キムパプ、キンパ(韓:김밥、英:Gimbap・Korean Seaweed Roll、中:紫菜包饭[1]・紫菜捲飯[2]・海苔飯捲[3])とは、韓国の海苔巻きである。かつては「ノリマキ(노리마키)」とも呼ばれていた。
なお韓国語の音写は日本ではいくつかあり、「キムパプ」「キムパッ」「キムパ」「キンパプ」「キンパッ」「キンパ」はすべて同じものを指す。本来の標準語では「キーンバッ」となるらしい。
概要
キムパプは日韓併合時代日本からもたらされた巻き寿司が現地で定着し、酢飯の代替としてごま油をつかい、キムチなどを具材とするなど現地化が進んだもの。もともと日本も韓国も世界で数少ない海苔を食べる文化があったため、定着したものとされる。
当初はこの由来から「ノリマキ」の語が使われていたが、1948年に韓国の国語醇化政策で「キムパプ(김밥:海苔ご飯)」の語が提案された。更に1995-1996年の文化体育部・国立国語院による置換え推進により現在はキムパプが定着している。日本にも逆輸入されており、「キムパプ」や「キンパ」「韓国風海苔巻き」などとして販売されていることが多い。
韓国政府が編纂した『韓国伝統文化事典』において日本起源であることは示されているが、韓国内では三国時代の文献にルーツを求めたり、サンチュの文化から派生したなどとする説もあげられている。朝鮮語版Wikipediaでも1800年代の文献にルーツを求める説しか載っていない。しかしナムウィキなどでは海苔巻きルーツが紹介されているなど、韓国の若年層には日本由来は受け入れられている模様(というより、キムパプの呼び名が1948以降に産まれ、1995年以降にようやく広まったこともあり、日本由来と考えるのが自然だったのだろう)。
日本の巻き寿司と比較すると、酢飯を使わずごま油を使う点、材料として上述のキムチのほか、にんじん、ほうれん草、エゴマの葉、チャンジャなど日本の海苔巻きではあまり使われない具が多い点があげられよう。外側にもごまを振ったりもする。また、日本と異なる点としてかなりファーストフードとして定着しており、おやつ代わりに食べられたり遠足やピクニックの弁当になったりといった日本のおにぎりの立ち位置にある模様。逆におにぎりの立ち位置ゆえか、生魚は使用されない。なお、韓国にもおにぎりは伝来しているが、「三角キムパプ」と呼ばれ日本のようにおにぎりと巻き寿司として区分されるほどではない模様。
また、日本で言う海苔巻きといえば細巻きがデフォルトであり、太いものは「太巻き寿司」ということが多いが、韓国の場合は逆であり、キムパプは太く、小さい方を「コマキムパプ」(コマは子供の意)や「麻薬キムパプ」と呼ぶ。
食べる際に、そのまま食べるのみならず、トッポッキの甘辛ソースに絡めたり、辛子醤油をつけることもあるようだ。
関連動画
関連リンク
- モランボン 薬念研究所 韓国の食文化 4月のキーワード キムパプ
- [박정배의 한식의 탄생] 1819년엔 '福쌈'이라 불려… 이젠 프리미엄 김밥도 - 조선일보
- 노리마키 - 나무위키
- 日vs韓 料理対決 第二十二回:キムパプvs海苔巻き < 칼럼 コラム < 世論 < 기사본문 - 아시아씨이뉴스
関連項目
- 巻き寿司 / 海苔巻き
- カリフォルニアロール - 韓国でも海苔の苦手な欧米人に向けて海苔を裏巻きにした韓国風カリフォルニアロールといえる『ヌードキムパプ』が存在する。
脚注
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- 韓国チキン
- キムチ
- クッパ(料理)
- コムタン
- サムギョプサル
- ジョン(朝鮮料理)
- セキフェ
- タッカンマリ
- チーズタッカルビ
- トンスル
- ナムル
- ハマグリのガソリン焼き
- ビビンバ
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- プルコギ
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- 焼肉
- ユッケ
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