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キャビア(caviar)とは、チョウザメの卵を塩漬けにした食材である。
概要
美味であること、そして高価であることで世界的に有名であり、フォアグラやトリュフと合わせて「世界三大珍味」とされることもある。
caviarとはフランス語や英語での綴りである。その語源をたどるとイタリアやトルコを介してペルシャ語に突き当たるようだ。
過去には、主な産地はカスピ海沿岸の国々、例えばロシアやイランなどであった。他に黒海沿岸の国々、例えばルーマニアやウクライナでも生産されていた。特にカスピ海からとれたロシア産は高級食材とされていた。チョウザメにもいろいろと種類があり、そのため「どのチョウザメの卵か」によってキャビアも種類が分かれるが、カスピ海や黒海で捕れる種類のチョウザメ4種(ベルーガ、オシェトラ、セヴルーガ、スターレット)の卵を使ったキャビアが代表的・伝統的なものと見なされることが多かった。
しかしカスピ海や黒海では乱獲が年々エスカレートし、加えて環境汚染の影響も合わさって、チョウザメが激減。ベルーガなどは絶滅の危機に瀕している。そのためワシントン条約によって、持続可能な漁獲が可能と示した産地以外からのキャビアは国際取引が禁止になった。しかし、希少性からくる非常な高価を背景として不正に輸出されたキャビアが市場で見つかることがあり、問題視されている。
上記の理由から、2016年現在では同じチョウザメ科ではあるが上記の知名度が高い4種とは異なる種類の魚――たとえばカスピ海・黒海以外の海や河などに生息する種や、それらを交雑して作られた養殖用の種――の卵を使用したキャビアが多くなってきている。また、チョウザメの養殖とそこからのキャビア生産も様々な国で盛んにおこなわれており、日本にも養殖生産場が存在している。
同じチョウザメ目ではあるが科が違う、ヘラチョウザメ科のヘラチョウザメ(パドルフィッシュ)の卵を使ったものもあり、粒の大きさや色はセヴルーガに近い。チョウザメ目ですらない全く異なる種類の魚(ランプフィッシュなど)の卵を原料として黒く着色するなどして作成されたものもあり、安価ではあるがチョウザメの卵ではないのに「キャビア」と呼称することに異論が唱えられることもある。パドルフィッシュのキャビアもチョウザメ目ではあるがチョウザメ科ではないので単純に「キャビア」と呼ぶことに難色を示す人もいるが、全く異なる種類の魚のものよりは受け入れられているようだ。またそもそも魚の卵を原料としていない、いわゆるコピー商品としての人造キャビアも存在する。
キャビアをすくいとるための専用のスプーンが使用されることがある。スプーンが金属製だとその匂いがキャビアに移って繊細な風味が損なわれると言われているため、この専用スプーンは貝や骨やガラスや象牙など金属以外の材質、あるいは金属ではあるが匂いを残さないとされる金で作られることがある。体温で少し温めるとキャビア本来の香りが放たれるとのことで、キャビア自体の味をテイスティングする際には専用スプーンですくったキャビアを一旦手の甲(親指と人差し指の間)に直接乗せてから味わうという趣向もある。
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関連項目
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