キルバーンとは、「DRAGON QUEST -ダイの大冒険-」の登場人物である。
概要
8巻で初登場を果たし、バラン編ではダイの実力を試す為に超竜軍団からヒドラとドラゴン数体を借り受け、ベンガーナを襲撃している。その後も要所要所で登場して、作中のキーマンである事を匂わせている。
常に使い魔の「ピロロ」を随伴させ、誰に対しても飄々とした態度を見せる仮面の怪人であるが、その正体はかつてバーンと魔界を二分していた冥竜王ヴェルザーが派遣した刺客であった。バーンは「地上破壊計画の監視者」と解釈していたが、実際は地上も手に入れたいヴェルザーがバーンを倒す為に差し向けた暗殺者である。「キルバーン」という名前も「バーンを殺せ」という暗号名である。(注1)
また、ミストバーンとは対極の性格ながら友人関係にある。
作中ではポップとの関連が深かったが、後に再登場を果たし、己の自尊心を激しく傷付けたアバンを付け狙い、激しい頭脳戦を繰り広げている。相手を罠に嵌め、狼狽している様を楽しみながら暗殺することが彼の必勝戦法で、作中でも幾多の罠を仕掛けアバンの使徒を苦しめていたが、互角以上の知力をもつアバンが仕掛けた「14本目のファントムレイザー」の罠に嵌り、首を跳ね飛ばされてしまった。
それで倒されたかに見えたが、最終回でまさかの登場を果たし、意外な真相が明らかとなるのである。
ピロロ
キルバーンが常に随伴させている使い魔で、一つ目ピエロのような魔物。
特にこれといった戦闘能力は有しておらず、サポートに回る事が殆どである。作中ハドラーの傷を回復していた事から、ある程度の回復呪文を使用できる事が明らかになっている。キルバーンに自分が見たものを伝達する能力がある他、ファントムレイザーの補充も可能となっている。また、彼が持つ不思議な粉をキルバーンに振り掛ける事で、胴切りにされ2た状態からでも復元が可能となっているが、首が切断された時には復元が不可能だった。(注2)
最終回で彼が本物のキルバーンである事が明かされ、今まで本体だと思っていたものは「操り人形」であった事が判明している。人形に仕掛けてあった黒の核晶を発動させ、アバンの使徒の一掃を図ろうとしたが、アバンが投げつけたゴールドフェザーにより身動きが取れなくなった所を、マァムの閃華裂光拳を受け蒸発してしまう。
ヴェルザー
魔界の強者の一人で、かつてはバーンと魔界を二分していた冥竜王。
バランにより一度倒され、現在は石像の姿で封印された状態にある。
不滅の魂の持ち主で、たとえ身体が滅んだとしても時を経て甦る事が可能となっている。また、作中で初めて黒の核晶を発動させた人物でもあり、その時は自分の支配域の大半を吹っ飛ばしたとされている。
己と実力を二分していた雷竜ボリクスを「真竜の戦い」で下し、冥竜王の名を手に入れた様は、魔界で「最も凄絶な戦い」として語り継がれているらしい。闘気やブレスを操ったとされているが、その真価は定かではない。
主な武器、技など
暗殺者であるキルバーンは、罠をはじめとして他にも様々な能力を仕込んでいる。
ここではそれらを列挙、解説する。
- 死神の笛
柄の部分が笛になっている大鎌で、キルバーンの象徴ともいえる武器の一つ。
柄の笛は演奏できる以外にも、回転させる事で超音波を発生させる事が可能となっていて、相手の五感の自由を奪う事が出来る。
実際の笛がそうであるように、微細なヒビが入っただけで音が出なくなってしまう欠点を有している。 - 魔界のマグマ成液
キルバーンが血液としている液体。
超高温かつ強い酸を含んでいる、という特徴があり、その威力はオリハルコン製の真魔剛竜剣さえも腐食させてしまった程。また、彼の身体に突き刺さったドラゴンキラーは跡形も無く崩れ去っている。 - 殺しの罠(キル・トラップ)
キルバーンがバーンパレスの至る所に仕掛けた呪法の罠の総称。
トランプに対応した名称が付けられ、魔法力以外一切受け付けないという特徴があるが、実際にトランプの枚数と同じ数だけ存在しているかどうかは定かではない。
また、キルバーンの命令がなければ発動しない為、両手を塞がれていると発動できない、という欠点を有している。 - ジャッジ
キルバーンがコレクションにしている魔界の決闘器具。
対象以外は決して立ち入る事の出来ない空間を形成、そこへ対象を引きずり込んで決闘させるという特徴がある。
また、決闘の敗者を裁く役割も持っており、敗者の首をはねる事で決着とする。
キルバーンにより、相手諸共メガンテで自爆するように改造されている。 - ファントムレイザー
キルバーンの頭部の模様に仕込まれている13本の刃で、一度放たれたら本人以外には位置が把握できない、という特徴を持っている。また、切れ味が非常に鋭く、触れただけでアバンの剣が切れてしまったほどである。
ちなみに、「レイザー」とは「カミソリ」のこと。 - バーニングクリメイション
キルバーンの奥の手。
自分の身体の一部を切断。頭上で高速回転させた後に魔法力で血液の「魔界のマグマ成液」に点火させ、巨大な火球を形成する技。
作中では自分の腕を用いていたが、理論上は自分自身を丸ごと点火する事も可能ということになる。(注3)
ちなみに、「バーニングクリメイション」とは「火葬」のこと。 - 黒の核晶(くろのコア)
「人形」の顔面部に仕込まれていた、伝説の超爆弾。
魔界の奥地に存在する魔法力を無尽蔵に吸収する性質を持った「黒魔晶(こくましょう)」という物質を、呪術で加工する事で完成する。原則としては、製作者の爆破指令を受ける事で爆破させる事が可能だが、他にも魔法力吸収量が限界を超えるか、表面で凍結するヒャド系以外の呪文を受ける事でも爆発する、と考える事ができる。
(作中、超魔生物に改造したハドラーの影響を受けた事で「何時火がついてもおかしくない」とバーンが述べている上、ハドラーに仕込まれていた核晶を見たバランが「呪文の類は一切使うな」とダイに忠告している記述がある。)
その威力は手のひら程度の大きさの物で死の大地を吹き飛ばしてしまえるほど。(しかもバランが全竜闘気を放出して爆発範囲を食い止めているにもかかわらず、である。)
キルバーンの場合は、作中を見る限り「バーンを倒す為の切り札」として仕込んでいたものと思われる。(注4)
なお、「人形」が超高熱のマグマ成液を動力としている影響で、ヒャド系呪文で凍結させる事ができない。
関連動画
関連コミュニティ
関連項目
注釈
- 名前から自分に差し向けられた暗殺者である事は理解している。
但し、その正体と隠し持っていた切り札に関しては気付いていなかった可能性がある。 - 最終回では粉なしで首を胴体にくっつけていた。
バーンかアバンの使徒に対して騙し討ちをかける為だった可能性もあるが、実際のところは不明。 - もちろんそんな事をすれば大爆発を引き起こすのは言うまでもない。
バーニングクリメイションの炎が自分へ引火した際に、ピロロがアバンに助けを求めたのはこれを防ぐためだった可能性あり。 - バーンに対して使用するタイミングを逸している為、対象をアバンの使徒に切り替えた模様。
- 10
- 0pt