キラービーとは、アフリカナイズドミツバチの通称である。日本では「殺人蜂」という愛称で知られていることも。
この名前にちなんだ二つ名、愛称を持つキャラクターが複数存在し、恐れられている。
また、スズメバチといった毒性・凶暴性の高い蜂にこの愛称が付けられることがあり、一般的にこう呼ばれるアフリカナイズドミツバチのことは知られていない傾向も見られる。
この記事では、アフリカナイズドミツバチの生態を解説していく。
概要
キラービーという怖い愛称とは裏腹に、ミツバチの仲間である。そう聞くと「なんだ、可愛いじゃん」と思うかもしれないが、実態はそんなことはない。日本でお馴染みのミツバチとは比較してはいけないほど、凶暴でカリカリした蜂である。凶暴さだけで見ればオオスズメバチに近いものすらある。
先祖はセイヨウミツバチであり、偶然誕生したものである。かつてセイヨウミツバチは養殖のためにアフリカに持ち込まれたが、一部のセイヨウミツバチが逃げ出してしまった。その逃走個体が在来種との混血した結果、このような凶暴な蜂が誕生してしまった。
最大の特徴はその防御本能の強さである。縄張りとして認識する地域が広く、人間がそうとは知らずに入ってきて、防衛本能によって防衛隊の蜂の大群に刺されることが多い。しかもせっかちな性格で、敵対生物と認識するまでの時間は、なんとわずか0.5秒に過ぎない。
毒性は確かに強めではあるが、元がミツバチであるため、実は致死原因に関して毒性の強さはそこまで重要ではない。このキラービーが一番恐ろしいのは、前述のような過剰なまでの防衛本能の強さである。
特に厄介なのが、トラックなどの大きな振動に反応していきり立ち、周辺のまるで関係ない人や家畜にまで、危害を加えにやってくるという神経質さにある。おまけにかなり陰湿なストーカーであり、相手をちゃんと攻撃して撃退するまでどこまでもどこまでも追ってくる。
ただでさえ気の短い蜂達が大勢で刺しに来るのだから、襲われた方はもはや逃げることしか出来ない。むしろ、そのしつこさから逃げ切るの自体が至難。これが殺人蜂と恐れられる所以である。
巣を見捨てるのもあっさりであり、キラービー達は何らかの不都合が起こるとしばしば巣を乗り換えて移動していく。これは生息地の拡大の原因にもなっている。生命力が高いため、そういった臨機応変さも兼ね備えているのである。
ミツバチであるため、ハチミツを収集して暮らしている。その生命力の高さを買った農家が養殖している場合がある。最近は先祖である穏やかなセイヨウミツバチとの混血種が増え、緩やかにではあるが性格は軟化しつつある。
オオスズメバチ「だがまだ青い」
しかしこのキラービー、所詮ミツバチと言えばミツバチである。オオスズメバチに対抗する手段を持つトウヨウミツバチやセイヨウミツバチとは違い、蜂球を作ることが出来ず、体格差もあってオオスズメバチの大顎にあっさりやられてしまう。
そのためオオスズメバチを使ったキラービーの駆除が検討されたが、実行すればオオスズメバチは生命力の高さを活かして繁殖し、生態系を破壊する恐れがあるということからさほど積極的には進められてはいないようだ。
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