『キャプテン翼 RISE OF NEW CHAMPIONS』とは、2020年に発売されたPS4、Switch用ゲームソフトである。略称は『RONC』。開発はタムソフト、販売はバンダイナムコ。
概要
2018年の新作アニメの好評を受けて開発・販売された、『キャプテン翼』の世界を余すところ無く再現したサッカーアクションゲーム……と言うかキャプテン翼式サッカーアクションゲーム。スライディングタックルをかませば豪快に人が吹き飛び、必殺シュートでフィールドが抉れ、中には人を殴っているとしか思えないモーションのプレーが頻発するが審判は誰も反則を取ろうとしない。「サッカー」と見れば明らかに間違っている描写でも「キャプテン翼」としては決して間違っていない、まさに「サッカーは格闘技だ!」という戦いが繰り広げられる。
イベントや会話シーンによる原作の再現や、原作では大きく注目されなかった脇役のクローズアップや補完、見事に世界に溶け込んだゲームオリジナルキャラクター達の評価も高い。
DRAMATIC STORY
一人用のメイン。
原作の中学生編を再現した「EPISODE OF TSUBASA」と、そこからゲームならではのif展開に突入する「EPISODE OF NEW HERO」の二部構成。
「EPISODE OF NEW HERO」はニューヒーローリーグ編とワールドチャレンジ編があり、2018年のアニメで描かれなかったジュニアユース編の補完を担っている。
EPISODE OF TSUBASA
南葛中学を主役に、原作の中学生編を再現したストーリー。
原作漫画や2018年のアニメを知らなくとも、ここでその熱き戦いの物語に入っていける。
また今作では「南葛の選手は他校より一回り強い」というバランスとなっているため「翼以外がお荷物」という事態にはならない。国内ナンバー2に相応しい強さを誇る森崎を筆頭に、修哲トリオの攻撃力や高杉・石崎の防御力など、南葛の総合力をより実感しやすくなっている。
EPISODE OF NEW HERO
本作の真の主役と言える、プレイヤーが育てる「ニューヒーロー」が主役となるモード。
なんとフランス国際大会が主催権を奪われる形で中止、その代わりにアメリカで開催される「ジュニアユースワールドチャレンジ」が舞台となる。
大会参加チームも変化しており、オリジナルチームのアメリカ・セネガルが新登場。さらにフランス大会では不在だったブラジル・オランダが出場。また、開催順延により時間の猶予ができたため、一部のチームには新戦力としてゲームオリジナル選手が加入している。
一方その頃、日本では全国大会のエキシビションとして代表選考会を兼ねた「ニューヒーローリーグ」の開催が決定。同時優勝を果たした南葛・東邦を含め各地の強豪達が再びぶつかり合うこのリーグ戦での全勝優勝がNew Hero編の第一目標になる。
プレイヤーの所属校は【ふらの・武蔵・東邦・大友・南葛・花輪・比良戸】の7校から選択できる。
ここで育てたニューヒーローを加えてチームを編成し、オンライン対戦も可能。
主な登場人物(ゲームオリジナルの人物は★を記載)
日本
- ★ニューヒーロー
- プレイヤーの分身にしてNew Hero編の主人公。名前・声・外見は自由に設定可能。他国の選手達からは背番号の「23番」で呼ばれる。
翼と同等以上のラーニング能力とミューラーとも知り合いになれる程のコミュ力を併せ持つ。 - 入学する高校によって設定が異なるが、沢田タケシと同い年であること、各中学校の先輩達に憧れを持っていること、○○先輩/○○さんと敬語呼びが多いのはどのルートでも共通。
- ふらの:6月の転入生。進路関係でスタメンから欠員が出たため、その穴埋めとして推薦。松山不在の準決勝敗退~決勝戦の短期間に先輩たちの注目を集めていたが、余所者として足を引っ張ってしまわないか不安を抱えている節がある。
- 東邦:東邦の二軍所属。万全の翼が率いる南葛に対抗するべく開催された昇格試験で新戦力候補として見出される。唯一の同級生ということもあってタケシとは親密。選択肢には主人公の腕前と求められるレベルが高く現れており、名門のレギュラーの重さが垣間見える。
- 武蔵:武蔵の控え選手。上級生を交えた紅白戦での活躍から三杉に見出され、三杉のいない前半を補う存在となるべく三杉直々に指導される。あの三杉に一対一で勝つという攻めた設定だが、来年度の東邦リベンジに向けた対タケシの対抗馬養成と考えれば筋は通る。
- 大空翼
- 原作、EPISODE OF TSUBASA編の主人公。そしてライバル達の視点で物語が進むニューヒーローリーグにおいて、全勝優勝を懸けた最終戦の対戦相手として登場する。公式戦全勝の制約が存在した「中学時代の翼」がラスボスとして君臨するのは史上初。
一方南葛編では全国大会で負ったケガの治療のためチームを離れなければならず、ある人物が抱えたサッカーができない辛さを知ることになる。
- 石崎了
- リーグ戦欠場を余儀なくされた翼からキャプテンに任命され、持ち前のガッツでチームを率いるキャプテンとしての素質を原作より一足早く見せる。
また翼に憧れるニューヒーローの練習に熱心に付き合ったり、翼が無茶しない範囲で共同練習を組むなど、翼の親友としても大いに活躍する。
ドイツ
- ★コルネリアス・ハイネ
- ドイツのMF。東部ドレスデン出身であり「ドレスデンの妖精」の異名を持つ。
絶対的な自信と実力、加えてシェスターに並ぶルックスも有するエース。国内大会ではマーガス・シェスターのコンビを破り、決勝もシュナイダー・カルツ・若林の三人相手に互角に渡り合った。
決勝で大怪我を負ったためフランス国際大会の代表から外れていたが、開催地変更&延期に伴い、現地でリハビリをしながらチームに合流する形で代表入りのチャンスを手にした。
フランス
- ★ジャン
- マルセイユのDF。歯に衣着せぬ物言いと監督相手にも持論を曲げない頑固さから「独善的な人物」という悪評が広まってしまい、一度はサッカーを辞めていた。代表入り後も物言いは変わらないが、ピエールの仲介もあって周囲への印象は良い方向に昇華している。
彼の守備力、特に1対1の実力は非常に高く「フランスの盾」と称される程。クラブ在籍時はあのナポレオンを無得点に抑え込んでいる。その際に殴り合いになったためナポレオンとは犬猿の仲。
弟と妹がいる。
- エル・シド・ピエール
- 本来ならフランスで大会が行われる予定だったはずが、アメリカに主催を奪われた件から始まった雪辱を果たすことに燃えているため、原作とは雰囲気が多少異なっている。
ジャンの加入により安心して攻撃に専念できるようになったのだが、ジャンとナポレオンの喧嘩が頻繁に起こるため心労が絶えない。
- ボッシ
- ピエールがナポレオンと共に攻撃に専念したことでチャンスが増えたのか、原作では無かったことにされた「こぼれ球をねじ込む」点取りスタイルを確立。
汎用ながらも必殺シュートを獲得し、決めるときは決める後詰めの立場を得た。
- アモロ
- オランダとの強化試合で6-2と大敗、追加選考会の結果は控えGK不在&DF1人のみ、結果を残したナポレオンから「ヘボGK」と罵られても何も言い返せないなど、相当なプレッシャーがのし掛かる羽目に。
しかし練習ではナポレオンのシュートをキャッチしたシーンがあり、試合でも普通のタイガーショットでは防がれるため「おれだって頑張ってる」という言葉に偽りは無い。
イタリア
- ★レオナルド・ルチアーノ
- ハングリー精神溢れるイタリアのFW。性格に難があり代表入りを見送られていた問題児だが、単独でカウンターを完結させるほどの攻撃力と、勝つために必要なプレーを瞬時に選びとるファンタジスタの素質は本物。
交流イベントで彼を誉めると昨今では珍しいツンデレっぷりを見せる。
- タルデリ
- 原作から登場しているイタリアのFWだが、特に活躍はしておらず、注目されることも無かったマイナーなキャラ。
今作では「FWルチアーノの追加召集=自身の攻撃力不足」という事実を明確に突きつけられてしまい、ルチアーノに対し劣等感を抱えている。
そのルチアーノと2トップを組むことになるのだが、協調性に欠ける上にキャプテンのジノさえ煽る彼との衝突が絶えない。
オランダ戦での活躍は必見。
オランダ
- ブライアン・クライフォート
- ジュニアユース編当時の時期であるため、後に戦う時の技と大きく異なる。
若林の腕を破壊した強力な破壊力の必殺シュートを持っていたはずなのに、後年ではテクニック主体の戦い方になっていたが、このゲームでは「この時期のクライフォートは本来こうだったはず」という想像を具現化した性能になっている。
スウェーデン
- ステファン・レヴィン
- ジュニアユース編当時の時期であるため、まだワールドユース編前に起きた悲劇が発生していない。
そのため「明るい性格だった頃のレヴィン」という、このゲームでしか見られない個性を見せてくれる。
アルゼンチン
- ファン・ディアス
- 新技「ミラクルバウンド」の習得など、原作よりパワーアップして登場。
他チームが新キャラクターの加入によって強化されているにも関わらずアルゼンチンにはゲームオリジナルキャラクターの追加は無く、原作通りに「ファン・ディアスのチーム」として代表を牽引している。
またアメリカルートでは天才ライアン・オルティスとの差異が描写される。
- アラン・パスカル
- 今作では「ディアスの相棒」という面がより強調されており、ゲーム中でも「ボールを持ったディアスに追い付きやすい」「ディアスとのコンビ技を持つ」など明確に現れている。
また交流イベントでは「ディアスと同じようにサポートできる選手がいれば」と自身のポテンシャルに気づく場面がある。
ブラジル
- カルロス・バーラ
- 本来の名はカルロス・サンターナ。
ジュニアユース編当時の時期であるため、この時期名乗っていたバーラ姓で出場する。
ワールドユース編の設定に繋げなければならないため、彼に関わる物語は「サッカーサイボーグとなる事を心に誓う」という悲劇的な展開となってしまう。彼が解放されるのは数年後、ワールドユース編を待たねばならない。
- アルベルト
- ブラジルのキャプテン。ワールドユース編では打ち切りのためにほとんど描写されずモブ同然だったが、本作ではしっかりとキャプテンらしさを発揮する。カルロスとのコンビ技も持っており、チームの中核としての存在感を持った。
- ★ケイジーニョ
- 明るく楽しいサッカーを信条とするブラジルのGK。ジュニアユース編のカルロスという翼ですら祓えない特大の闇に対して、笑顔を絶やさない彼のプレーはチームの清涼剤として機能している。
驚異的な反射神経と柔軟な体を活かしたアクロバティックなセービングが持ち味で、Sセーブではなんとボールを蹴って止める。強いシュートと戦う事を楽しみとしており、シナリオ中でもシュナイダーのファイヤーショットを何度もキャッチする等、実力も高い。
- ルシアーノ・レオ
- カルロスの養父バルソレ・バーラの意向で「カルロスの活躍でブラジルを優勝させる」ため、MFにコンバートして登場。大人の事情に辟易しながらも、カルロスと共に優勝したいという思いで大会に挑む。
- バルソレ・バーラ(非選手)
- カルロスの養父。カルロスとレオを代表に派遣したが、その理由は「カルロスの活躍でバーラFCの名を広め、新たなスポンサーを得る」ため。
僅かな登場ながらも彼の強欲さとカルロスが抱える闇の深さを見せつけた。
セネガル
- ★イスマイル・サンゴール
- セネガルジュニアユース代表のキャプテンをつとめるMF。
踊るようなドリブル、正確無比なパス、軌道の読めないシュートなど非常に優れたボールコントロールの持ち主。
しかし本人の気弱な性格から消極的なプレーが少なくなく、身体能力の面では他の代表選手に劣るため自他共に評価が低い。
- ★ムーサ・マリック・ジャロ
- セネガルジュニアユース代表のFW。
身体能力の高いセネガル代表の中でも特に優れた選手であり、スピードとジャンプ力は世界トップレベル。その身体能力を活かしたヘディングや強力な「ヴァルチャーショット」でチームを牽引するエースストライカー。 - キャプテンのサンゴールとは幼なじみであり、本人とは逆に彼を高く評価している。
アメリカ
- ★ブレイク・マーティン
- アメリカジュニアユースのFW。アメフトを含むあらゆるスポーツからスカウトされていたマルチアスリート。恵まれた体格と鍛え上げられた筋肉が自慢で「サッカーは格闘技」とラフプレーも多いが、練習では率先して仲間を鼓舞するなどキャプテンの素質を持つ正々堂々としたスポーツマン。
アメフト仕込みの「ブレイクドリブル」や「ブレイクタックル」など、パワーに拘ったサッカーが信条。
- ★シェイク・アズワン
- アメリカジュニアユースのGK。ドライブシュートを「お辞儀」と称して挑発したり、Sセーブではキャッチしたボールを後ろ手でお手玉するなど、かなりのダーティプレイヤー。
一方で彼の代表への執着や負けん気の強さや長身でボールを挟みこむセービングなど、何が何でも食らいつくような彼のスタイルはチームに大きな影響を与えている。
- ★ジョージ・カージナル(非選手)
- 世界的IT企業の創業者で「ジュニアユース・ワールドチャレンジ」のメインスポンサーの一人。サッカースクールの経営も行っており、今回のアメリカ代表選手の大半は彼のサッカースクールに所属している。
大会のスポンサーとして運営に携わっており、スタジアムの建設や参加チーム用の練習場や宿舎施設を提供している。
自身のサッカースクールに人材を集め、国際大会の裏では何かを企むなど怪しい様子を見せるが……?
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