐ろしい少年である。
バックパックの接続ポートのすべてに追加装備もされている。
ビームソードとホルダー兼バーニア(ブースター)が2基、サテライトシステムを失ったことによる出力低下(恐らく貯蔵できるエネルギー容量も低下)を補うためにエネルギーポッドが2基追加された。
フリーデンの太陽光発電で充電したエネルギーポッドは1基で12時間分のエネルギーがチャージされている。
追加バーニアにより、ディバイダーを用いずに空中戦も可能となっている。ディバイダーを背面に装備した状態は改修前と同様「ホバーリングモード」という名称だが、ブースターの2基それぞれの180度可動により機動力だけでなく運動性も強化されている。
戦略MSとしての兵器や機能こそ失われてはいるが、対MS戦を強化した戦術MSとなった。MS単体としての性能は大幅に上昇している。また、フラッシュシステムは問題なく機能し、ジャミルがGXビットを率いて戦ったこともある。
武装
- ビームマシンガン
サテライトキャノン共々破壊されたシールドバスターライフルに代わる主装備。
上下二連装式のビームライフル。マシンガンと銘打たれているのは上下交互に連射することでマシンガンとして機能することから。旧連邦軍の戦艦に装備されていた二連装メガ粒子砲をライフルサイズに改造したもの。
銃身下部には三角状の大型の回転式ドラムマガジンが備えられている。
一発一発が高出力ビームであるため、ガロードやジャミルは専らセミオート(単発)で射撃している。
上下交互に一発ずつ射撃するほか、上下同時に発射することも可能であり、こちらで使用していることも多い。
初陣のみバルカン状の連射ビームとして使用されたが、この一度のみ。
ガブル戦では3点バースト射撃(3発限定発射)するシーンも見られた。
最終話でジャミルは一射で2機のドートレス・ネオを撃墜している。 - 大型ビームソード
バックパックに2基装備される。改修前とほぼ同様の装備だが、増設された。サテライトシステムからのエネルギー供給では無くなった為、出力が落ちているとされるが、実際にどの程度差があるのかは不明。 - ブレストバルカン
改修前と同様の装備。ガロード自身の操縦技術に磨きがかかり、ビームマシンガンと併せて、フロスト兄弟2人を同時に足止めしたこともある(単に2人相手に戦うのに慣れたとも)。
シャギア「慣れとは恐ろしいものだな……」 - ディバイダー
小型大出力の19連装ビーム砲と2基の回転式小型ブースターを装備するシールド。中央部から割れ、ビーム砲が露出するその姿から「ハモニカ砲」という名称も存在する。ゲームなど武装としての名称は専ら「ディバイダー」。
シールドではあるが、バックパックに装着すれば追加ブースターとなり、ハモニカ砲はビームマシンガンを超える出力を持つ。片手で構えたまま滑空するなど、このサイズにして多機能・高出力と割と何でもありなキッドのお手製装備。
多連装ビームは拡散ビーム砲のように使える他、収束してカッター状のビームも発射できる。
水中でも高出力ビームとして発射できるだけでなく、ガンダムヴァサーゴやパトゥーリアの装甲を貫く貫通力を持ち合わせている。 - ハイパーバズーカ
作中ではキッドにビーム兵器より有効だとして水中専用装備として使用された。
ゲーム等ではそれ以外の環境でも扱えることが多い。その後、様々な弾頭を装填可能という設定が追加され、正式に水中以外でも使用可能という設定の改変がされた。 - Xグレネーダー
設定のみのオプション装備。手榴弾タイプで、原作ではエスタルド国のパイロンがほぼ同デザインのものを装備していた。 - GXビット
大戦中に製造されたGビットをジャミル(ルチル)が起動させたもの。
機体・武装ともに稼動可能状態であり、ジャミルの操作によりドートレス・フライヤー部隊は一方的に撃退されている。
このGビットのバスターライフルによる射撃は、12機すべてがコクピットだけを正確無比に射抜いていくという圧倒的な光景だった。戦闘終了後に、ジャミルの手によってすべての機体がサテライトシステムごと葬られている。
(戦後にこれだけのサテライトキャノンが存在するというのも非常に恐ろしい話であるが、戦前であれば製造するだけならサテライトキャノンも量産可能であるという技術の世界ということでもある)
ゲームでの扱い
どのゲームでもそこそこ高めの機体性能に凶悪な攻撃力、というのが基本である。サテライトキャノンは作品によって昼でも使えたり夜しか使えなかったりとまちまち。以上のこともあり、多くのゲームでGXのバランス取りには苦労している節がある。
なぜか、ノーマル⇔ディバイダーと自由に換装できる作品もある。どういうことだ。(まあ、便利といえば便利よね)。
ガンダムvsガンダムでは前期機体にもかかわらずコスト3000で参戦(ちなみにヴィクトリーガンダムは1000、ストライクガンダム、インパルスガンダムは2000)。サテライトキャノンは高威力だが扱いづらい。
続編のNEXTではガンダムダブルエックスの参戦もあり、ディバイダーに換装し、サテライトとディバイダーを使い分ける機体になった。
ガンダムEXTREMEVSシリーズではジャミル・ニートの駆るガンダムXディバイダーがコスト2500で参戦。
本シリーズからジャミル機は一貫してディバイダー装備で登場している。
地上でブーストを行うとディバイダーを利用したホバー走行(ラゴゥやモビルファイター系と似た特殊な挙動の地上ブースト)になるという特徴がある。
ビームマシンガンやバズーカ(コマンド入力で曲射もできる)で牽制し、本命のディバイダーによる強力な攻撃を当てていく機体になっている。
また、格闘チャージ攻撃で1出撃に一度だけGXビットを呼び出し、敵に向かってサテライトキャノンを照射させることが出来る。
覚醒技(バーストアタック)はサテライトキャノン一斉射撃。左右に呼び出したGXビットと本体のサテライトキャノンを同時に発射する。サテライトキャノンを並列して撃つので範囲が非常に広い。また、この時だけ機体の表記が「ガンダムX」になる。
現在はDLCで通常のガンダムXとディバイダーを換装できるガンダムX(ガロード&ティファ搭乗)が配信されている。ディバイダー装備形態に加えて、シールドバスターライフルとバズーカ、時間チャージ式のサテライトキャノンが使える通常状態が換装で使用できる。ディバイダー時の攻撃コマンドの内容が変わり、通常状態との換装が出来るかわりにディバイダー状態でバズーカを使用することができない。バーストアタックはジャミル機と同じ。
関連動画
関連静画
ガンダム、売るよ!
関連項目
- 機動新世紀ガンダムX
- モビルスーツ
- ガロード・ラン
- ジャミル・ニート
- ティファ・アディール
- ジャミル・ニート
- サテライトシステム
- フラッシュシステム
- ニュータイプ
- ガンダムダブルエックス
- ガンダムエアマスター
- ガンダムレオパルド
- ガンダムシリーズのMS・MAの一覧
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