キラ・ヤマトとは、機動戦士ガンダムSEEDシリーズの登場人物である。
概要
機動戦士ガンダムSEEDの主人公であり、その続編である機動戦士ガンダムSEED DESTINY、機動戦士ガンダムSEED FREEDOMでも登場した。当初、DESTINYではサブキャラクターだったが、話が進むに連れて本来の主人公シン・アスカを差し置いて出番が増え、第3クールあたりから本格的に物語の主人公に置き換わった。なお、福田監督は「最初からキラ・アスラン・シンの3人が主人公のつもりだった」と発言している。
人工子宮を用いることで誕生した数少ないスーパーコーディネイター(製造番号:No.00054125)で、身体能力や知能が極限までに高められている。SEEDと呼ばれる因子を持っており、これが覚醒することで高い戦闘能力を引き出すことが可能。実戦に不慣れであったストライク搭乗時こそ苦戦する描写はあったものの、フリーダム搭乗以降は機体性能の高さも相俟って、一騎当千の強さを見せつけた。
元々は一般人だったが、戦争に巻き込まれて地球連合のパイロットとして戦うことになる。離脱後は第三勢力となる組織(オーブや三隻同盟)に所属し、コーディネイターとナチュラルの戦争を阻止しようとする。
初めのうちは、戦争はしたくないが戦わないと仲間を守れないという葛藤や、周囲からの重圧によって精神的に不安定になることが多かった。しかし、連合離脱後は感情的になることが少なくなり、敵兵を可能な限り殺さずに、黙々とMSの頭部や武装を破壊して戦闘不能にする戦闘スタイルに変化した。
- ▼階級
視聴者の反応
2作品両方において大きな人気を博したキャラクターではあるが、その一方で次のようなことを巡っては議論が絶えず、評価は二分されている。
これらは主に脚本の描写不足などに起因していると指摘されることがほとんどである。劇中で明示されていたことを重視する人と、物語を独自に解釈した人同士で衝突が起きやすい。
アスラン・ザラやラクス・クラインの他、シリーズそのものにも言えることだが、アンチや愉快犯が非常に多い。名前が挙がるだけで嫌悪されたり、悪い方向に拡大解釈されて貶められることも少なくない。これを不快に思うファンが多い分、議論を越えた論争に発展することもしばしば。また、信者やキャラ厨も多く、異常なまでにキャラクターの持ち上げを行ったり、真っ当な批判であってもそれを全否定してアンチと切り捨てることも起こっている。そのため、彼が登場する動画は総じて荒れている。
以上のことから、ガンダムシリーズの登場人物の中で特に好き嫌いが激しく、良くも悪くも話題が尽きないキャラクターと言える。
主な台詞
- 「やめてよね。本気で喧嘩したら、サイが僕に敵うはずないだろ?」
- 「気持ちだけで、一体何が守れるって言うんだ!?」
- 「僕…、僕は…、殺したくなんかないのにぃぃぃ!!」
- 「想いだけでも…、力だけでも…。」
- 「キラ・ヤマト、フリーダム、行きます!」
- 「力だけが僕の全てじゃない!」
- 「それでも、守りたい世界があるんだぁぁぁ!!」
- 「討ちたくない、討たせないで。」
- 「そんな…、なぜ君が…、なぜ君がまた!?」
- 「命は、何にだって一つだ!だからその命は君だ!彼じゃない!」
- 「覚悟はある。僕は戦う。」
- 「いくら吹き飛ばされても、僕らはまた花を植えるよ、きっと。」
- 「仕方ないだろ!きみらが弱いから!」
- 「僕は自分の手で未来を選ぶ!」
諸ゲームにおける扱い
知名度の高い作品の主人公というだけあって、ゲームへの出演回数は多い。
スーパーロボット大戦シリーズやガンダム無双シリーズなどでは、キラ達の行動原理・目的がきちんと描写されていて、原作の粗削りな部分が修正されている。(特にSEED DESTINY時代で登場する場合)軍人として、コーディネイターとして混迷の世界を迷走するシンのアンチテーゼという立ち位置になりやすい。
キラ自身にも少なからず改変が加えられ、フリーダム搭乗以降の達観した性格から、熱血漢で人間らしく、プレイヤーから共感されやすい性格へと変わることもある。また天然キャラとして描写されることもある。
スーパーロボット大戦シリーズ
スーパーロボット大戦シリーズではSEED時代なら比較的早めに参戦するが、DESTINY時では自軍がミネルバ側か、アークエンジェル側かで参戦時期が異なる。
初参戦となった第3次スーパーロボット大戦αでは原作と似たような展開になることが多い。ガンダム系の主人公と関わるほかにガンダムWのカトル・ラバーバ・ウィナー、エヴァンゲリオンの碇シンジと友人関係になる。
スーパーロボット大戦Jでは部隊に感化されたのか上記のように熱血気味になり、特に「クルーゼエエエッ!!」の台詞はファンの間で語り草となっている。
スーパーロボット大戦Zでは、主人公として救われたシンとは反対に、劇中で様々なキャラクター(主にゲーム中盤でミネルバ組と行動を共にしたキャラクター)から非難される描写が目立つことで賛否両論を呼んだ。これについてもネット上では議論になりやすい。(ただし全員に批判されたわけではなく、短かったとはいえアークエンジェルと行動を共にしたキャラクターからはストライクフリーダムに搭乗し復活した時に喜んだキャラクターもいるし、キラキラコンビを結成しよう、とゴッドシグマの吉良謙作から誘われたりとフォローもある。またエウレカセブンのマシューからあまりの天然発言っぷりにフリーダム王子の異名をつけられた。)
また、キラ自身もシンと同様に成長している描写は見られる。憎まれても痛みを抱えて戦う覚悟を決め、クルーゼ同様に己の憎悪で世界を滅ぼそうとするフロスト兄弟を真正面から否定した。
続編の第2次スーパーロボット大戦Zでは前作の戦いと味方部隊との交流を経て人間的に大きく成長し、前作のキャラクターのみならず、今作から登場した作品のキャラクター達ともよく絡む。(というよりも前作Zでは「味方部隊に参戦するのが遅い」、「参戦前の介入行為のためキラが部隊との関わるのに消極的で本当に部隊と分かり合えたのが最終決戦前」で部隊とあまり絡まなかった影響もある)熱血な場面もあるが天然な面も。
第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇ではシンと共に2人だけの参戦になってしまう。お互いの相方はいないもののストーリー面や戦闘面でも安定した出番や能力。顔グラフィックが新調され表情が豊かになったが戦闘時のグラフィックの顔の輪郭等に何か違和感があるともっぱらの評判。またストライクフリーダムの「ドラグーン・フルバースト」の名称が「一斉射撃」と微妙な名称になっている。
スーパーロボット大戦Lではそんなに熱血漢にはされていないものの、シナリオそのものの大きな改変が行われており、シンが属するザフトとキラが属するアークエンジェルが敵対する事がほぼ無く、シンと協力してステラを救出するなど、シンからは逆に尊敬されるような行動が目立つ。やむなく対立の立場になることになったエンジェルダウン作戦の際は、シンは「ステラを一緒に助けたあの人と俺は戦えるのか?」と迷いを見せるほどであり、しかもフリーダムが横槍を入れてきた他組織の攻撃からインパルスを庇うなど、徹底的に漂白一貫性のある正義を見せている。また戦争への武力介入は、謎の組織「GreAT」の追跡に忙しいらしくいい意味でそっちのけなので、その方面の非難を受ける事も無くなっている。(Lはキラに限らず、アスランも脱走ではなく正式な形でアークエンジェルに移っているなど、いろいろとDESTINY勢が救われている作品である。)
声付きでは初参戦の第3次スーパーロボット大戦αからスーパーロボット大戦UXまで台詞の新録がされていた。
しかしスーパーロボット大戦OE、第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇では台詞の新録がされなかった。
vs.シリーズ
彼の搭乗機の特徴はそれぞれ、ストライクなら「状況に応じて形態を変えることで万能な活躍ができるMS」、フリーダムとストライクフリーダムなら「装甲は脆いが射撃戦能力と機動性が極めて高い最強クラスのMS」となることが多い。これらは特に機動戦士ガンダム vs.シリーズで顕著である。
同シリーズでは、フリーダムが無印ガンガンでバランスブレイカーだったこと(ちなみにストライクとフリーダムの2機が参戦したがフリーダムはなぜかDESTINY名義での参戦だった)、ストライクフリーダムがNEXTでラスボスとして登場し、攻略が恐ろしく高難度だったことで有名。NEXTのプレイヤー仕様のストライクフリーダムは、耐久力と火力の低さのせいで、勝利するのが難しい玄人向け機体であると言われている。
EXVSでは、大会常連勢に「立ち回りで事故さえ起きなければ最強」と評価されるほどの強機体に生まれ変わった(というよりは連ザⅡ時代の性能に戻ったとも言える)。また、ストライクには設定上でのみ存在するI.W.S.P.形態が追加されている。パーフェクトストライクはまだですか?
EXVSFBではストライクは有用な覚醒技などで若干強化された(それでもI.W.S.Pの性能が下がった)が、ストライクフリーダムはシステム的にも武装的にも大幅に弱体化され、闘えないことはないが同コスト機比較して機動力も高いわけではなく、特有の強みもほとんど他の機体に奪われ、NEXTほどではないが火力も伸びない微妙な機体になってしまった。その他、前作の家庭用からフリーダムが復活参戦している。こちらは火力・機動力・格闘性能が高い万能機であり、分かりやすい強みを持つことから解禁当初は高めの評価をされていたものの、次第に自衛力、援護力など対戦環境で求められる能力が今一歩足りないことが明るみになり、最終的にはストフリと同様に微妙な評価をされている。
EXVSMBではストライクフリーダム、ストライク(当初はサブ射撃のバルカンがメビウス・ゼロ呼び出しに変更され大幅に弱体化され酷評されたがアップデートでバルカンが復活しメビウス・ゼロは格闘チャージに変更された。しかし一方でI.W.S.Pがさらに弱体化し前作までとは違い切り札とはいえない性能になってしまった)、フリーダムともに調整、強化され、環境トップとは言わないまでも上位機体相手にも十分戦える性能に返り咲いた。そして念願?のパーフェクトストライクが参戦。(残念?ながらこちらはムウさん搭乗)
その後、ストライクフリーダムは全国大会前のアップデートで強化され、文句なしの環境トップに君臨した。全国大会での使用率は同コスト第1位を記録している(ただし優勝したのは第2位のバンシィ・ノルンとドッレドノートガンダムのペア)。その後下方修正され、環境トップはナイチンゲールやガンダムレギルスに譲ったものの、比較的小幅な修正だったため上位グループには留まった。
EXVSMB ONでは、ストライクフリーダムに再び下方修正が入っている。NEXTからの復活武装の「SEED発動」(使いきり覚醒のようなもの)やフルバーストの火力向上という強化点もあるが、流石に上位からは落ちている。同じくフリーダムもSEED発動が可能になったが、NEXTでも実装されていなかったストライクには追加されていない。
EXVSシリーズのフリーダムとストライクフリーダムは耐久力がそれぞれ2000コスト、2500コスト並の耐久力なので原作のようにいかにして機動力を活かして相手に攻撃できるかがポイントになる。ストライクは3つのストライカーパックを使いこなし、かつ時限式のI.W.S.P.でダメージを取らなければ同コスト並の活躍ができないという気難しい機体だが、シリーズが進むに連れこういった灰汁の強さは緩和されてきている。
ガンダム無双シリーズ
ガンダム無双シリーズではSEED DESTINYからとして2から登場。高い能力を持つが初期状態ではニュータイプではない(ファンネルが使用できない)のが欠点。愛機ストライクフリーダムは集団、ボス戦両方に対応できる万能機体。3ではSEED DESTINY枠では加入時期が一番早く、ストーリー面でも出番が多い。
真では無印SEEDが初参戦し、無印キラが使用可能になりストライクとフリーダムも新たに参戦した。
余談・その他
- 実はSEED本編で、「戦いを避けたいが為にクルーに無断でラクス・クラインを逃がそうとする場面」で、ラクスが宇宙服を着るシーンでラクスの下着姿を目撃している。(宇宙服に着替えるために本人がその場で脱いだ)
- MS戦闘においては地味にキックを多用することがある。一部のゲームではこれが再現されており、彼の乗るMSの格闘攻撃でキックを行うことがある。
- 他のキャラクターからは「キラ」(マリュー・ラミアスからは「キラ君」)と名前で呼ばれるが、ムウ・ラ・フラガからはよく「坊主」と呼ばれていた(戦闘中等の真面目な場面では名前で呼ぶこともあった)。
- SEEDの最初のOP冒頭や、彼の回想で出てくる緑の鳥は「トリィ」という名のロボット。アスランが作ってプレゼントしたもの。ちなみにアスランはこれ以外にラクスにもたくさんのハロをプレゼントしている。
- キラ・ヤマトのキャラ設定は週刊アスキーの「カオスだもんね!」の取材でも言及されており、電撃ホビーマガジンの副編集長によると、歴代ガンダム人気投票においてはストライクフリーダムが既存のシリーズのMSを抑えて3位になっており、「カッチョ良くて強いというのは性別や年齢を超えてみんな大好き」という事でキラの無双っぷりは大人気だったという。[3]
関連動画
関連コミュニティ
関連項目
- 機動戦士ガンダムSEED
- 機動戦士ガンダムSEED DESTINY
- 機動戦士ガンダムSEED FREEDOM
- アスラン・ザラ
- シン・アスカ
- ラクス・クライン
- カガリ・ユラ・アスハ
- ストライクガンダム
- フリーダムガンダム
- ストライクフリーダムガンダム
- ライジングフリーダムガンダム
- マイティーストライクフリーダムガンダム
- キラキラコンビ
- キラートマト
- ※良い子は軍事施設に入ってはいけません
脚注
子記事
兄弟記事
- なし
- 29
- 0pt