キエフの幽霊(または亡霊)(宇: Привид Києва 露: Призрак Киева 英: Ghost of Kyiv)とは、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻の際に現れたとされるエース・パイロットである。
実在性が定かでなく、一種の都市伝説、ネットミームとして語られる存在である。
概要
2022年2月24日、ロシアはウクライナへの侵攻を開始[1]。ロシアはあくまでウクライナに対する制空権を一日で確保したと主張していたものの、実際にはロシア空軍機への少なからぬ損害が出ていることが明らかになる。このなかで、ウクライナ空軍MiG-29MU2戦闘機のパイロットが開戦した24日に単機でロシア空軍機6機を撃墜した、という噂がウクライナをはじめたSNSで広まり始める。27日にはウクライナ国防省が『キエフの幽霊』として知られるパイロットが10機を撃墜したと報告。更にポロシェンコ元ウクライナ大統領が言及するなど、実在する英雄としてウクライナより喧伝された。
しかしその際に使われた画像はロシアの侵攻前からウクライナ空軍ウェブサイト上で使われていた画像であり、ロシア機撃墜のビデオも『Digital Combat Simulator World』によって作成されたフェイクをウクライナ国防省が転載したものであることが明らかとなる。
結局の所実在そのものは現在でも不明であるが、キエフの幽霊に関しては実在そのものはあまり問題とならず、ある種のプロパガンダ、あるいはロシアに攻められているウクライナへの世界の同情心やウクライナ国内での対ロシアの中における英雄がほしいという願望がこの『キエフの幽霊』という存在を作り上げたのではないかという主張がなされている。
なお、ロシアサイドは当然ながらこのキエフの幽霊の実在を否定している。
漫画化
このエピソードをモチーフにした漫画同人誌「キエフの幽霊」がサークル『松田重工』より制作され、2022年5月5日のコミティア140で頒布された。この同人誌はウクライナでも話題になり、ウクライナの出版社によりウクライナ語版が出版、英語版も制作された。
現在「増補版」が通販で入手でき、続編「幽霊の帰還」も頒布されている。
関連リンク
- The Ghost of Kyiv, Ukraine's urban legend of a hero ace pilot | Marca
- ‘The Ghost of Kyiv’ is the first urban legend of Russia’s invasion of Ukraine
- ロシア機6機を撃墜したというウクライナ軍のエース「キエフの幽霊」の撃墜映像はシミュレーション - GIGAZINE
- 「キエフの幽霊」って何者? ウクライナ空軍に1日で6機撃墜のエースパイロット誕生か(乗りものニュース) - Yahoo!ニュース
- 一日にロシア戦闘機6台撃墜…ウクライナを守る「キエフの幽霊」の実体(中央日報日本語版) - Yahoo!ニュース
関連項目
脚注
親記事
子記事
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兄弟記事
- なし
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