ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(Guardians of the Galaxy)とは、マーベル・コミックに登場するスーパーヒーローチームである。
概要
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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーとは、主に宇宙で活躍するヒーローが集まって結成されたチームである。
初めて「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」というチームが登場したのは1969年で、マーベル・ユニバースにおける基本世界アース616とは別世界のアース691で結成された。そこから様々な変遷を経て、2008年にはメンバーを一新した、新しいチームとしてアース616で結成されることになった。
本項は基本的にこの現行設定に基づいた内容を記述する。
メンバーは様々な宇宙人で構成されており、銀河を危機から守ることをテーマに掲げて行動している。活動範囲は宇宙全域に及び、必要に応じて地球のヒーローやインヒューマンズ、クリー人、時にはサノス等と協力することもある。
なお英語タイトルはそのままカナ表記にすると「ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー」だが、日本版の公式サイトや実写映画の日本語タイトルでは「ザ」が省かれて表記されているため、本項もこれに準じる。
メンバー
現行設定におけるガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの主要メンバー。
スター・ロード
本名ピーター・クィル。地球人の母と地球に不時着したスパルトイ人の父親の間に生まれた。宇宙飛行士になって宇宙ステーションにいた時に宇宙人と出会い、スター・ロードという惑星間警官の肩書きを得て銀河を飛び回るようになった。新生ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの発起人となる。
特殊能力は持っていないが、飛行能力などを持つ強化スーツやエレメントガン等のツールと、巧みな戦略眼や機転の良さを活かして戦う。
ガモーラ
ゼン・フーベリという種族の唯一の生き残りで、サノスに救助された。以来サノスから様々な戦闘スキルを徹底的に教え込まれて暗殺者となった「全銀河最悪の女」。
なんやかんやあってサノスとは袂を分かち、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーに加わる。もう一人のサノスの養子、ネビュラとは因縁浅からぬ関係。
ハイレベルの身体能力を持つ近接戦闘のエキスパートで、主に剣を使用する。
ドラックス
通り名は「ドラックス・ザ・デストロイヤー」。超人的な怪力やスタミナ、耐久力を持つ。
サノスに殺された地球人の魂を、サノスの父とタイタンの神様クロノスが救助したことで生まれた(この時一緒に助けられた娘もムーンドラゴンというヒーローになった)。地球人としての名はアーサー・ダグラス。
上述の経緯もあり基本的にサノス絶対殺すマン。
ロケット・ラクーン
見た目はかわいい二足歩行のアライグマだが、中身は凶暴かつ凄腕のアウトロー。
遺伝子を改造された動物の住む惑星ハーフワールドの出身で、クィルと共同戦線を張った経験を経てガーディアンズ・オブ・ギャラクシーに加わることになった。クィルが行方不明になった際はチームのリーダーを務めていたこともある。
優秀な戦略家であり、他種多様な武器を巧みに使用するほか、宇宙船の運転手としても活躍する。
グルート
喋って歩く木。実はキャラクターとしての初登場は1960年とメンバー中最古で、しかもスパイダーマンの悪役だった。クリー人に捕まっていたところをクィル達に救出され共闘したことから、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーに参加する。ロケット・ラクーンとは特に仲が良い。
「I am Groot!」の一言しか喋れないが、長く接していれば何を喋っているのか分かるらしい。体を構成する木をコントロールして攻撃・防御に利用するほか再生能力も高く、小枝から体を復元することもできる。
このほかにもアダム・ウォーロック、マンティス、フィラ・ベルといった多様なメンバーが所属している。
実写映画
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
マーベル・シネマティック・ユニバース10作目として公開された。MCUにおけるガーディアンズ・オブ・ギャラクシー結成のオリジンを描く。2014年8月公開、日本では9月に公開。略称は「GtoG」。
それまでおおよそ地球の一部で展開されていたMCUの舞台を宇宙全体へと大きく広げることで、SFやアドベンチャーといった要素を多く盛り込んでいる。
また、作品全体を通してコミカルなテイストとなっており、総じてそれまでのMCU作品から方向性を大きく変えた、意欲的な作品となっている。
あらすじ
1988年、母親と死別した少年ピーターは、謎の宇宙船に拉致されてしまう。
26年後、宇宙を股に掛けて活躍するアウトローとなったピーターは、ある星で「オーブ」と呼ばれる謎の物体を盗み取るが、これが原因でピーターはクリー人の告発者ロナンに命を狙われ、さらに傭兵集団ラヴェジャーズから懸賞金を掛けられることになる。
ザンダー星でピーターはオーブを狙う暗殺者ガモーラ、懸賞金目当てのアウトロー、ロケットとグルートの襲撃を受けて戦うことになり、結果的に全員拘束されて刑務所に投獄されてしまう。オーブをめぐって共通の目的を持った4人はロナンへの復讐を誓う大男ドラックスを加えた急ごしらえのチームを作り、刑務所からの脱獄を果たす。
ピーター達はオーブの正体は、宇宙を滅ぼしうる力を持つインフィニティ・ストーンの一つ「パワー・ストーン」だということを知る。しかし彼らの前にロナンとラヴェジャーズが現れ、紆余曲折を経てオーブはロナンの手に渡ってしまう。それぞれの立場の違いからそりが合わずいがみ合っていた5人だったが、銀河の危機を前に団結し、ロナンの野望に立ち向かう。
概要
ピーター・クィルをクリス・プラット、ガモーラをゾーイ・サルダナ、ドラックスをデイヴ・バウティスタ、ロケット・ラクーンをブラッドリー・クーパー、グルートをヴィン・ディーゼルが務める。ヴィランの告発者ロナンはリー・ペイス、ラヴェジャーズのリーダーでピーターの育ての親ヨンドゥ・ウドンタはマイケル・ルーカ―、ノーウェアで宝物を収集するコレクター/タニリーア・ティヴァンをベニチオ・デル・トロが担当。
宇宙の星々を舞台にして、個性的な大勢のキャラクターが入り乱れるボリューム満点のSF超大作。インフィニティ・ストーン誕生の理由や、様々な悪事を裏で操るラスボス・サノスの登場など、地球で繰り広げられるMCUの物語のキーとなるポイントを別の視点から語る役割も持っている。
それまでのMCUと一風変わった作風が大ヒットし、全世界興行収入は7億ドルを突破しMCU10作中3位と大躍進を果たす。また映画がヒットしたことで、逆にコミック側ではマイナーチームだったガーディアンズ・オブ・ギャラクシーが注目され、出番が増えたという。
ちなみにエンディング後の映像で登場した喋るアヒルは、ハワード・ザ・ダックというヒーロー。
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス
「GtoG」前作の続編であり、マーベル・シネマティック・ユニバース15作目。ちなみに英語のサブタイトル「vol.2」は、ピーターのミュージック・テープのタイトルに基づいている。
2017年5月公開。
SFコメディ要素は前作に引き続き更にパワーアップ。加えて今作では、前作で謎のままだったピーターの父親が登場し、「家族」の物語が描かれる。
あらすじ
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」としてチームを組んだピーター、ガモーラ、ドラックス、ロケット、ベビー・グルートは様々な星で仕事を請け負い、宇宙を駆け回っていた。
ソヴリン人のアニュラクス・バッテリーを宇宙怪獣から護衛する任務を引き受けた一行。任務は無事に達成するが、ロケットがバッテリーを盗み出していたことが発覚し、ソヴリン人の執拗な追撃を受ける。絶体絶命の危機に陥る一行だったが、エゴと名乗る謎の人物に救われる。
エゴは、自分はクィルの父親であり、他の生命体を探して宇宙を旅していた時に地球にやってきてピーターを授かったのだと説明する。疑うピーターだったが、自分にエゴと同じ力があることを知り、次第にエゴを信頼していく。しかしエゴには、自分の子供を探す「本当の目的」があった。
一方ソヴリン人からガーディアンズ・オブ・ギャラクシーを探す任務を依頼されたヨンドゥはネビュラと協力。ロケットとベビー・グルートを拘束するが、部下に裏切られ、自身も捕えられてしまう。エゴの正体を知っていたヨンドゥはロケットらと協力し窮地を脱出、エゴのもとに向かう。
概要
既存のキャラクターのキャスト変更は無い。新キャラクターとして、謎の男エゴをカート・ラッセル、エゴの付き人マンティスをポム・クレメンティエフ、ラヴェジャーズの総元締めスタカー・オゴルドをシルヴェスター・スタローンが務める。
前作のノリとSFアクション要素を引き継ぎつつ、さらにエゴという「生みの親」とヨンドゥという「育ての親」二人とピーターの複雑な親子関係を描き、ストーリーに深みを与えている。ラストシーンでは号泣必至。
前作で他の4人を救うために犠牲になったグルートはベビー・グルートとして蘇ったが、人格的には別人であり、振る舞いも幼児そのもの。ベビー・グルートの世話に手を焼きつつも助け合うチームの姿もまた、一つの「家族」の形と言えるかもしれない。
ちなみにヨンドゥとスタカーはコミックの初代ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーに所属している。またエンディングに登場したアダム・ウォーロックは、コミックだとサノスと対立する重要なキャラクター。
アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー
これまで様々な事件を陰で操ってきた最強の敵、サノスが遂に自ら動き出す。アスガルドの脱出船が襲撃に遭いソーは完敗、スペース・ストーンを奪ったサノスは船を破壊する。宇宙を漂うソーを助けたのは、救難信号を探知したガーディアンズ・オブ・ギャラクシーだった。
MCUではヒーローの単独映画に他のヒーローが登場することで物語間の橋渡しをしてきたが、GotGは物語の舞台が宇宙ということもあり、他のヒーローと接触することが無かった。
しかしアベンジャーズ3作目においてついに、他のヒーローと共闘を果たすことになる。
サノスの娘であることからキーマンとなるガモーラとネビュラの行動や、シリアス満載の物語の中で笑いを提供してくれるキャラクターなど、オールスター出演作でも大いにその魅力を発揮している。
アベンジャーズ/エンドゲーム
前作「インフィニティ・ウォー」でサノスによりそのメンバーのほとんどが消されてしまったGotG。生き残りのロケットとネビュラは地球のアベンジャーズと協力し、過去に戻りインフィニティ・ストーンを手に入れる作戦に参加する。
サノスの娘としてネビュラは引き続き重要な役回りを演じ、タイムスリップ先で出会った過去のガモーラもまた、もう一度ネビュラとの決着をつけることになる。
ホワット・イフ…?
もしMCUの各場面で実際とは異なる選択がなされていたら?というイフの世界を描いたアニメ短編集。2021年にディズニー+で配信。2023年にはシーズン2が配信。
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー関連のエピソードもいくつか含まれており、「もしもティ・チャラがスター・ロードになったら」のエピソードではGotG本編では散々な扱いをされていたスター・ロードの称号がティ・チャラの活躍で名誉あるものになっていたり、サノスがヴィランからヒーローへと立場を変えていたりする。
シーズン2では「ネビュラがノバ軍に入ったら」「ピーター・クイルがエゴに引き渡されていたら」「ガモーラが宇宙に取り残されたトニー・スタークを暗殺しようとしたら」などのGotG関連のエピソードが配信された。
アイ・アム・グルート
2022年8月10日にディズニー+で配信されたベビーグルートを主役とした短編アニメ集。
ソー:ラブ&サンダー
『エンドゲーム』ラストでソーがGotGに同行していたため、映画冒頭に登場。GotGは神としての自信と能力を取り戻したソーに振り回されることになる。
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー ホリデースペシャル
2022年11月25日にディズニー+で配信されたインターネットテレビスペシャル。
サノスとの戦いでガモーラを失ったまま立ち直れずにいるクイルを励まそうと他のメンバーが奔走する。
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3
『GotG』三部作の最終作。マーベル・シネマティック・ユニバース第32作目。2023年5月3日公開。
今作もSFコメディと多くの名曲との組み合わせが「家族」の物語を盛り上げてくれる。
本来はもっと早く制作・公開されるはずだったのだが、シリーズを通しての監督であるジェームズ・ガンが過去のツイートを問題視され、2018年に一時解雇されていたため制作が遅れたという事情がある。ガン監督は2019年に復帰したが、その後解雇期間中にDC映画の『ザ・スーサイド・スクワット』の監督として契約しており、本作の撮影が開始されたのは2021年10月だった。
相変わらず締まらないGotGの面々だが、今作ではあるメンバーがこれまで逃げてきた自分の過去に向かい合う。
あらすじ
ノーウェアに本拠地を構えたGotGだったが、クイルはガモーラのことを忘れられずに深酒に逃げる日々を送っていた。
そんな折、ノーウェアにソヴリンからの刺客「アダム・ウォーロック」が襲来。からくも撃退するもののロケットが瀕死の重傷を負ってしまう。治療キットを使おうとするもロケットの体内にはキルスイッチが存在していることが判明。GotGはキルスイッチを無効化してロケットを助けるために、彼の過去を探り、その元凶と対決する事になる。
概要
既存のキャラクターに変更はなし。第1作から登場しているクラヴリンはサポート役として大幅に出番が増えた。また、言葉を話し、超能力も使える宇宙犬コスモも存在感を放つ。
ヴィランとしては前作ラストで存在を匂わされたアダム・ウォーロックと、完璧な種族を作るために生体実験を繰り返すハイ・エボリューショナリーが登場。アダム・ウォーロック演じるのはウィル・ポーター。今作のアダムは超人的な能力を持つものの、精神的には子供と変わらないというアンバランスなキャラクター。ハイ・エボリューショナリーを演じるのはチュクーディ・イウジ。今作のハイ・エボリューショナリーは数百年間生体実験を繰り返してきた完璧主義者となっており、ソヴリンも彼によって創造されている。
関連動画
関連静画
関連項目
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